犬の中には尻尾や耳を切除された後に飼い主に迎えられる犬種がいます。尻尾を切ることを断尾、耳を切ることを断耳といいます。これらは人間の都合によって行われることがほとんどですが、彼等の姿を整形することにどのような理由があるのでしょう。 今回は、犬の断尾・断耳の理由について解説していきます。
1.犬の断尾をする理由
犬の断尾をする理由は「歴史的な問題」「不衛生による病気の予防」「ファッション目的」の3つがあげられます。
①歴史的な問題
一説によると、犬の断尾の歴史は狩猟犬や牧羊犬が誕生した頃に始まったと言われています。家畜を追い回す際、尻尾を踏んだり噛まれたりして怪我してしまうのを防止することが目的だったようです。
また、かつてのイギリスではしっぽのある犬に税金がかけられていたので、その名残が今も残っていて断尾されることがあります。
②不衛生による病気予防
尻尾の長い犬ほど、長毛の傾向があることはご存知でしょうか。糞便がついた尻尾が体の他の部分にも付着し、不衛生な状態を招く事が往々にしてあります。
長期間不衛生な状態を放置されると皮膚病になってしまう事も多いので、断尾されるようです。
③ファッション目的
歴史的に必要だった過去を持つ断尾ですが、狩猟犬や牧羊犬を飼育する習慣のない現代の日本においては不要の行いであることが多いです。
しかし、断尾後の姿が一般的という認識が広まったことを背景に今でもファッション目的で断尾される犬種は数多く存在します。ペットとして飼われる犬の断尾には、反対や疑問の声が多いようです。
2. 断尾する犬種って?
現代でも断尾の習慣がある代表的犬種は、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークやシュナウザー、プードル、ドーベルマン等の犬種です。
3. 犬の断耳をする理由
犬の断耳をする理由は「歴史的な問題」「ファッション目的」の2つがあげられます。
①歴史的な問題
断耳も断尾同様、狩猟犬や牧羊犬に耳の怪我をさせないことを目的に始まりました。 最近では、これを理由に行うことはほとんどないようです。
②ファッション目的
これについても断尾と同じく、耳を切られた後の姿が一般的という認識が広まったことからファッション目的で今でも断耳される犬種がいるといいます。
4. 断耳する犬種って?
現代でも断耳の習慣がある代表的な犬種は、シュナウザーやドーベルマン、グレート・デーン、ピンシャー等の犬種です。
5. 最近の犬の断尾・断耳は人間の都合によるもの
現代の日本で行われる犬の断尾・断耳は、ほとんどがファッション目的の人間の都合によるものです。 整形後の姿が一般的だと認識される世の中でその歴史を簡単に変えることは難しいと思います。 断尾・断耳されたワンちゃんたちを迎える際には、「人間の都合で断尾・断耳されたこと」を汲み取って沢山の愛情を注いであげてください。