この記事では、ミニチュア・ピンシャーを飼おうと考えている方へ、ミニチュア・ピンシャーの特徴や性格、大きさ、値段相場、飼い方のポイントなどをご紹介します。ミニチュア・ピンシャー飼育の参考にしてみてください。
ミニチュア・ピンシャーの特徴
ピンと立った耳に引き締まったボディで、小柄なのに堂々とした凛々しい印象を与えるミニチュア・ピンシャー。 小鹿のような体つきから、原産のドイツでは、レー(小鹿)・ピンシャーと言われています。 世界的に「ミニピン」という略称で親しまれています。
身体的な特徴から、ドーベルマンを小型化したように思われますが、犬の歴史としてはミニチュア・ピンシャーの方が先に誕生しています。
しかし、祖先となる犬は同じと言われており、中型のヘル・ピンシェルでした。
その後、ジャーマン・ピンシャーやミニチュアシュナウザーやトイ・マンチェスターテリアなどを交配し、現在のミニチュア・ピンシャーとなったようです。
ネズミなどを駆除する役割を果たしていました。
ミニチュア・ピンシャーの特徴であるピンと立った耳と短いしっぽは断尾・断耳によるものです。
ヨーロッパでは動物愛護精神の観点から、すでに20世紀後半から断尾・断耳を禁止しており、最近では日本でもたれ耳のミニチュア・ピンシャーを見かけますね。
また、ハックニー歩様という馬のような歩き方をするのもミニチュア・ピンシャーの特徴です。
ミニチュア・ピンシャーの被毛・抜け毛
JKC(ジャパン・ケンネル・クラブ)の規定によると、毛色は単色(ディアー・レッド、レディッシュ・ブラウンからダーク・レッド・ブラウン)、ブラック&タン(ボディはブラックでレッドまたはブラウンのタンが入っている)ものが認められています。
タンの位置は目の上、喉の下側、パスターン(腕の関節~指先)、足、後脚の内側及び尾の付け根下が好ましいとされています。
被毛は短毛のシングルコートで、抜け毛は比較的少ないと言われていますが、実際に飼っている人からは、思ったより抜けるという声が多いようです。
寒い時期は服を着せるなどで抜け毛を防ぐ工夫をしましょう。
ミニチュア・ピンシャーの性格
小さな体ですが勇敢で番犬に向いています。警戒心が強く吠えたり攻撃的になりやすいので、小さいころから他の人や犬、外の環境に慣れさせてあげましょう。
成犬の体高・体重
ミニチュア・ピンシャーは小型犬に分類されます。
ミニチュア・ピンシャー 成犬の体高
JKCの規定によると、ミニチュア・ピンシャーの成犬時の体高はオス・メスともに25~30cmが理想です。
ミニチュア・ピンシャー 成犬の体重
JKCの規定によると、ミニチュア・ピンシャーの成犬時の体重はオス・メスともに4~6kgが理想です。
ミニチュア・ピンシャーの値段・価格相場と選び方
ミニチュア・ピンシャーの値段相場は20万~30万円となっています。
ミニチュア・ピンシャーの選び方
ミニチュア・ピンシャーの子犬を選ぶときには、以下のポイントをチェックしましょう。
健康体かどうかのチェック |
・毛並みがきれいか ・口の中は綺麗なピンクで噛み合わせが良好か ・目ヤニはなくキレイか ・鼻は湿っているか ・耳の中に異常や異臭はなく綺麗か ・立ったときの肩や前腕・胸部ががっしりしているか ・お尻の周りが汚れていないか ・不自然な歩き方をしていないか ・抱き上げたときにずっしりした重みがあるか |
性格のチェック |
・元気に遊んでいるか ・遠くから声をかけたときに反応するか ・こちらに対し尻尾を振ってくれるか ・抱っこされたときにおとなしいか |
血統・将来の大きさのチェック |
・遺伝病やデメリットとなる特性を親や祖先・兄妹が持っていないか ・JKC発行の血統証明書はついているか ・数代先までファミリーツリーを確認できるか |
ミニチュア・ピンシャーといえば、立ち耳と短い尻尾のイメージがあるかもしれませんが、実はもともと垂れ耳で長い尾を持っています。
もともとネズミ等を駆除する役割をしており、噛まれて感染症にかかるリスクを避けるために断尾・断耳されていました。
ヨーロッパではすでに断尾・断耳が禁止されていますが、日本でもミニチュア・ピンシャーをありのままの姿でお迎えしたい方は、断尾・断耳をしていないブリーダーさんから迎え入れるか、ブリーダーさんに断耳・断尾をしないミニチュア・ピンシャーを迎えることが希望である旨の申し入れをしましょう。
飼い方のポイント
ここではお迎えからしつけまで解説していきます。
お迎え時のポイント
子犬のお迎えに行く際には、必ずペットシーツを敷いたキャリーケースを用意しましょう。
安全に子犬を運べるよう、子犬の大きさに適した頑丈なキャリーケースを使ってください。
お迎え時には、食事やトイレの仕方、健康診断やマイクロチップの有無など、子犬の現在の状況を聞いておくことを忘れないようにしましょう。
かかりつけになる動物病院を事前に探しておくことで、お迎え後の健康診断などをスムーズに受けることができます。
