近年ペット業界では、人間同様に犬のメタボや生活習慣病が問題視されており、健康診断の重要性が増しています。 「まだ小さいから大丈夫」と安心していませんか? 犬の健康診断は、がんや内臓系の疾患など重大な病気を見つけること以外にも、普段の健康状態を知り肥満を防ぐために欠かせません。 健康診断を始めるタイミングと頻度、費用や内容を知り、病気のサインを見逃さないように気をつけたいものです。
1.犬の健康診断は何歳から必要?
いつから愛犬の健康診断を受け始めるべきなのでしょうか? 何歳の犬でも、飼い始めて少しずつ慣れてきたころに一度、健康診断を受けさせましょう。 基本的な身体検査と、獣医師による聴診、尿検査や検便、寄生虫などによる感染症や遺伝性の疾患がないかなど、簡単なもので大丈夫です。 次の項目からは、犬のライフステージに合わせた健康診断のタイミングや頻度、検査内容を説明していきます。
1) 子犬の時期(成長期)に受けるべき健康診断のタイミングと検査内容
生後3ヶ月前後から飼育することが多い子犬は、まず検査するべき内容は寄生虫などによる感染症や遺伝性の疾患がないか等です。
子犬は環境の変化によるストレスで体調を崩しやすく、見た目では気づきにくい重大な疾患が隠れていることもあります。
また、子犬の時期(成長期)に定期的な検査を受けることで、疾患を早期発見できることがあります。
大型犬の股関節形成不全や小型犬の膝蓋骨内方脱臼などがあげられ、獣医師による診断結果を踏まえた予防や治療が早期に受けられますので、愛犬の将来の健康を守ることができます。
接種が必要なワクチン、避妊・去勢手術の情報、太りにくいご飯の種類や日々のケアで気をつけることなどを獣医さんから聞くことができ、飼い主さんにとっても有益な情報を得る機会になるでしょう。
2) 成犬・シニア犬が受けるべき健康診断のタイミングと検査内容
【成犬】
成犬が健康診断を受ける頻度は半年に1度が理想的です。
成犬の時期は犬種やサイズによって異なりますが、おおよそ1歳前後とされています。
犬の寿命は人間に比べて短い分、体の変化が早いのです。
1年に1度の健康診断では、人間の年月に換算すると4年ぶりの検診ということになり、生活習慣病の兆候や、がんなどの病気の発症に気づくことが遅くなる可能性があります。
【シニア犬】
シニアの犬は体調変化に合わせて受診しましょう。
犬種によって異なりますが、8歳以上になると、運動量の低下などゆっくり体調に変化があらわれはじめます。
とくに老化のサインは犬によって個体差がありますので、かかりつけの動物病院で獣医師に相談し、健康診断を受診する時期を決めると良いでしょう。
10歳で50代から60代くらい、12歳は70代以上の老犬と考えてください。
検査項目も年齢によって徐々に増やしていく必要があるでしょう。
3) 小さな変化に気づいたとき
定期的な健康診断の時期でなくても、小さな異変に気づいたら早めに検診に行くことをおすすめします。
例えば、毛がパサついて抜け毛が増えた、目が白く濁っている、急に太ってきたまたは痩せてきた、など見た目の変化がある時は検査のタイミングです。
息づかいが荒くなった、警戒心が増して攻撃的になった、おもらしが多い、など見た目以外の変化がある時はメタボの兆候かもしれません。
早期健診、早期発見そして早期対処が愛犬の健康に必要ですので、小さな変化に気づいたら、迷わず検診に行きましょう。
2.犬の健康診断にかかる費用や内容は?
動物病院によって異なってきますが、ペットの健康診断を受診する際にどのくらい費用がかかるのか説明していきます。
1) 料金の相場は1〜3万円前後
基本的には健康診断の受ける内容は、コースによって分かれています。
検査項目を増やしたり、たくさん検査項目があるいわゆる「ドッグドック」を選ぶとお値段が高くなりますが、ペットの状態をより細かく把握することができるので、しっかりと考えて選ぶようにしましょう。
2) 健康診断とドッグドックは何が違う?
では、通常の健康診断とドッグドックの違いについて解説します。
定期健康診断
検査内容:身体検査、血液検査(18項目)、レントゲン検査、(超音波検査)
実施時間:30~40分程度
平均費用:¥7,000~¥10,000程度
ドッグドック
検査内容:身体検査、尿検査、糞便検査、血液検査(40項目)、レントゲン検査、心電図検査、超音波検査
実施時間:午前中にお預かり、夕方にお迎え
平均費用:¥12,500~25,000程度
どのコースにも一般的に身体検査や尿検査などが含まれており、最低限の診断をしてもらえます。
多数の検査項目のある高額なコースでは、見た目からではわからない部分の確認が可能ですので、目に見えない体内の変化を知り、病気の早期発見などがよりし易くなります。
各診断項目の平均費用
・身体検査¥1,500~¥2,000
・尿検査¥1,000~¥1,500
・糞便検査¥1,000~
・血液検査¥2,000~¥5,000
・レントゲン検査¥2,000~¥7,500
・心電図検査¥2,000~¥5,000
・超音波検査¥3,000~¥5,000
おおよその相場はありますが、検査にかかる費用は動物病院ごとに異なりますので、事前に確認しましょう。
また、受診する際、獣医師から説明をしっかり受け、ご自身が一番納得できるコースを選択しましょう。
まとめ
定期的に健康診断を受けることで、疾患を早期発見できることがあります。
発見が遅くなればなるほど、金額的にも犬の体力的にも負担が増えることにつながりますので、必要な検査を早めに受けるようにしましょう。
犬は体調に異常を感じても言葉で伝えられないので、気づいたときには手遅れだったということにならないよう、定期的に獣医師の健診を受けて安心して暮らせるようにしたいですね。