※画像はイメージです 低血糖というのは、血液中の糖濃度が低くなることをいいます。 低血糖になると体の臓器が働くもととなる栄養がいきわたらず、全身状態が悪化してしまいます。 活動するための栄養分が低下した状態が長時間続くと、脳細胞に障害が起き、けいれん・昏睡といった症状が見られるようになって、命を落としてしまうこともあります。 様々な犬種でも発症する可能性がありますが、特に小型犬や子犬で発症しやすい事が知られています。 だからといって成犬は低血糖が発症しないわけではありません。 成犬の低血糖の原因は病気によって発症していることがほとんどです。 そこで成犬の低血糖について、症状・原因と治療・予防について確認してみましょう。
1.成犬の低血糖の症状・原因と治療・予防
ここから、犬の低血糖の症状、原因と治療、予防に分けて説明していきます。
1) 低血糖の症状
元気がなくなる、ぐったりする、嘔吐や下痢といった初期症状から始まり、のちにけいれん発作や昏睡といった症状が表れます。
2) 低血糖の原因と治療
成犬が低血糖になる原因として多いものは、膵臓に腫瘍がある場合や肝臓の病気、敗血症(重度の感染症)などの疾患が原因となる場合や、糖尿病に罹患していて治療薬として投与されるインスリンの過剰投与などが考えられます。
子犬は食事などの原因で低血糖になりますが、成犬ではその原因のほとんどが病気であるということが、大きな違いです。
低血糖を疑う症状が見られたら、ブドウ糖を投与します。
そのときの犬の状態に合わせて経口投与か点滴によって血糖値の回復をはかります。
まずは血糖値を回復させる処置を行い、食欲が出るにつれ、こまめに食事を与えていきます。
自宅にブドウ糖がない場合は、濃度の高い砂糖水やガムシロップを口に含ませます。
ぐったりしているようであれば、少量ずつ上あごに塗りつけるようにしてみましょう。
しかし、けいれんや昏睡などの緊急を争う状態のときには一刻も早く、動物病院を受診するようにしてください。
3) 低血糖の予防
低血糖を起こさないような注意が重要です。
空腹時の散歩を避ける、低血糖の原因となる疾患の発見と治療などに努めることはもちろん、定期検診を受けるようにしましょう。
また、初期症状である元気の消失、嘔吐や下痢といった症状を見逃さず、異常だと思ったらすぐに動物病院に行きましょう。
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