ダックスフンドは、胴長短足のユニークな体型と人懐っこい性格で、世界中で愛されている犬種です。 最近人気が上昇しているのが「カニンヘンダックスフンド」。 「カニンヘンダックスフンド」と「ミニチュアダックスフンド」は見た目がよく似ているため、違いがわからない方も多いのでは。 本記事では、カニンヘンダックスフンドとミニチュアダックスフンドの違いを、サイズ・性格・飼いやすさなど多角的に解説します。 これからダックスフンドを迎えようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ダックスフンドとは?基本をおさらい
ダックスフンドは、ドイツ原産の犬種で、もともとはアナグマ猟に使われていました。 「ダックス」とはドイツ語でアナグマを意味します。 胴長短足の体型は、狭い穴に入り込むために発達したものです。 現在は家庭犬としての人気が高く、日本でも小型犬の中で常に上位にランクインしています。 ダックスフンドは大きく分けて3つのサイズがあります。
- スタンダードダックスフンド:一番大きく、中型犬に分類される。猟犬としての特性が強い
- ミニチュアダックスフンド:スタンダードを小型化したもの。アナグマやウサギなど小型の獲物を狩るために改良された
- カニンヘンダックスフンド:さらに小さく改良されたサイズ。ウサギやネズミなど、狭いところに逃げ込む小型の動物を狩るために改良された
カニンヘンダックスフンドとは?
「カニンヘン(Kaninchen)」はドイツ語で「ウサギ」を意味します。
その名の通り、ウサギ狩りに使われていた犬で、ダックスフンドの中では最も小さいサイズに分類されます。
日本では1995年にJKC(ジャパンケネルクラブ)に登録されました。
サイズ
・体重:3.5kg以下
・胸囲:30cm以下(生後15カ月を経過した時点で測定)
胸囲がサイズ判定の基準となり、30cm以下であれば「カニンヘン」とされます。
特徴
・小柄な体型
・甘えん坊で人との距離が近い
・体力はあるが、ミニチュアよりも落ち着きやすい傾向
小さい体ながらも運動は好きで、散歩や遊びは欠かせません。
ただし体が小さい分、骨や関節への負担がかかりやすいので注意が必要です。
ミニチュアダックスフンドとは?
ミニチュアダックスフンドは、スタンダードをさらに小型化した犬種です。
日本ではとてもメジャーな犬種で、街中でもよく見かけます。
明治時代(19世紀後半)から日本に入ってきたといわれています。
サイズ
・体重:5kg前後
・胸囲:30~35cm(生後15カ月を経過した時点で測定)
カニンヘンより一回り大きく、見た目もがっしりしています。
特徴
・活発で遊び好き
・社交的でフレンドリー
・子どものいる家庭でも飼いやすい
性格的にはカニンヘンよりも活発で、運動量も多めです。
猟犬としての気質を色濃く残しているため、好奇心旺盛で元気いっぱいの子が多いです。
カニンヘンとミニチュアの違いを比較表でチェック
カニンヘンダックスフンド | ミニチュアダックスフンド | |
胸囲(生後15カ月を経過した時点で測定) | 30cm以下 | 30〜35cm |
体重 | 3.5kg以下 | 5kg前後 |
体型 | コンパクトで華奢 | 一回り大きく筋肉質 |
性格 | 甘えん坊・落ち着きやすい | 活発・好奇心旺盛 |
飼いやすさ | 室内飼い向き、小スペース可 | 体力があるので散歩はしっかり必要 |
性格の違いはあるの?
基本的にはどちらもダックスフンドらしく「好奇心旺盛で賢い」犬です。
ただし、サイズや改良の経緯から傾向に差があります。
・カニンヘンは小さな体ゆえに「守ってもらいたい」性格が強く、飼い主に依存するタイプが多いです。
甘えん坊で、抱っこが大好き。お留守番が苦手な子もいます。
・ミニチュアは比較的独立心があり、他の犬や人とも積極的に関わるフレンドリーさがあります。
その分、やんちゃでいたずら好きな一面も。運動不足だとストレスをためやすいです。
飼いやすさの違い
カニンヘン
・小さいので室内飼いに最適
・運動量は少なくて済むが、毎日散歩は必要
・骨が細いため、落下や段差、踏んでしまう等の事故に注意
ミニチュア
・小型犬の中では体力がある
・1日30分以上の散歩や遊びが理想
・子どもや他のペットとも仲良くできる
いずれにしても、ダックス特有の体形のため椎間板ヘルニアなどの腰の病気になりやすいので、家族に迎える前に家中の段差に対策をしておくことをおすすめします。
ペット用スロープや階段を活用しましょう。
また、小型犬は顎の骨のサイズに対して歯が密集して生えているため、歯周病になりやすい傾向があります。
子犬のころから歯磨きの習慣をつけられるといいですね。
毛質の種類は共通
ダックスフンドには「スムース」「ロング」「ワイヤー」の3種類の毛質があります。 カニンヘンとミニチュアどちらにも存在し、性格にも影響を与えるといわれています。
価格の違い
カニンヘンダックスフンドは、日本ではまだ数が少ないため、ミニチュアよりもやや高額になる傾向があります。
カニンヘンダックスフンド:20〜40万円程度
ミニチュアダックスフンド:15〜30万円程度
血統や毛色によって大きく変動しますが、珍しいカニンヘンは需要が高く、特に希少カラー(例えば「ダップル」という斑点模様の毛色など)はさらに高額になる場合があります。
カニンヘンダックスフンドを飼う前に知っておきたいこと
もしカニンヘンダックスフンドを家族に迎えたいと検討中の方に知っておいてほしいことがあります。
それは「大きく育つカニンヘンダックスフンドもいる」ということです。
日本ではシステム上、母犬・父犬の血統書がカニンヘンであればその子供達は全てカニンヘンで登録する事が出来ます。
血統書がカニンヘンと言うだけで、まれに両親は小さくても先祖がえりで大きくなる子もいるということです。
豆柴もそういったことが起きます。
そのため、もしかしたら思っていたよりも大きく育つ可能性もあるということを理解した上で家族に迎えましょう。
まとめ
・甘えん坊で小柄な犬を求めるならカニンヘンダックスフンド
・活発で遊び好きな犬を求めるならミニチュアダックスフンド
どちらもダックスフンドならではの魅力を持っており、飼い主さんとの相性が一番大切です。
自分のライフスタイルも考慮し家族に迎えるのがおすすめです。
ダックスフンドはサイズにかかわらず、愛情深く賢い犬種です。大切に育てれば、かけがえのない家族になってくれるでしょう。