今回は、「マテ」に挑戦します。 マテは動きを止めて、「マテ」と言われたときの姿勢を維持する合図です。 日常の様々な場面で役立てられますので、絶対に覚えさせたい合図の一つと言えます。 例えば、散歩前にリードを付けるときや、犬のゴハンを準備するとき。興奮しやすい状況で「マテ」ができると暴れたり吠えたりすることを抑えられます。また、散歩中の気になる物への引っぱり、他の犬や自転車などへの衝動的な動きを止めやすくもなります。 他にも、足ふきや、ブラシなどのお手入れでも落ち着かせる合図としてできると便利です。 逆に言うと、マテが出来ないと、犬の困った行動を止められなくなることが多いので、必ず身につけさせたい合図です。
犬の『待て』を動画で解説
犬の『待て』をドッグトレーナーの動画を参考に解説していきます。
Step1:オスワリの時間を維持しましょう
まずは、「動いちゃいけない」ということを教えるイメージではなく、「オスワリを続けてもらう」というイメージでトレーニングしていきます。
はじめはオスワリができたら直後にいい子といってご褒美を与えましょう。続いてオスワリさせて0,5秒経ってからいい子、次は1秒経ってからいい子、というように、ほめるタイミングを遅らせていきます。
まずは、3秒ほどオスワリをし続けられるようになるまで練習しましょう。
Step2:「マテ」と「よし」の言葉の合図を教える
Step1が上手にできたら、マテという言葉をかけていきます。オスワリした直後に、「マテ」という言葉をかけましょう。※英語で「ステイ」や「ウェイト」でも構いません。そして、少しでも待てたら「よし」や「OK」の動いて良いよの合図を出して褒めてあげてください。
オスワリマテ→0.5秒維持→よし→「いい子」+ご褒美
オスワリマテ→1秒維持→よし→「いいこ」+ご褒美
オスワリマテ→2維持→よし→「いいこ」+ご褒美
オスワリマテ→3秒維持→よし→「いいこ」+ご褒美
というように、待たす時間を徐々に伸ばしていきましょう。
10秒待てることを目標に頑張りましょう。
途中、犬が動いてしまった時は、「あ!」や「ダメ!」などの言葉をかけて、制止するように手を前に出します。犬は前からの威圧感で動きを止めやすいので、「動いてはいけないこと」を伝えやすいです。そして、すぐにやり直しをして、次は成功させましょう。
☆よくある質問:マテという言葉をかけると伏せてしまう
「オスワリ」の次は「フセ」というような、いつものルーティーンがあると、間違ってしまう犬が多いです。そのような場合は、Step1をまずは重点的に行ないましょう。そして「マテ」という言葉をかける際は、小さい声から練習していくと、やりやすいです。
☆よくある質問:失敗が続いてしまって上手くいかない
失敗が続けば続くほど、犬は「褒めてもらえない=良いことが起こらない」ので、何をすればよいのかわからなくなります。失敗の後は、待つ時間を短くして、必ず成功させましょう。失敗が続けばやる気もなくなっていきますので、要注意です。例えば5秒で失敗した場合は、次は2,3秒の簡単なレベルにしてあげて下さい。
※練習時間が長いと上手くいきません。1回あたり5分くらいが目安です。
☆よくある質問:あ!ダメ!といっても飛びついてくる
ダメと言われても犬は意味が分かっているわけではありません。中には人に声をかけてもらえてうれしいと思う犬もいます。そうすると、動いてもかまってもらえると覚えてしまい、きちんとマテを理解しません。
そのような場合は、ご褒美を見せながら「マテ」と言い、動いたら「あ!」「ダメ!」などと言ってからご褒美を取り上げるという練習をしましょう。
そうすると、「よしやいい子」はご褒美がもらえる嬉しい合図、「ダメ!」はご褒美がなくなっちゃう嫌な合図として理解してくれます。
Step3:状況が変わっても待つことを教える
Step2までで、動かない「時間」をのばすトレーニングをしてきました。ここからは、さらに、周りの状況が変化しても待っていられるということを加えていきます。マテは目標を決めて、少しずつ教えることが大切なポイントなので、一つ一つ丁寧に練習しましょう!
①人が後ろに離れる
オスワリマテと言って犬から離れる練習をします。
はじめは、足をあげるだけ、次は、半歩離れる、一歩、2歩、とどんどんと離れる距離を伸ばしていきましょう。※まずは5歩くらいを目標に
必ず、犬の前まで戻ってから「よし」といってからたくさん褒めてあげましょう。
②リードを付けはずしをする
犬をオスワリさせ、「マテ」と言います。まずは、人がしゃがみ、犬が待っていられたら褒めてあげましょう。
・人がしゃがむ
・犬の首輪を持つ
・首輪とリードを持つ
・リードのナスカンをカチカチ鳴らす
・リードを外す/つける
犬は、周りの状況をよく見て覚えています。そのため、ゴハンの前だけマテをさせていると、その状況でしかできない犬になります。
日常生活の様々な場面で「マテ」ができるように、色々な状況をイメージして練習してみましょう。
(例)
・人が犬の周りをまわる
・人が隣の部屋にいく
・ボールやおやつを転がす
・信号待ち
・ウンチを拾う時
このように、色々な状況でマテの練習をして、ちゃんとできる犬にしましょう。
犬の『待て』のポイントまとめ
「待て」の説明はいかがでしたか? ポイントは3つです。 1.動かないことをほめてあげること失敗をつづけさせないこと 2.失敗をつづけさせないこと 3.目標を決めてちょっとずつ練習すること 色々な待てをたくさん教えてみてください。