これから子犬を迎える方。 また、すでに子犬を迎えた方も。 良い子に育ってほしいと子犬の「しつけ」をお考えだと思います。 けれども「いつから始めたらいい?」「何から教えたらいい?」とわからないことだらけではないでしょうか。 子犬のしつけのベストタイミングは「信頼関係ができてから」。 そして、子犬が覚えたい「基本のしつけ」は以下の6つです。 ①トイレトレーニング ②「おすわり」のコマンド ③「伏せ」のコマンド ④「待て」のコマンド ⑤「ハウス」などのクレートトレーニング ⑥「おいで」などの呼び戻しコマンド なお「コマンド」とは、犬に行動を呼びかける際の合図(指示語)のことです。 「お手」や「おすわり」などの声かけは、お馴染みではないでしょうか。 しかし、子犬が覚えるべき重要なしつけはコマンドを使うもの以外にもあります。 トイレトレーニングやクレートトレーニングといった生活に関わるしつけや吠え癖、飛びかかりといった問題行動に対するしつけ、などなど……。 この記事では、子犬を迎えたばかりの飼い主さんが知っておきたい「基本の子犬のしつけ方」ついて解説します。 しつけを始めるベストタイミングや子犬が覚えるべきしつけ方。 さらには、やってしまいがちな「子犬の間違ったしつけ方」をよくある失敗例とともにご紹介します。
子犬のしつけを始める時期は「信頼関係ができてから」がベスト!
「子犬のしつけは、いつから始めるべき?」 ズバリその答えは「信頼関係ができてから」です。 具体的には、家に迎えたばかりの子犬が生活環境に慣れてから。 さらには、飼い主さんたちを信頼のできる仲間と理解してからが、しつけのベストタイミングといえます。 迎えたばかりの子犬の境遇を考えてみましょう。 母犬や兄弟犬から離され、全く知らない環境でひとりぼっち……。 人間の感覚としても、非常に大きなストレスであることがわかります。 それゆえ、迎えたばかりの子犬は非常に体調を崩しやすいのです。 心身共に安定させるためにも、最初の数日間はゆっくり過ごす必要があるでしょう。 なおかつ、信頼関係の構築も、しつけには欠かせません。 信頼関係がないまま、焦ってしつけをしてもうまくいかないうえに、無理にトレーニングを進めては最悪、飼い主さんを警戒対象とみなす可能性もあります。 そこでまずは、しつけを始めてよい合図「信頼関係が構築できているサイン」を見ていきましょう。 ①自分の名前を覚えている ②アイコンタクトができる ③抱っこなどのスキンシップができる ④一緒に楽しく遊べる ⑤夜鳴きしない
①自分の名前を覚えている
愛犬が「自分の名前を覚えている」または「呼ぶと反応してくれる」。
当たり前に感じるかもしれませんが、これもまた信頼関係がなければできないことです。
そもそも愛犬が自分の名前を覚えていなければ、しつけはできません。
しつけの際に必ず名前を呼びかけ、意識を向ける必要があるからです。
しつけを始める前に、まずは愛犬の名前を呼んで反応があるか確認してみましょう。
②アイコンタクトができる
「アイコンタクト」すなわち「目と目を合わせられるか」も信頼関係に関わります。
これは研究でも実証されていることです。
麻布大学獣医学部の視線に関する研究
では、飼い主さんと愛犬が見つめ合うことで俗に「愛情ホルモン」と呼ばれる物質が「お互いに」増加することがわかっています。
元来、犬という動物が目を合わせるときとは、相手に敵意があるときです。
そのため、あえて視線を合わせるようなことはしません。
つまり、信頼関係があるからこそのアイコンタクトといえるでしょう。
また、しつけの際にもアイコンタクトは必要となります。
「名前を呼ぶ→アイコンタクトをする(集中させる)→コマンドを出す」が指示を出す際の基本の流れだからです。
アイコンタクトが持つ役割を見てみましょう。
・飼い主さんに気持ちを向ける(集中力を高める)
・うれしい時の極度の興奮状態や警戒心などを落ち着かせる
しつけの前にアイコンタクトができていれば、愛犬は「飼い主さんの指示が来るぞ!」と聞く体勢を整えることができ、さらには飼い主さんの指示も通りやすくなります。
③抱っこなどのスキンシップができる
愛犬とのスキンシップができる状態は、信頼関係ができているサインといえます。
顔や体、足先、しっぽ等の細部にまで、嫌がらず触れさせてもらえるか。
抱っこしたときに、緊張して体がこわばっていないか。
信頼関係ができていれば、リラックスして身を任せてくれるはずです。