ミニチュア・ピンシャーの子犬をお迎えする際には、以下のグッズを用意しましょう。
- サークルやケージ
- トイレトレー
- 首輪やハーネス
- リード
- 食器
- 給水機
- お迎え先で食べていたフード
- スリッカー・コームブラシ
- ペットヒーター(10~5月の場合)
- 爪切りやシャンプーなどのケア用品
- おもちゃ
- 除菌消臭剤 など
お迎え前には子犬が誤って飲み込んでしまわないよう、床に物はできるだけ置かない環境づくりをかかさないようにしましょう。
寒い時期・暑い時期にお迎えをする場合には、ペットヒーターやエアコンで温度管理をしっかり行ってください。
お迎え当日から3日ほどは、なるべくケージから子犬を出さず環境に慣れてもらいましょう。
初日~1週間はじっくりと様子を見て、その後にスキンシップをとっていくと子犬の愛犬に不安をあまり感じさせずに慣れさせることができます。
また、骨が細いため、着地の際に骨折してしまうことがあります。
ソファーやベッドにペット用階段(スロープ)等を設置する、滑ってしまわないようフロアマットを敷くなどで対策しましょう。
成長期・成犬期のポイント
ミニチュア・ピンシャーを飼育する際には、飼育や食事、運動やしつけなどさまざまなポイントを知っておく必要があります。ここでは、ミニチュア・ピンシャーと暮らしていく上でのポイントを解説します。
【飼育のポイント】
ミニチュア・ピンシャーは、シングルコートの短毛なので寒さに弱いです。
冬に外出するときには服や靴を身につけるなどして寒さから身を守ってあげてください。
子犬のうちから服や靴に慣れさせておくことで、お互いにストレスなく着せることができます。
耳のふちが血行不良になると、組織が壊死してしまう耳介辺縁皮膚症という病気もあります。
スヌードなど、耳を覆うアクセサリーもあるといいでしょう。
【食事のポイント】
ミニチュア・ピンシャーは、小型ですが筋肉量が多い犬種です。
チキンやサーモンなどの動物性タンパク質が多いフードがおすすめです。
タンパク質が27%以上と記載されているフードが一般的に高たんぱくと言われますので、成分表をチェックしましょう。
ミニチュア・ピンシャーは約12カ月で成犬になります。
食事の回数は消化器系の成長に合わせて変えていく必要があります。成長段階に合わせたご飯の回数を表にまとめたので参考にしてください。
~生後6ヶ月 |
4回 |
生後6ヶ月〜1歳 |
2,3回 |
1歳以降 |
2回 |
【運動のポイント】
ミニチュア・ピンシャーは非常に運動量の多い犬種で、走ることが大好きです。
散歩は、駆け足運動などを取り入れて、1日2回、20分/回(1日40分)することが理想です。
個体差がありますが、毎日の散歩を行っても運動が足りずにストレスを感じてしまう子もいます。
定期的にドッグランへなどに通い、思いきり運動させましょう。
【お手入れのポイント】
短毛種のミニチュア・ピンシャーは、短毛のシングルコートのため、お手入れは簡単ですが抜け毛は多いようです。
週に1~2回を目安にラバーブラシや獣毛でブラッシングし、蒸しタオルなどで定期的に体を拭いてあげましょう。
冬場は皮膚の乾燥を防ぐため、保湿スプレー等を活用しましょう。
表にミニチュア・ピンシャーに必要なお手入れをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
ブラッシング |
週に1~2回 |
シャンプー |
月1~2回 |
歯磨き |
毎日 |
爪切り |
月1~2回(爪が伸びていたら) |
耳掃除 |
汚れが気になったら |
【しつけのポイント】
ミニチュア・ピンシャーは賢い犬種ですが、警戒心が強いためインターホンや来客に吠えてしまう可能性があります。
無駄吠えの癖をつけないよう、早いうちからしつけを行いましょう。
関連記事:チャイムに犬が吠える理由は?(ドッグトレーナーによる解説動画付)
生後3~12週の時期は社会化期と呼ばれ、犬が様々な刺激に適応できるようになる期間があります。
この期間に他の人や犬と触れ合わせることで、社交性のある子に育てることができるので、パピーパーティやパピークラスに参加することをおすすめします。
トイレトレーニング |
決められた場所でトイレをできるようにする |
クレートトレーニング |
クレートに入ったまま大人しくできるようにする |
コマンドトレーニング |
「お手」「お座り」「伏せ」などのコマンドをこなせるようにする |
噛み癖のトレーニング |
噛んでよいもの・いけないものの区別できるようにさせる |
吠え癖のトレーニング |
無駄吠えをさせないようにする |
リーダーウォークのトレーニング |
引っ張ることなく、飼い主の横について散歩できるようにする |
まとめ
小さな体でパワフルなミニチュア・ピンシャー。 小型犬でも一緒にアクティブに過ごしたいという方にはぴったりの犬種だと思います。