室内で飼っている犬が、家のチャイムが鳴ると吠えてしまうというのをよく耳にします。犬自身も家に来たばかりのころはチャイムの音が何なのか理解しておらず吠えることはなかったと思います。だんだんとその家で暮らしていくうちにチャイムが鳴ると「誰かが来た」ということを理解していきます。しかし、人が来たとわかっていてなぜ吠えるのかは、犬によってそれぞれ理由が異なるので対策が難しいところです。 今回は、なぜ犬が吠えるのか、対策方法があるのか見ていきましょう。
1. チャイムに犬が吠える理由は?
チャイムが鳴ったとき犬が吠える理由として「来客に犬が怯えている」「侵入者を犬が追い払おうとしている」「興奮してテンションが高くなっている」の3つがあげられます。
1)来客に犬が怯えている
チャイムが鳴り、家の中に知らない人が入ってきます。 その来客に対して犬が「誰か知らない人が来た!怖い!」と感じ、恐怖心から吠えてしまうことがあります。 チャイムが鳴ると知らない人が入ってくる、ということを学習し、その結果チャイムが鳴っただけで吠えてしまうようになります。
2)侵入者を犬が追い払おうとしている
犬は縄張り意識が強い生き物です。
柴犬などの番犬として飼われていた犬は、本能的に侵入者に対して警戒心を持ちます。
チャイムが鳴って知らない人が入ってきたときに、「誰か不審な奴が来たから追い払ってやろう」と吠えていたのが、チャイムが鳴ると知らない人が入ってくると学習し、チャイムが鳴っただけで吠えるようになってしまいます。
3)興奮してテンションが高くなっている
犬が来客を喜んで吠えてしまう場合もあります。 この場合も、チャイム=来客と学習して、チャイムが鳴っただけで興奮して吠えてしまいます。 興奮しやすい犬の場合は、飼い主が躾によって行動をコントロールすることが大切です。
2. チャイムに犬が吠えるときの対策方法
犬がチャイムに吠える場合の対策方法はいくつかあります。 ですが、問題行動の中でも矯正することが難しいのがこのチャイムへの無駄吠えです。
1)犬の気をそらせるアイテムを用意する
チャイムが鳴ったときに、おやつやフードなど、犬の気をそらせるもので対処するのもよいでしょう。「チャイムが鳴るとフードやおやつをもらえる」と犬が覚えると「チャイムが鳴るのはよいこと」と関連付けられるため、恐怖心や警戒心をなくす手助けになります。家族や知り合いに手伝ってもらうなどしてチャイムを鳴らしてもらい、犬が吠えようとしたらすぐにおやつやフードをあげて気をそらしましょう。繰り返すことでだんだん吠えなくなっていくはずです。
2)犬が落ち着くことができる空間を作る
チャイムが鳴ったとき、ケージやクレートに誘導できるよう「ハウス」を覚えさせておきましょう。先ほどのトレーニングの次のステップとしては、チャイムが鳴った後に落ち着いてハウスに入ったらご褒美を与えるという事を繰り返しトレーニングしていきます。先ほどのトレーニングを根気強く行うだけでも、チャイムに対する無駄吠えを軽減することはできますが、犬自身のテリトリーをハウスやクレートの中だけというように明確にすることで家全体に縄張り意識を持つことを緩和させることができます。そうすれば、自分のテリトリーに入ってきた侵入者に対して恐怖心や警戒心から吠えるということを軽減できます。
ドッグトレーナーによるトレーニングの原理解説
ドッグトレーニングの多くには「パブロフの犬」の原理が応用されています。 この動画では、トレーニングの基本となる「パブロフの犬」の原理をドッグトレーナーの小松さんに解説していただきます。
愛犬がチャイムに吠えてしまうときはトレーニングをしよう
犬がチャイムに吠える理由と、対策方法をご説明しました。犬によってチャイムに吠える理由は様々です。躾をすることで改善できる場合もありますが、飼い主だけでは改善が難しい場合もあります。そんな時はトレーナーなどしつけのプロに相談してみましょう。