また、これらのスキンシップが子犬の頃からできると、日常的な健康チェック(ボディチェック)や嫌がりやすい歯磨き、爪切り、肛門周り、足裏のケアもしやすくなります。
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④一緒に楽しく遊べる
一緒に楽しく遊べることも、信頼関係が結べているサインです。
ただし、迎えたばかりの子犬を構い過ぎたり、遊び過ぎたりしないよう注意しましょう。
本来、0歳~1歳までの子犬は一日「18~19時間」の睡眠が必要といわれています。
にもかかわらず、子犬は自分の許容量を超えて際限なく遊んでしまうことがあるのです。
その結果、体調を崩す子もなかにはいます。
5分~15分ほど遊んだら、1~2時間ほど必ず休憩を取らせてください。
まだまだ元気に遊べそうでも、強制的に休憩させることがポイントです。
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休む場所も、落ち着ける環境を用意してあげましょう。
常に家族が周囲にいて、にぎやかだったり、ちょこちょこ中を覗ける環境だったりでは、まだ信頼関係を構築する途中の子犬にとって、心から休まる環境とはいえません。
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なお、初めて遊ぶ際には、まず部屋のなかを「探索」させてください。
自分の暮らす場所を知ってもらい、部屋のさまざまなものに対して警戒心を解くためです。
このとき、飼い主さんは必ず「ただ見守る」ことを意識しましょう。
ニオイを嗅いでいるからといって、無理に対象を近づけるとかえって警戒してしまいます。
以下のように、子犬には子犬のペースがあります。
①遠くから観察
②少しずつ距離を縮める
③近づきニオイを嗅ぐ
④安全の確信(警戒心を解く)
自分の暮らす場所に対して、警戒心を十分解いた後に遊びを始めましょう。
子犬が好きな遊びや夢中になるおすすめのおもちゃは、以下の記事をご覧ください。
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⑤夜鳴きしない
子犬が夜鳴きをする理由のひとつが「不安や寂しさ」です。
つまり、夜鳴きがないということは、今の生活環境に慣れたとも考えられます。
また、母犬や兄弟犬ではなく、新たに飼い主さんという存在と信頼を結んだからこそ、不安や寂しさがなくなったともいえるでしょう。
【お迎え後すぐ】子犬の基本のしつけ6選(基礎編)
信頼関係ができたと感じたら、早速しつけを始めましょう。 まず、優先的に子犬に教えたいのが以下の「6つの基本のしつけ」です。 ①トイレトレーニング ②「お座り」のコマンド ③「伏せ」のコマンド ④「待て」のコマンド ⑤「ハウス」などのクレートトレーニング ⑥「おいで」などの呼び戻しコマンド 効率的にしつけができるよう、上記の順番をぜひ意識してトレーニングしてみてください。
①トイレトレーニング
子犬を迎えたら、まず優先したいのが「トイレトレーニング」です。
子犬の時期は、散歩デビューまでしばらく室内での生活となります。
トイレも基本的に室内ですることになるので、何よりも優先したいしつけといえるでしょう。
先ほどしつけは、信頼関係ができてからとお伝えしました。
しかし、トイレトレーニングについては、子犬を迎えたその日からでも実は始められます。
というのも、まず必要となるのが、愛犬のトイレサインやトイレのタイミングを飼い主さん自身が観察することだからです。
愛犬がトイレの前で、どのような行動(トイレサイン)を取っているでしょうか。
たとえば、くるくる回ったり、床のニオイをしきりに嗅いだり。
また、特定のタイミングでトイレをする子もいます。
朝起きた直後、水を飲んだ後、ごはんの後、遊んだ後。
これらをよく観察し、信頼関係ができたら本格的にトイレトレーニングを始めてください。
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②「お座り」のコマンド
「お座り(オスワリ)」は、遊びながらでもできる、簡単なしつけのひとつです。
挑戦しやすいため、ぜひ早めにマスターしてしまいましょう。
お座りの習得は、この後の「待て」の習得にも関わります。
短い「待て」の状態を保たせる姿勢が、お座りだからです。
短時間の待ては、ごはんの前や玄関でのお迎え、信号待ちなど、さまざまなシーンで使うため、その待てを保つお座りの姿勢は必ずマスターしておきたいところ。
