犬が飼い主の後を常に追いかけてくる行動は、一見かわいらしく感じるかもしれません。 しかし、その行動が度を越してしまうと、飼い主が不在時にストレスを感じたり、分離不安を引き起こしたりする可能性があります。 本記事では、犬が飼い主の後をついてくることで困る場面、その行動の理由と原因、そして効果的な解決策について詳しく解説します。
犬が飼い主の後をついてきて困る場面
犬が常に飼い主の後を追いかけることで、日常生活に支障をきたすことがあります。
料理中に足元にまとわりつく
包丁や火を使うキッチンで犬が足元にいると、気づかず踏んでしまったり、火傷を負わせたりするリスクがあります。
急に動いたときに犬とぶつかり、料理を落としたりする可能性もあります。
トイレやお風呂までついてくる
プライベートな空間にまで犬が入り込むと、リラックスできず、逆にストレスを感じることがあります。
お風呂場では滑りやすいため、犬が足を滑らせてケガをする危険性もあります。
外出時の後追いがひどい
玄関でクンクン鳴いたり、出かけようとすると激しく吠えたりする場合、飼い主に依存しすぎている可能性があります。
また、玄関ドアを開けた際に外へ飛び出してしまうリスクがあり、交通事故などの危険につながります。
夜眠れない
ベッドや布団にまでついてきて、眠る際に邪魔になったり、夜中に飼い主が動くたびに起きてしまうことがあります。
飼い主がトイレに起きると、犬も一緒に起きてしまい、結果的に睡眠の質が低下することがあります。
家の中で自由に動けない
犬が常に後をついてくるため、部屋を移動するたびに注意しなければならず、家の中で気を使い続けることになります。
特に高齢者や足腰が弱い人の場合、犬につまずいて転倒する危険があります。犬も怪我をしてしまうかもしれません。
家族との時間が制限される
犬が特定の家族にだけ強く依存している場合、他の家族と過ごす時間が減ってしまい、家族が犬と遊ぼうとしても、特定の家族がいないと落ち着かないということがあります。
犬が飼い主の後をついてくる理由と原因
犬が飼い主を追いかける理由はいくつか考えられます。主な原因を詳しく見ていきましょう。
本能的な習性
犬は元々群れで生活していた動物で、リーダーに従う習性があります。
飼い主を群れのリーダーと認識すると、自然と後をついてくることが多くなります。
•野生の犬は群れで行動し、安全を確保するためにリーダーに従います。
•飼い犬もその本能を受け継いでおり、飼い主の行動に注目しながら行動します。
•特に牧羊犬や狩猟犬のように人間と密接に関わりを持つ犬種は、リーダーへの忠誠心が強く、後追い行動が顕著に現れます。
愛情表現や信頼の証
飼い主が大好きで、そばにいたいという純粋な気持ちからついてくることもあります。
•飼い主の匂いを感じることで安心する。
•甘えん坊な性格の犬種(チワワ、マルチーズ、プードルなど)は、特にこの傾向が強い。
期待
キッチンに向かった飼い主さんを見て、「もしかしたらおやつがもらえるかもしれない」という期待でついていったり、遊んでほしい、かまってほしいというときに後をついていくことがあります。
•頭を撫でられたり、おやつをもらったりすることが多いと、「飼い主のそばにいると良いことがある」と学習する。
不安やストレス
犬が不安を感じていると、安心できる存在である飼い主のそばにいようとします。
•雷や花火の音など、大きな音がすると飼い主にぴったりとくっつく。
•環境の変化(引っ越し、新しい家族が増えるなど)があった場合、後追い行動が増える。
•過去に虐待や飼育放棄を経験した犬は、再び置き去りにされることを恐れて後を追うことが多い。
分離不安
分離不安とは、飼い主がいないことで強い不安やストレスを感じる状態です。
以下のような症状が見られる場合、分離不安の可能性があります。
•飼い主が外出すると激しく吠える・遠吠えする
•留守番中に家具やドアを噛んだり破壊する
•トイレを覚えているはずなのに、外出中に粗相をする
