そもそも犬にとっておやつは、何か良いことをしたときに飼い主さんから褒められ、報酬の意味があるご褒美として、たまにもらえるから嬉しいものです。 そのため本来、おやつの食べ過ぎは起こらないはずですが、残念ながら飼い主さんによっては、おやつを間食として与えてしまい、愛犬の体重が増え肥満になるケースがあります。 おやつは、犬のしつけのためのご褒美やコミュニケーションを図るためのものであり、与える場合は犬の健康の妨げにならないよう配慮しましょう。
1.おやつの食べ過ぎは犬の健康リスクを高めます
犬のおやつとはどういうものなのか、人間のおやつをあげるとどうなるのかを説明します。
1) 犬のおやつの質と量
市販の犬専用おやつは、高カロリーで栄養も偏っている特徴があり、そのため飼い主さんは少量を与えているつもりでも犬にとってはかなりの量になることがあるようです。
そのためおやつの食べ過ぎは、肥満や偏食の原因になりうる可能性が高いですので、与える場合は犬のそのときの体格や体調などを踏まえて、1日に必要な摂取カロリーの10%以内の量を与えるとともに主食のドッグフードの量を調整しましょう。
2) おやつは犬に食べる楽しみを与える
良いことをすると褒められて、ご褒美におやつがもらえるという一連のサイクルを犬に教え込むと、犬にとっておやつはご褒美の対価ですので、食べ過ぎるということは皆無になります。
そしておやつは、ご褒美として犬に食べる楽しみや嬉しさを与えることとなり、飼い主さんと良好なコミュニケーションを築くツールなのです。
また、ノーズワークマットを使っておやつを与えると、早食い防止とストレス解消になります。
3) 人間用のおやつは犬の体の負担になる
人間用のおやつですが、例えばポテトチップスを1枚ぐらい犬に与えても大丈夫と思い食べさせていませんか?
人間用のものは、塩分や糖分がとても多く含まれていますので、犬の体にとって大きな負担であり、健康上の問題が多いのです。
例えばチョコレートは犬に絶対に与えていけない食品です。
チョコレートに含まれている成分のテオブロミンが危険な成分になっています。
テオブロミンを食べ過ぎると、犬は嘔吐、下痢、興奮、けいれん、発作等の中毒症状を発症しますので、犬のおやつはできるだけ犬専用の嗜好品を利用しましょう。
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2.犬の肥満度と理想体重を知ろう
自分のわんちゃんは肥満なのか、理想体重はいくつなのかを説明していきます。
1) まずは「BCS」で肥満診断
成犬の肥満度を知るためには、「ボディ・コンディショニング・スコア(BCS)」という評価基準を使います。
BCSは、体重や体脂肪率などの数値のほか、触診や体形などの見た目も総合的に判断して、肥満度を5段階で評価します。
「BCS4=体重過剰(メタボ予備軍)」または「BCS5=肥満(メタボ)」と判定された犬は、理想体重を目指して、食事療法などのダイエットを行う必要があります。
正確な肥満診断は動物病院で行いますが、簡単なBCS判定なら飼い主さんでもできます。
2) 触診と視診で、いますぐ判定を
簡単に「BCS」の判定を行う方法をご紹介します。
まずは触診。
犬の胸から脇腹のあたりをなでて、肋骨の凸凹が感じられれば合格(BCSが3以下)。
脂肪の厚みがあり、肋骨に触れられないのであれば、肥満の状態です(BCSが4以上)。
次に視診です。
犬を真上(背中側)から見下ろすように眺めて、腰のあたりに少しでも“くびれ”があればセーフ、“くびれ”がなかったらBCS4かBCS5です。
くびれがなかったら、わんちゃんの体を真横から見てみましょう。
腰からお腹にかけての凹みがなく、胸からお腹が一直線に見えたらBCS4、お腹が出っ張ったり垂れ下がったりしていたらBCS5の判定です。
3) 理想体重を計算しよう
5段階評価でBCS4かBCS5の判定になったわんちゃんは、さっそく理想体重を計算してみましょう。
BCS4なら「現在の体重÷1.15」、BCS5なら「現在の体重÷1.3」で計算できます。
もちろん人間と同じように、体重だけではなく体脂肪率を下げることも、とても大切です。
BCS4なら25%以下、BCS5なら35%以下を、まずは目指しましょう。
3.犬が肥満にならないために家庭でできる食事のコツ
犬が肥満にならないためにできる食事のコツを伝授します。
1.愛犬が肥満にならないようにするコツ:ドッグフードは量を計って与えよう
犬に食事をあげるとき、量を計っていますか?
特に量を考えずにあげている飼い主さんは要注意です。
犬も人間と同じ生き物です。
もし何も考えずに食べたいものだけ食べたり、飲みたいだけ飲んだらどうなるでしょう。
肥満になって不健康な身体になってしまいます。
犬の場合、人間に比べて身体が小さいので、食べ物による悪い影響も良い影響もすぐに出やすいのです!
食事はドッグフードのパッケージに書いてある量をあげてみて、体重が増えるようであれば記載の量の1割を減らしたり、反対に体重が減るようであれば1割増やしてみる等、犬の状態を観察しながら調整しましょう。
2.愛犬が肥満にならないようにするコツ:おねだりされても人間の食事はあげない
犬は「溜め食いの習性」があり、おなかいっぱいでもさらにご飯を食べようとするので、飼い主さんに「おねだりする」ことが多いです。
おねだりされるとついついあげたくなってしまいますよね。
ですが、人間の食事をよく与えてしまうと、食べ過ぎてしまったり、本来取らなくて良い栄養などを取ることで肥満になることがあります。
飼い主さんが自分が食べている物を一緒に食べたいと思う気持ちはよくわかりますが、少しでも健康な愛犬と一緒にいる時間を長くするためにも、人間の食事を犬に与えないようにしていきましょう。
3.愛犬が肥満にならないようにするコツ:ふやかして与えてみる
ドッグフードをちゃんと計ってあげているし、人間の食事も与えていないのに何だか愛犬が肥満気味…。そのようなこともあるでしょう。
犬の体質によっては太りやすい犬もいますので、その場合は与え方を工夫してあげるとよいでしょう。
ぬるま湯でふやかすと香りも立ってかさも増すので、犬の満腹感が増します。
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