また、お尻をつける姿勢には、気分を落ち着かせ、行動を制御する効果もあります。
興奮してウロウロしがちな子の行動をコントロールする際にも役立つでしょう。
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③「伏せ」のコマンド
長時間の「待て」で必要となる「伏せ(フセ)」。
伏せもまた、覚えやすく、遊びながらできるしつけのひとつです。
お座りと同時に覚えてしまいましょう。
伏せを覚えるメリットは、愛犬の安全性を高めることができる点です。
お腹を付けて深い姿勢をとる必要があり、お座りよりも立ち上がったり、行動したりする際に時間がかかり(初動が遅れ)ます。
子犬は急に飛び出すなど突拍子もない行動を取るケースがあるため、トラブルの予防・回避に伏せの習得は欠かせません。
また、伏せの姿勢は視線が下がり、愛犬にとっても安定性が高いです。
気持ちを落ち着かせたいのであれば、お座りよりも伏せの方が効果的といえるでしょう。
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④「待て」のコマンド
お座りと伏せがマスターできたら、次は「待て(マテ)」に挑戦してみましょう。 「ステイ」といったコマンドもよく使われます。
お座り・伏せ・待ての3点セットを習得すれば、動物病院での診察がスムーズに。 また、愛犬の行動をより制御できるため、安全性を高めることにもつながります。
たとえば、飼い主さんが家に帰ったとき、うれしさのあまり飛びかかる子は、待てを覚えることで、その場で落ち着いて飼い主さんを出迎えることができます。
もちろん、うれしそうに飛びかかる愛犬の姿はかわいいものです。
ただ、飛びかかる習慣がついてしまうと、将来的に飼い主さんをケガさせてしまったり、愛犬自身もケガをしたりする可能性があります。
また、飛びかかった際に玄関のドアから脱走。
事故や迷子につながるケースも多いです。
実際、扉を開けた瞬間に脱走してしまい、そのまま行方不明になった話もあります。
そんな悲しいことが起こらないよう「待て」のしつけもしっかりと行いましょう。
【関連記事】
・犬の『待て』の教え方~ドッグトレーナーの動画解説付き~
⑤「ハウス」などのクレートトレーニング
クレートやキャリーバッグ、ケージ、サークルに入るよう促すコマンドが「ハウス」です。
「クレートトレーニング」とも呼ばれます。
クレートトレーニングをする理由は、クレートやケージがいつでも安心できる場所(避難場所や安全地帯)であり、どのような状況でもそこに入れば、居心地良く過ごせることを覚えてもらうためです。
何があっても守られている、いつでも居心地の良い場所。
そのような場所を作っておけば、たとえば、旅行先の旅館やホテル、移動中の車内、飛行機の中、災害時の避難先といった知らない場所でも、落ち着いて過ごすことができます。
また、愛犬がストレスを感じる存在に対しての避難場所としても有効です。
例として、花火や雷、チャイムといった大きな音や知らない人が部屋にいる状況下で、犬はつい警戒心や恐怖心から吠えることがあります。
その際に「ハウス」といって、安全地帯ともいえるサークル内へ誘導すれば、愛犬はストレスをやり過ごすことができるのです。
クレートトレーニングは、お座り・伏せ・待てができていない状態でも訓練は可能です。
ただ、クレート等の扉を開けた瞬間に飛び出す子は、飼い主さんの指示があった後に出るよう訓練しなければなりません。
その際に「待て」が必要となります。
愛犬によっては、待てができた後に教える方が効率的といえるでしょう。
愛犬がこの先も居心地良く、毎日を過ごせるよう、ぜひ子犬のうちからクレートトレーニングを意識してみてください。
【関連記事】
・犬との同行避難、同伴避難に必要なクレートトレーニング
⑥「おいで」などの呼び戻しコマンド
愛犬をいつでもそばに呼べるようにするのが「呼び戻し」のコマンドです。
「おいで(オイデ)」といったコマンドが一般的でしょう。
呼び戻しのコマンドは、以下のシーンで重要となります。
・ドッグランから帰るとき
・脱走したとき
・災害から守るとき
このとおり、確実にできると非常に助かるコマンドです。
優先順位は低いものの、安全のため子犬のうちに必ず覚えたいしつけといえます。
【関連記事】
・犬の大切な合図『おいで』をできるようにするしつけの方法!
【~生後3か月頃まで】人間社会に慣れる訓練「社会化」も一緒に!