•帰宅すると異常なほど興奮して飛びつく
•常に飼い主の動きを気にして、少しでも離れると不安そうな表情をする
•留守番の際に食欲が低下する、または食事を拒否する
分離不安は、特に甘やかされて育った犬や、犬だけでいる時間が少ない犬に多く見られます。
解決方法
犬の後追い行動を減らすためには、適切なしつけや環境作りが必要です。以下の方法を試してみましょう。
「待て」や「お留守番」のトレーニング
飼い主が動くたびに犬がついてこないよう、「待て」のコマンドを練習しましょう。
また、短時間のお留守番から始め、徐々に時間を延ばしていくことで、飼い主がいなくても安心できるようにします。
•最初は数秒から始め、少しずつ「待て」の時間を伸ばしていく。
•成功したら褒めたり、おやつを与えたりしてポジティブな経験として学習させる。
•留守番の際にラジオやテレビをつけておくことで、不安を和らげる。
一人で遊ぶ時間を作る
知育玩具や噛むおもちゃを与え、飼い主がいなくても楽しめる環境を作ります。
特に、フードが出てくるタイプのおもちゃは、犬が集中して遊ぶのに役立ちます。
•おやつを探し当てると食べることのできる知育玩具におやつを詰め、長時間遊べるように工夫する。
•ぬいぐるみやお気に入りのおもちゃを与え、飼い主がいなくても安心できる環境を作る。
•おもちゃを定期的に交換することで飽きないようにする。
運動と刺激を増やす
運動不足の犬はストレスを感じやすくなります。
散歩や遊びの時間を増やし、十分な運動をさせることで、飼い主への執着を和らげることができます。
•毎日の散歩の時間を増やす。特に朝晩の2回行うと、犬のストレス解消につながる。
•時々ドッグランや広い公園で自由に走らせる。
•簡単なトリック(おすわり、ふせ、ターンなど)を教えて、頭を使わせることで精神的な満足感を与える。
適度な距離感を保つ
犬が飼い主を追いかけてきたときに、常にかまってしまうと依存が強まります。
時には無視して、犬が自分で過ごす時間を持つことも大切です。
•飼い主が動くたびに犬がついてきても、無視して構わない。
•過剰に甘えさせず、自立心を育てる。
•犬が静かに過ごせたときに褒めることで、落ち着いた行動を強化する。
分離不安の改善トレーニング
分離不安の行動がひどい場合、専門のドッグトレーナーに相談するのも良いでしょう。
また、外出時に飼い主のにおいがついたタオルや服を犬のそばに置くと、安心感を与えることができます。
•外出の準備をする際に犬を興奮させないよう注意する。
•短時間の外出から始め、徐々に長時間の留守番に慣れさせる。
•外出前に運動させ、体力を消耗させることで落ち着かせる。
サークルやクレートを活用する
クレート(犬用のケージ)やサークルを活用し、安心できる「自分だけのスペース」を作ってあげましょう。
最初はごほうびを中に入れて誘導し、「いいことがある場所」「安心できる場所」と徐々に慣れさせることが大切です。
•クレートを安全で快適な場所と認識させるために、お気に入りの毛布やおもちゃを入れる。
•クレート内でおやつを与え、「良いことがある場所」と認識させる。
•無理に閉じ込めるのではなく、犬が自ら入るように誘導する。
ルーチンを作り、安心感を与える
毎日のスケジュールを一定にすることで、犬に安心感を与えます。
•散歩、食事、遊びの時間を決めておき、規則的な生活を送る。
•一人で過ごす時間を確保し、犬が飼い主に依存しすぎないようにする。
•外出時や帰宅時に大げさなリアクションをしないことで、犬の不安を軽減する。
まとめ
犬が飼い主の後をついてくる行動は、愛情表現や不安などさまざまな理由が考えられます。 しかし、過度な依存は犬にとっても飼い主にとってもストレスの原因となるため、適切なトレーニングを行い、自立心を育てることが大切です。 犬が安心して過ごせる環境を整え、適度な距離感を保つことで、飼い主も犬も快適な生活を送ることができるでしょう。