この記事では高齢犬で未避妊の子に発症する子宮に膿が溜まってしまう病気「子宮蓄膿症」について解説していきたいと思います。
1.高齢犬の子宮の病気|子宮蓄膿症の原因について
子宮蓄膿症はもちろんメスで起こる病気です。 症状には陰部からの膿が認められたりもしますが(開放型)、認められない場合もあります(閉鎖型)。 なので元気がなくなったり、飲水量と尿量が増えてから動物病院にかかることが多い病気です。
1) 高齢犬の子宮蓄膿症の検査は?
では獣医師はどのようにシニアのメス犬ちゃんの子宮蓄膿症を特定するのでしょうか?
基本的に血液検査(白血球の上昇など)とレントゲン撮影、腹部超音波検査によって子宮の状態を確認していきます。
ちなみに貯留しているものが膿ではない場合、例えば粘液や血液などの場合には子宮水症や子宮粘液症などが考えられます。
臨床的な症状と超音波検査から大体は予想がつきます。
2) 高齢犬の子宮蓄膿症の症状は?
高齢犬に限らず子宮蓄膿症の症状は発情後に体調が落ちていたり、食欲の低下、嘔吐が認められたり、飲水量と尿量が増えたりします。
特にシニア期の未経産のメスの犬に多いことが特徴としてあげられます。
子宮が膿でパンパンになってしまい、破裂したり切れてしまってそこから膿が漏れ出してしまうと腹膜炎という炎症を併発してしまいます。
この場合には早期に対応する必要がありますので高齢のメス犬がご家族にいる方は発情や体調のチェックを定期的にしてあげてくださいね。
播種性血管内凝固(DIC)にも気をつけたいです。
①播種性血管内凝固(DIC)とは?
播種性血管内凝固(DIC)は簡単にいうと、命に関わる状態で細菌が全身に巡ってしまい、臓器不全が起こってしまう状態のことです。
この状態だと早期対応することはもちろん、手遅れになることもあります。
3) 高齢犬の子宮蓄膿症の治療は?
高齢犬で発症する子宮蓄膿症の治療は基本的に原因となっている子宮を摘出(避妊手術)を行います。
流れとしましては、まず現在の状態をチェックします、そして麻酔をかけても安全なことを確認したのちに手術を行います。
もちろん繁殖のためにという飼い主様の希望もあると思いますので、その際にはホルモン治療を行うことができる場合もあります。
予防的には避妊手術を行って置くことがありますが、事情もあると思いますので卵巣・子宮系の病気とご事情を考えた上で決断していただくことが望ましいかなと思います。
犬の子宮蓄膿症について 獣医師:吉野先生の解説動画
獣医師の吉野先生による解説動画です。 ぜひご覧ください!