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  • シニア犬
  • 2025/07/23

老犬がご飯を食べない原因とは?考えられる理由と対処法・受診の目安を解説

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最近、シニア期に入った愛犬がご飯を残すようになった。 あるいは、何日かまったく食べない日があって心配。 そんな経験をお持ちの飼い主さんも多いのではないでしょうか。 これまで元気いっぱいに食べていた子が急に食欲をなくすと、「もしかして病気?」「それとも老化?」と、不安な気持ちでいっぱいになってしまうものです。 本記事では、老犬がご飯を食べなくなる理由とその見極め方、家庭でできる工夫や動物病院を受診すべきタイミング、さらにはシニア犬に合った食事の選び方まで、幅広く解説していきます。

老犬がご飯を食べないのはなぜ?主な原因

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年齢とともに食が細くなるのは、ある意味では自然なことです。 ただし、その背景にはさまざまな要因が複雑に絡んでいることもあります。 ここでは、シニア犬に多い食欲低下の原因をひとつずつ見ていきましょう。

関連記事:【獣医師監修】犬がごはんを食べない理由|病的な食欲不振・ストレス・わがままなど見分け方を解説



嗅覚や味覚の低下

人間と同じように、犬も年齢を重ねると嗅覚や味覚が鈍くなっていきます。

これまで大好きだったフードの香りが感じにくくなることで、ごはんへの興味が薄れてしまうことがあります。


とくにドライフードはにおいが立ちにくいため、老犬には少し物足りなく感じることも。

「香りがしない=おいしくない」と判断している可能性もあるのです。


歯や口の痛み

歯周病、ぐらつきのある歯、口内炎など、口の中のトラブルは老犬に非常に多く見られます。

見た目には元気そうでも、「食べたいのに痛くて食べられない」という状態になっていることも。


とくにドライフードや硬めのおやつを嫌がるようになったら、歯や歯茎に痛みを抱えているサインかもしれません。

知らずに無理をさせてしまわないよう、普段の食べ方にも注意を払いましょう。


胃腸の機能低下や消化不良

シニア期に入ると、消化器官の働きも少しずつ衰えてきます。

若いころは平気だったフードでも、「なんだか重たい」と感じて、食欲が落ちてしまうことがあります。


とくに、脂肪分の多い食事や大きな粒のドライフードなどは、胃腸への負担になることも。

ご飯の後にぐったりしていたり、食後にげっぷや吐き戻しがあれば、消化不良のサインかもしれません。


病気や体調不良のサイン

老犬の「食べない」は、重大な病気の初期症状であることも。

たとえば、以下のような病気が関係していることがあります。


●腎臓病

●肝臓病

●消化器系のがん(リンパ腫)


「食欲だけが落ちている」「水は飲むけど食べない」などのケースは、内臓疾患の初期段階のサインであることもあります。

急に変化が起きたときは、様子見せず早めの受診が安心です。


精神的ストレスや環境の変化

犬は環境の変化にとても敏感な動物です。

引っ越しや家族構成の変化、同居動物の不在・追加などの出来事があったとき、ストレスで食欲をなくしてしまうことがあります。


また、飼い主さんの気持ちの変化にも敏感に反応します。

「なんだか最近落ち着かないな」と感じている場合は、犬も同じように心が不安定になっているのかもしれません。

まず試したい!家庭でできる6つの対処法

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「愛犬が最近あまり食べないな……」と感じたときに、まず試してほしい工夫があります。 1. 温めて香りを立てる 2. 柔らかく消化しやすい食事にする 3. 手で与える・声をかける 4. 食事の環境を見直す 5. ご飯の時間を見直してみる 6. トッピングで食欲アップ それでは、家庭でできる6つの対処法を詳しくご紹介します。

1. 温めて香りを立てる

老犬の嗅覚は年齢とともに衰えていきます。

そのため、フードの香りがうまく届かず、食欲を刺激できていない可能性があります。


そんなときは、フードをぬるま湯でふやかす、または電子レンジでほんのり温めるだけでも香りが立ちやすくなり、興味を持ってくれることがあります。


ただし、熱すぎるとやけどのリスクがあるため、人肌より少し温かい程度を目安にしましょう。


2. 柔らかく消化しやすい食事にする

歯のトラブルや消化機能の低下がみられる老犬にとって、硬くて噛みにくいフードや、重たい食事は大きな負担になります。


【消化しやすい食事の例】

●ドライフードをお湯でふやかす

●ウェットフードやペーストタイプのご飯に切り替える

●シニア用の消化にやさしいフードを選ぶ

●ミキサーでフードをペースト状にして与える


通常は老化が進むにつれて柔らかい食事を好む子が多いですが、なかには、ウェットフードに飽きて食べなくなる子もいます。

そんなときは、逆にドライフードのカリカリ感が刺激になって食欲が戻ることも。


個体差が大きいので、様子を見ながら愛犬に合うスタイルを見つけていきましょう。


関連記事:ドッグフードをふやかして与えるとどんなメリットがある?デメリットは?



