尻尾が短く、歩くたびにプリプリと動くお尻が可愛いと評判のコーギー。実は、あの尻尾の短さは生まれつきのものでなく、人間によって生まれた時に「断尾」されていることをご存知でしょうか? 今回は、コーギーの尻尾を切る理由や断尾の時期・方法、他国で見直される断尾への考え方についてまとめていきたいと思います。
1.コーギーの尻尾を切る理由
コーギーの尻尾を切ってしまう理由は大きく分けて3つあります。
1)牧羊犬として働きやすくする
かつてコーギーが牧羊犬として飼育されていた時代、家畜を追い回す際に尻尾を踏まれたり噛まれたりして怪我をしないよう断尾されるようになったと言われています。また、キツネと間違えて銃で撃たれることを避けるための対策として行われていたという説もあるようです。
2)節税目的
コーギーの原産国として知られるイギリスでは、王族たちが娯楽の狩猟を犬に邪魔されないよう尻尾の付いている犬に課税していた時期があったそうです。それにより、節税目的としてコーギーの尻尾を切る習慣が誕生したと言われています。
ちなみに、尻尾を切られる習慣があるのはウェルシュ・コーギー・ペンブロークという種類。ウェルシュ・コーギー・カーディガンについては、丘陵地帯で閉鎖的な暮らしを送っていたことから課税を免れ、現代でも断尾の習慣がないというのが有力説だそうです。
3)美容目的
現代で断尾が行われる理由のほとんどがこれに当たるでしょう。コーギーは、これまで尻尾のない姿で人々の記憶に刻まれてきたため、尻尾があると商品価値が落ちてしまうようです。
2.コーギーの尻尾を切る時期・方法
ここから、断尾の時期と方法について説明していきます。
1)断尾の時期
コーギーの断尾は、痛覚がまだ発達していないとされる生後10日以内に行われます。そのため、切除する際には麻酔を使わないのが一般的なようです。
2)断尾の方法
断尾の方法は2種類。
直接メスやハサミで切る、ゴム等をきつく巻き付けて尻尾を壊死させるかのいずれかの手段で行われます。動物病院で専門の医師に頼む場合には、前者の場合が多いようです。
3. コーギーの尻尾を切ることへの見解
コーギーが牧羊犬として飼育されることが少なくなってきた現代において、これまでの断尾の習慣を見直す国が増えています。 主にヨーロッパ諸国を中心にその流れは広まっているようです。 生まれたてで痛覚が発達していないとはいえ、切られる側には必ず痛みが伴うのですから残酷だという考え方はもっともでしょう。
コーギーの尻尾を切るのには歴史が関係している
コーギーが断尾される理由には、これまでの歴史的背景が深く関与していることが分かって頂けたかと思います。ただ、現代で尻尾を切ることによって恩恵を受けているのは人間の方であり、彼等には何のメリットもありません。 コーギーを飼育する際には、そのことをよく理解して迎えてあげましょう。