日本は少子高齢化社会ですが、犬の社会でも高齢化が進んでいることをご存じでしょうか? 実は日本で飼育されているの犬の50%近くが7歳以上の高齢犬(シニア犬)です。 どうして犬も高齢化してきているのか、その要因はなんなのか。 また、現在犬を飼っている人、飼う予定のある人は長寿化する犬を飼うにあたってどんな準備が必要なのかを本記事では解説していきます。
1.犬の高齢化の要因
2013年には、犬の平均寿命は13.87歳という結果で、2023年の犬の平均寿命は14.62歳と、10年で1歳近く平均寿命が延びています。 たった1歳かと思うかもしれませんが、1980年頃は犬の平均寿命は7歳から9歳程度だったことから考えると、平均寿命が飛躍的に延びたということがわかりますね。 なぜこれほどまでに平均寿命が延びたのか。 その主な要因の一つが食事と言われています。 30年前は人間の残り物を食事とすることが一般的で、犬には塩分が多く、栄養バランスが悪い食事でした。 たとえば残ったご飯にお味噌汁をかけたり、魚や鶏肉の切れ端等を与えていました。 近年では栄養バランスを考慮した専用ドッグフードや、グレインフリー、ヒューマングレード等素材にこだわった高品質なドッグフードが普及していますよね。 また、現在ほど犬の生態についての研究や知識がなく、一般家庭では知らずのうちに犬に食べさせてはいけないものを与えていた可能性もあります。 今は私たち飼い主も犬の生態への理解が深まり、「人の食べ物は与えない」という考えが一般的になっています。 このような食事の質の改善や、私たち飼い主の食事への意識の変化により、寿命が延びていると考えられます。 また、充実した医療を受けられることも平均寿命を伸ばしている主な要因の一つでしょう。 昔とは異なり、ペットを家族同様に扱い、定期的な健康診断を受診させたり、病気にかかった場合にもできる限りの医療を受けさせる飼い主が増えたこともペットの長寿化の具体的な要因であると考えられます。
2.ペットを飼うときの心得
飼い主とペットの高齢化に伴い、もし犬や猫等のペットを家族に迎える場合は以下の2点を考える必要があります。
①高齢化した飼い主がペットのお世話をできなくなったらどうするか?
親族・友人・知人など、もしものことがあったらペットを受け入れてくれる人を探しておく必要があります。
また、「老犬ホーム」等の専門の施設を探しておくことや、そこに入居させるための資金を準備する必要があります。
飼い主もペットも高齢化し、老老介護の状況になると、飼い主さんも体力・精神的に辛くなることがあります。
このような専門の施設にペットを預ける、デイサービスを利用することで、お互いに穏やかに過ごせるでしょう。
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②飼い主がペットより先に逝去した場合どうするのか?
弁護士などの後見人を付け、終生飼育を受け付けている施設と契約しておく、「ペット信託」等でのサポートを申し込んでおくと安心です。
3.犬も「健康長寿」を目指して
犬も人間と同様に健康長寿でいられることが豊かな余生を過ごすことにつながります。 犬社会も高齢化してきていることから、今はシニア犬向けの便利な商品もたくさんあります。 いくつか紹介しますので、ぜひ活用してわんちゃんの健康長寿に役立ててくださいね。