3. 手で与える・声をかける

ご飯を出しても見向きもしなかったのに、手で差し出してみたら食べてくれたという経験がある飼い主さんも多いのではないでしょうか。


老犬にとって、飼い主さんの声やぬくもりは何よりの安心材料。

とくに体調が不安定なときや、精神的に落ち込んでいるときは、手から食べるという行為が大きなきっかけになることがあります。


優しく声をかけながら、ゆっくりと寄り添うようにしてみましょう。


4. 食事の環境を見直す

食べない理由が「食事の場所」や「器の形状」にあることもあります。


●床が滑る場所でうまく立てない

●器が低すぎて首や腰に負担がかかっている

●周囲が騒がしく、落ち着いて食べられない


このような場合は、滑りにくいマットの使用や、器の高さ調整、静かな場所への移動などの工夫をしてみましょう。

食事中の姿勢が楽になるだけでも、食欲が戻ることがあります。


5. ご飯の時間を見直してみる

シニア犬は、若い頃に比べて一度にたくさん食べるのが難しくなることがあります。


そのため、1日2回の食事が合わなくなってきたら、1日3〜4回の小分けスタイルに変更するのも効果的です。

消化の負担も減り、空腹感に合わせて食べやすくなります。


とくに「朝は食べないけど、夕方なら少し食べる」というパターンがある子は、時間帯を見直してみるのもよいでしょう。


6. トッピングで食欲アップ

実は、ほんの少しの工夫で驚くほど食べてくれるようになる子もいます


●香りの強い犬用おやつを細かくしてトッピング

●野菜ペーストやかぼちゃ、さつまいもを少量加える

●ボーンブロス(骨スープ)を少しかけて香りをプラス

●心臓(ハート)や肝臓(レバー)など、嗜好性の高い内臓系フードを加える


ただし、人間用の調味料が入っているものや脂肪分が多すぎるものは避けましょう。

あくまで犬用で無添加・低塩分のものを選ぶのが安心です。

こんなときは動物病院へ!受診の目安

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ご飯を食べない様子が続くと、「もう少し様子を見るべき?それとも病院へ?」と悩んでしまうものですよね。 ここでは、今すぐ受診したほうがいいケースなどを、わかりやすくご紹介します。 大切な家族である愛犬の健康を守るために、ぜひ判断の目安として参考にしてください。

丸1日以上、まったく食べない

ご飯だけでなく、おやつや水にもまったく口をつけない場合は、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。

老犬は脱水を起こしやすく、たとえたった1日でも、体調が大きく崩れてしまう可能性があります。


また、「水は飲むけれど、ご飯だけをまったく食べない」という状態が続く場合も注意が必要です。

消化器系のがん(消化器型リンパ腫など)や内臓疾患が隠れていることもあり、進行が早いケースでは数日のうちに症状が悪化することもあります。


とくに老犬は体力の低下も早いため、「様子を見よう」と思わず、早めに受診することが大切です。


食欲低下が数日続いている

「なんとなく食べない日が続いている」「ご飯の量が減ってきたけど元気そう」というケースでも、じわじわ進行する病気が隠れている可能性があります。


腎臓病や肝臓病、消化器の腫瘍などは、初期には目立った症状が出にくく、食欲低下が唯一のサインということも少なくありません。

いつもと違う食べ方をしている、食べた後にムカムカしていそう、そんな小さな変化も見逃さず、気になったら一度診てもらうと安心です。


嘔吐・下痢・震えなど他の症状もある

食欲がないことに加えて、以下の症状が出ている場合には、早急に受診しましょう。


●嘔吐

●下痢

●震え

●呼吸の変化(荒い・浅い)