「犬の社会化」とは、ひと言でいうと人間の生活に順応してもらう訓練です。 子犬の時期にしっかり社会化をすることで、成犬になってからの吠えるや噛むといった問題行動を防ぐことにつながります。 ところで、人間にとって当たり前のものでも、犬達にとっては理解できないものが人間社会にはあふれています。 たとえば、大きな唸り声をあげて、定期的にテリトリーをうろつく細長い存在。 実はこれ「掃除機」のことです。 しかし、それほど私たち人間と犬との間では、感じている世界が違うといえます。 その結果、犬は理解できない存在を敵と認識して、吠える、噛むといった行動を取ります。 いわゆる「問題行動」の発生です。 つまり、問題行動とは自己防衛であることが多いのです。 社会化では、人間社会のさまざまな物事に対して慣れてもらい、自己防衛をする必要なく(問題行動を起こす必要なく)過ごしてもらえるよう訓練することといえるでしょう。 そして、この社会化に最適な時期が、子犬の「社会化期」です。 おおよそ「生後約3~4ヵ月まで」の一定期間を指します。 この時期は、警戒心や恐怖心よりも好奇心や興味の方が勝つため、物事に順応しやすく社会化の訓練に向いているといわれています。 子犬のうちに社会化したい物事の例を見てみましょう。 “その「順応しなくてはならないこと」の具体例は以下のようになります。 ・さまざまな人(男・女・大人・老人・子供・郵便屋さん・獣医さんなど) ・犬(大きさ・様々な犬種) ・音(洗濯機・ドライヤー・掃除機・サイレン・雷など) ・モノ(自転車・車・掃除機など) ・環境(公園・病院・サロン・電車など) ・触られる事(お手入れ・病院での治療・首輪やハーネスの装着等)
“その「順応しなくてはならないこと」の具体例は以下のようになります。
・さまざまな人(男・女・大人・老人・子供・郵便屋さん・獣医さんなど) ・犬(大きさ・様々な犬種) ・音(洗濯機・ドライヤー・掃除機・サイレン・雷など) ・モノ(自転車・車・掃除機など) ・環境(公園・病院・サロン・電車など) ・触られる事(お手入れ・病院での治療・首輪やハーネスの装着等)
これらを経験すれば良いのではなく、その経験が犬にとってポジティブで良い記憶やイメージとなる事が大切です。”
引用:ぷにぷにpaw「犬の社会性・社会化とは」社会化の仕方や子犬の社会化におすすめの「パピークラス(犬の幼稚園)」については、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】
・犬の社会性・社会化とは
【~散歩デビュー前まで】その他に覚えたい子犬のしつけ4選(応用編)
基本のしつけがマスターしたら、次は応用編です。 散歩デビュー(生後約3~4か月頃)までに、愛犬に覚えてもらいたいしつけを見ていきましょう。 ・「お手」と「おかわり」のコマンド ・「拾い食い」予防のトレーニング ・「飛びつき」予防のトレーニング ・「吠え癖(無駄吠え)」予防のトレーニング
「お手」と「おかわり」のコマンド
お手(オテ)とおかわり(オカワリ)ができると助かるシーンは多いです。
まず、動物病院での診察やトリミングサロンでの施術を落ち着いて受けることができます。
完ぺきに習得できれば、伸びやすい足裏の毛のカットや爪切りを自宅ですることも可能。
そのほか、タオルの上に「お手」ができれば、散歩後の足拭きもしやすくなります。
【関連記事】
・愛犬にお手を教えたい! 教え方をドッグトレーナーが動画で解説
「拾い食い」予防のトレーニング
お散歩中のトラブルのひとつとして挙げられるのが「拾い食い」です。
実際、散歩中に拾い食いをして体調を崩し、動物病院へ行くケースもあります。
それを予防するためにも、散歩デビュー前に拾い食い予防のトレーニングはしっかり行っておきましょう。
【関連記事】
・犬の拾い食いのしつけ方 ~ドッグトレーナーの解説動画付~
「飛びつき」予防のトレーニング
もうひとつ、お散歩中によくあるトラブルが「飛びつき」です。
外での飛びつきは、相手が子どもやお年寄りだと転倒・ケガにもつながるため、絶対にトレーニングしておきたいしつけといえます。
実際、ある裁判の事例では、散歩中の犬が通行人に飛びつき相手は転倒・骨折。
飼い主に対して損害賠償が命じられています。
【関連記事】
・犬の飛びつき行動を防止する方法としつけについて【ドッグトレーナーの解説動画付き 】
「吠え癖(無駄吠え)」予防のトレーニング
子犬の吠え癖がひどいと、ご近所トラブルに発展することがあります。
また、実は、愛犬自身も吠えることで過度な興奮となり、ストレスとなっているのです。
そんな子犬が無駄吠えする理由は、大きく2つあります。
・要求吠え:何か要求があって吠える(例:おやつが欲しい、散歩したい)
・警戒吠え:知らない人や存在に対して警戒心で吠える(例:チャイムの音、新聞配達員)
なぜ、愛犬は吠えるのか?
