空港の税関検査場や、荷物を受け取るターンテーブルの付近で、水色の洋服を着た犬を見たことはありますか? 「農林水産省 動物検疫所」と書かれたベストを着ている犬がいたら、それは「検疫探知犬」です。 今回はその「検疫探知犬」の仕事をご紹介します。
1. あなたは知ってる?検疫探知犬のお仕事とは
海外から持ち込まれる肉製品には鳥インフルエンザや口蹄疫などのウイルスや病原菌が付いている可能性があります。 日本では、それら感染源を持ち込ませないため、海外の肉製品を持ち込むことは法律で禁じられています。 「検疫探知犬」は、空港で渡航者の荷物の中から、感染源であるハムやソーセージ等の肉製品を鋭い嗅覚で見つけだし、違法に持ち込まれるのを防いでいます。
2. 検疫探知犬の犬種は?何頭くらいいるの?
2005年、成田空港にて日本で初めて検疫探知犬が導入されました。 その後、全国の空港や海港、国際郵便を扱う郵便局などに配置され、現在は96頭が働いています。 検疫探知犬は「ビーグル」が採用されていることが多いのですが、それには理由があります。 ビーグルは、嗅覚が鋭く、ハムやソーセージなどの肉製品を探すのに向いており、穏やかで人懐っこい性格で、たくさんの人が行き来する空港でもストレスを感じにくいため、検疫探知犬に採用されることが多いです。
3. 空港で活躍する検疫探知犬は感染源をどうやって見つけ出すの?
ハンドラーが声をかけると、検疫探知犬は周囲にあるスーツケースやバッグの匂いを嗅ぎ始めます。 床に置いてあるものだけでなく、カートの上に載っている荷物も嗅ぎます。 そして肉の匂いを感じると、その荷物の前に「おすわり」をして知らせます。 すると、家畜防疫官がやって来て、その荷物の中身をチェックします。 そして肉製品が見つかったら、検疫探知犬はご褒美のおやつをもらいます。 これを何時間も繰り返します。 仕事中の検疫探知犬は肉の匂いを逃さないためにとても集中しているので、見かけても声をかけたり、近寄って触ったりしないよう、お願いします。
空港で感染源が持ち込まれないのは検疫探知犬のおかげ
検疫探知犬についてご説明しました。 海外から違法に持ち込まれた肉製品によって病気の感染源が持ち込まれる心配がないのは、こうして活躍してくれている犬たちがいるおかげということを覚えておきたいですね。 空港で検疫探知犬の姿を見かけたら、近づいたりせず、心の中で応援してあげましょう! 農林水産省のホームページでは、「探知犬カレンダー」を無料でダウンロードできます。 興味のある方はぜひダウンロードしてみてください。 https://www.maff.go.jp/aqs/topix/pamphlet.html#calendar