「伏せ」はよく「お手」や「おすわり」などと一緒にしつけの一環として教えられることが多いかと思います。実はこの「伏せ」、できるようにしておくと役立つ場面がたくさんあります。 この記事では、意外と知られていない「伏せ」について、その時のワンちゃんの心の中、得意にすることのメリット、そして、具体的な教え方についてドッグトレーナーが解説します。最期には伏せのトレーニング方法を動画で解説していますので、どうぞお見逃しなく!
1. 犬の伏せの姿勢が現す心の状態
胸を地面に着ける「伏せ」は、犬が自ら取っている場合は「落ち着いている」または「リラックスしている」時に取る姿勢です。興奮していたり、緊張や不安を感じる状況では、なかなか自ら伏せをすることはありません。 なぜなら、伏せの姿勢は立っているときや座っているときに比べて、瞬時に動いたり、逃げだしたりすることが困難な姿勢だからです。好きな場所や自宅では、伏せられるけれど、普段行かないようなお出かけ先などではなかなか伏せるまでに時間がかかる子もいます。そういった姿を観察することで愛犬が、快適にその場で過ごす事が出来ているかどうか、気づいてあげることが出来るヒントにもなります。
2. 犬が「伏せ」をできるようにしておくメリットとは
「伏せ」をする犬の心情がご理解いただけましたら、次は実際に「伏せ」をできるようにすることでどのようなメリットがあるのかを解説します。 人の合図で伏せをできるようにしておくと、例えば、お出かけ先のカフェなどで足元で落ち着いて伏せて過ごす、小さなお子さんとコミュニケーションを取る際に飛びつかないように伏せるなど、様々な場面においてとても便利です。 特に、大型犬は飛びついてしまう事で相手にケガを負わせてしまう恐れもありますので、こういった状況を回避する上でも「伏せ」を得意にしておくことは大切なのです。
3. 犬が「伏せ」をできるようになるシンプルな教え方
伏せの教え方は、ワンちゃんの大好きなごはんやおやつを使って、鼻先におやつを出して地面に誘導します。この時、誘導だけではなかなか胸が着かない子は、人の足を使って、その下をくぐることで必然と胸が地面に着くことが出来るよう工夫をしてあげると良いでしょう。ワンちゃんが低い姿勢で胸が地面に着いたタイミングで褒めておやつをあげます。これを繰り返し練習すると、徐々に足をくぐるようにする動作を無くしても伏せの姿勢を取る事が出来るようになります。 また、自ら伏せの姿勢を取ってくれた時に褒めておやつをあげる、飼い主が喜ぶことで伏せると良い事があるという学習にも繋がります。「伏せ」という言葉の合図を付けるのは、伏せる事が大好きになってからがポイントです。伏せる事が苦手な時に何度も「伏せ」と言葉の合図を繰り返してしまうと、1度の合図でやってくれなくなる場合もあります。 出来る限り1度の合図でやってくれるように伝えるには、 「伏せ」(言葉の合図)⇒伏せる(ワンちゃんが行動する)⇒褒めておやつをGETする という流れが大切です。教える側も意識して伝えるようにしましょう。
4. ドックトレーナーが犬の伏せの教え方を動画で解説
ドッグトレーナーの長根さんによる、「伏せ」のトレーニング動画です。 実際にわんちゃんに教えながら解説していますので、日々のトレーニングの参考にぜひご覧ください!