その理由を見極めてそれぞれ対処しましょう。
【関連記事】
・犬の要求吠えを直すトレーニング
よくある「間違った」子犬のしつけ方
多くの飼い主さんが、ついやってしまいがちな子犬の「間違った」しつけ方をご紹介。 リアルにあった失敗例にも触れているので、ぜひ反面教師にしてください。
【NG】失敗したときに「叱る」
→【OK】「褒めて伸ばす」の成功体験をくり返すことが子犬のしつけ方の基本!
しつけのシーンで失敗したときに「叱る」のはNGです。
叱ると子犬が萎縮してしまううえに、叱るタイミングによっては別のことで怒られていると勘違いする可能性があります。
たとえば、トイレトレーニング中に失敗して叱った場合。
トイレシートにできなかったことで怒られているのでなく、排泄すること自体に怒っていると勘違いするケースがあります。
子犬のしつけの基本は「褒める」です。
つまり、成功体験を繰り返すことで犬は学習します。
愛犬も「このシートの上でオシッコしたら、飼い主さんが褒めてくれた!すごいハッピーなこと(おやつが食べられる)も起こった!次もやろう!」と認識してくれるのです。
なお、よくある飼い主さんのお悩みが「失敗がかりで褒める状況にならない」というもの。
子犬のしつけとは、飼い主さんがいかに褒めるしかない状況を作るかといえます。
言い換えれば、成功するように裏でこっそりと誘導しなければなりません。
そして、できたら大げさに褒める……まさに「自作自演の繰り返し」なのです。
愛犬が思わず、わくわくキラキラとなる「しつけ方」を心がけましょう!
ただし「褒める」にも実はコツが必要です。
・「褒められている」ことを理解するため、褒める際の言葉は統一させる。
・先にご褒美をあげない(「褒める→ご褒美」で統一)。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】
・犬の褒め方 ~褒め言葉を嬉しいにしよう~
【NG】コマンドの言い方が家族バラバラ
→【OK】コマンド(指示)の呼称は家族全員すべて統一!
家族全員で、しつけに参加している際によくあるのが「コマンドがバラバラ」というもの。
たとえば、お母さんは「待て」なのにお父さんは「ステイ」を使っているなどです。
これでは、子犬も混乱してしまいます。
しつけの前に家族で呼称はもちろん、褒めるときの言葉などサインとなるものはすべて統一しておきましょう。
【NG】長時間トレーニングをくり返す
→【OK】子犬のしつけは「短時間」で毎日、根気強く継続するのが正解!
子犬の集中力はそう長くもちません。
その子の性格もあるので、それぞれにあった時間とペースで行いましょう。
たとえ失敗しても、しつこくトレーニングを続けないようにしてください。
無理に続けては、段々と嫌になり最悪、飼い主さんとの信頼関係にもヒビが入ります。
失敗するのは当たり前と思って、気楽な気持ちで子犬のしつけに取り組みましょう。
まとめ
子犬のしつけを始めるベストタイミングは「信頼関係ができた後」です。 そのため、子犬を迎えた当日に焦って、しつけを始める必要はありません。 そして、子犬にしたい「しつけ」の一覧は以下のとおりです。 ・トイレトレーニング ・「お座り」のコマンド ・「伏せ」のコマンド ・「待て」のコマンド ・「ハウス」などのクレートトレーニング ・「おいで」などの呼び戻しコマンド ・社会化トレーニング ・「お手」と「おかわり」のコマンド ・「拾い食い」予防のトレーニング ・「飛びつき」予防のトレーニング ・「吠え癖(無駄吠え)」予防のトレーニング ただし、上記すべてを子犬の時期にしようと無理をしてはいけません。 たとえ成犬になっても、犬とは頭の良い生き物です。 しっかり丁寧に、根気強くしつけを続ければ、問題なく理解してくれます。 何よりも大切なのは、愛犬のペースに合わせること。 そして、飼い主さんが失敗できない状況を作るため工夫することです。 あまり思いつめずに、気楽な気持ちで、子犬のしつけは行っていきましょう。