愛犬が「ヴゥ~」と唸ると、飼い主さんも驚きますし、他の人や犬に愛犬が唸っていたらトラブルが起きるのではないかと心配になりますよね。 唸り声は犬の感情や意思を示す重要なサインです。 この記事では、犬が唸る理由やその対処法について詳しく解説し、愛犬とのコミュニケーションを深める方法を紹介します。
犬が唸る理由と対処法
犬が唸るときは以下のような理由があると考えられます。合わせて対処法も解説します。
不安や恐怖
犬は不安や恐怖を感じると唸ることがあります。
新しい環境や見知らぬ人、他の犬に対して恐怖心を感じている場合、唸り声で自分の感情を表現します。
対処法
犬が不安や恐怖から唸っている場合は、その事象に対して良い印象を持たせることで改善されます。
来客者から直接おやつをもらったり、少しずつ距離を縮めてもらうなど、協力してもらうことで「来客(家族以外の人)=怖くない」と犬が学習します。
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また、子犬のうちから外の環境に慣れさせる社会化をしておくと良いでしょう。
多くの人や犬に接することで、外の環境や知らない人への警戒心が少なくなります。
すでに成犬で知らない人や犬に唸ってしまう場合は、もともとの性格や過去の経験から恐怖を感じている可能性があります。
無理に他の人や犬と交流させようとするとより怖がるようになってしまったり、相手を噛んでしまうなどのトラブルが起きる可能性があるため、他の人や犬との交流は避けた方が無難です。
愛犬がこのようであれば散歩はできるだけ人や犬が少ない道や時間帯を選びましょう。
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縄張り意識・所有意識
自分のテリトリーや飼い主を守ろうとする場合、警戒心から唸ることがあります。
例えば宅配の人や来客など、自分のテリトリーと思っているところに部外者が来るとこのような行動が見られます。
また、自分のおもちゃやおやつが取られそうと感じたときも、所有意識から唸ることがあります。
対処法
宅配の人や来客があったときに、ケージやサークル内で過ごさせましょう。
これは「ハウス」というコマンドで「クレートトレーニング」とも言われます。
ケージやサークル内に愛犬の好きなおもちゃやお気に入りの毛布などを入れて環境を整え、愛犬が安全で快適な場所だと理解すると、来客者があっても落ち着いて過ごすことができます。
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犬が遊んでいるおもちゃを取ろうとすると唸る場合は、おやつを見せておもちゃと交換するようにしましょう。
無理やり取り上げようとすると飼い主さんが噛まれる可能性がありますので、おやつと交換する方法が安全です。
これは、より価値の高いおやつと交換することで「取られるのではなくいいものをもらえる」と学ばせることになるからです。
痛みや不快感
体に痛みや不快感がある場合、犬は唸ることでその状態を知らせることがあります。
怪我の場合「痛いから触らないで」というサインの可能性もあるため注意が必要です。
また、爪切りや歯磨きなどが苦手、特定の部位(足先や口元など)を触られることが苦手で唸っていることもあります。
対処法
いつもは触っても平気なのに、ある時から触ると唸るようになった場合は、その箇所が何らかの原因で痛いと感じている可能性がありますので、獣医師に相談しましょう。
純粋にその部位を触られることが苦手な場合は、触って唸るのをやめたらおやつをあげるといった、ご褒美を使ったトレーニングを行うと効果的です。
ポイントは犬が唸ったらすぐに手を離すのではなく、一旦手の動きを止めて唸るのをやめたらおやつをあげるようにしましょう。
犬が唸ったらすぐに手を離すと、「唸ったら止めてくれる」と覚えてしまうからです。
このトレーニングは犬によっては負担になることもあるので、1日に何度も行わず、毎日少しずつ行うようにしましょう。
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遊びのサイン
犬同士や飼い主さんと遊んでいる時に楽しくて唸ることもあります。
例えば、ロープなどおもちゃを引っ張りっこしているときなどに見られます。この場合はしっぽを振っていることが多いです。
対処法
一見ポジティブな意味の唸り声のようにも思えますが、興奮しすぎているサインでもあるため、一旦遊ぶのを中断し、落ち着かせる方がよいでしょう。
まとめ
ワンちゃんたちの「唸る」という行為は、心や体の状態を知らせるサインの一つです。 小さな不安や止めて欲しいというサインに気づくことで、苦手なことは避けてあげる、または協力して一緒に乗り越えることができます。 例えば、人見知りや初めての犬が苦手なワンちゃんには、そのようなシチュエーションを作らない・避けることで「唸らない」ようにコントロールできます。 また、大好きなごはんやおもちゃは「取られない」ことを教えてあげれば「唸らなく」なるでしょう。 その大切なシグナルを無視したり、「唸っちゃダメ」と叱ってしまうことで、ワンちゃんたちは「わかって欲しい気持ちが伝わらなかった」と解釈し、自分自身の身を守る為に、噛むなどの攻撃行動を取らざるを得なくなります。 このようなことが積み重なると、飼い主との信頼関係が揺らぎ始めてしまうかもしれません。 ワンちゃんたちの「唸る」という行為をコミュニケーションの一環として理解し、状況に合わせて対策してあげましょう。