●お腹の張り

●歩き方の違和感


とくに複数の体調不良が同時に現れている場合は、体の中で深刻な変化が起きているサインかもしれません。


早めの受診が、体への負担を減らし、より良い対応につながることも多いのです。

シニア犬におすすめのご飯の工夫と選び方

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食欲が落ちてきた老犬にとって、今までと同じごはんが合わなくなってくることは珍しくありません。 年齢や体調に合わせて、食べやすく、体にやさしいフードに見直していくことも大切です。 ここでは、シニア犬のためのご飯選びや、食事のサポートアイテムについてご紹介します。

消化しやすいシニア用フード

シニア犬用のドッグフードは、たんぱく質をしっかり保ちつつ、脂質やリンなどの負担を抑えた設計になっています。

内臓にやさしく、食べたあとの胃腸の負担も軽くなるため、消化不良を起こしにくいのが特徴です。


▼ぷにぷにpaw編集部おすすめのアイテム 商品画像
>ミシュワン MISHONE ドッグフード シニア犬用

年齢に合わせたやさしい配合で、シニア犬の健康維持をサポートします。

代謝や内臓への負担に配慮し、カロリー・脂質を調整。


食べやすい器・食事姿勢の工夫

フードそのものだけでなく、「器の高さや角度」も食べやすさに関係します。

足腰が弱ってきたシニア犬は、低すぎる器だと首や腰に負担がかかってしまい、食欲が落ちる原因になることも。


▼ぷにぷにpaw編集部おすすめのアイテム 商品画像
>【公式ショップ】INK セラミックフードボウル マットブラック

高さがあり、すべり止め加工もされているため、立ったままでも自然な姿勢で食事がしやすくなります。


また、わんちゃんの足が滑っているようであれば、足元に滑り止めのマットを敷いてあげると食べることに集中できます。


商品画像
>ペットマット Paw

シリコン製の滑りにくい素材で、わんちゃんが足を踏ん張りやすく、食器も滑らなくなります。 また、ごはんを器からこぼしてしまってもサッと洗いやすいサイズです。


歯の健康を定期的にチェック

口腔トラブルは老犬の食べない理由として非常に多いです。

歯周病や歯のぐらつきが進行する前に、定期的な歯のチェックやオーラルケアを取り入れることが、食欲維持にもつながります。


▼ぷにぷにpaw編集部おすすめのアイテム 商品画像
>ミシュワン MISHONE トータルケアワン

お口、目元、肉球などこれ1本で愛犬の様々な部分に使用できます。


関連記事:放置NG!犬の「ひどい歯石」の取り方と自宅での歯石除去・無麻酔の実情とリスクを解説



定期的な健康診断を受ける

シニア期に入ったら、年に1〜2回の血液検査や健康チェックを習慣にするのがおすすめです。

病気の早期発見にもつながり、「最近食べないな……」という変化にも安心して対応できます。


手作り食に切り替えるときの注意点

わんちゃんの好物を使った手作りごはんは食いつきが良くなることもあり、検討される飼い主さんも少なくありません。


もちろん手作りごはんは愛情いっぱいですが、栄養バランスが偏りやすいため、獣医師に相談しながら慎重に進めることが大切です。


▼ぷにぷにpaw編集部おすすめのアイテム
商品画像
>手作りごはんベース BASEDELI SOYMILK 500g

獣医師監修のもと、素材を厳選。手作りごはん派に人気の、お湯でふやかすだけで使えるベースフードです。

お肉やお魚を加えるだけで、手軽に栄養バランスが整います。


関連記事:犬に手作りごはん・おやつを作る際に気を付けること


まとめ

愛犬がご飯を食べないと、どうしても不安になってしまうものです。

でも、その理由はさまざまで、加齢による変化のひとつであることもあれば、体の不調やストレスが影響していることもあります。


まずは食事の工夫や環境の見直しなど、家庭でできることからやさしく試してみることが第一歩。

それでも改善が見られない場合や、ほかにも症状がある場合は、早めに動物病院に相談することが安心につながります。


「食べない」というサインには、愛犬なりの理由がきっとあります。

焦らず、無理をさせず、これからの暮らしをより心地よいものにしていけるように、向き合っていきましょう。


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ぷにぷにpaw編集部

動物看護師やトリマーの有資格者や愛犬家など犬が大好きな人が編集しております。 愛犬家の皆様に正しい情報をお伝えできるよう、わんちゃんについて日々勉強をしております。

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