この記事では、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルを飼おうと考えている方へ、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの特徴や性格、大きさ、値段相場、飼い方のポイントなどをご紹介します。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの特徴
優雅な飾り毛とやさしい顔つきのキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル。 よく似た犬種で「キング・チャールズ・スパニエル」が存在しており、「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」と「キング・チャールズ・スパニエル」は、同じイギリス原産ですが異なる犬種です。 マズルの短い犬と交配したことによりマズルが短くなった「キング・チャールズ・スパニエル」はイギリスの上流階級で愛玩犬として飼われていました。 しかしマズルが短いことによるいびき等の呼吸器の問題により、マズルの長さを元に戻す交配をした犬種が「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」となったようです。 祖先犬がイギリス国王のチャールズ1世・2世に寵愛されたことと、中世の騎士を意味する「キャバリア」が犬種名に入り、「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」という名になりました。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの被毛・抜け毛
JKC(ジャパン・ケンネル・クラブ)によると、ブラック&タン(ツヤのある黒にタン・マーキングが両目の上、両頬、耳の裏側、胸及び脚、尾の裏側にある。白の模様が入らない方が良い)、ルビー(全身が赤毛)、ブレンハイム、トライカラー(黒と白の境目は明瞭で、両目の上、両頬、耳の裏側、脚の内側、尾の裏側にタン・マーキングがある)が認められている毛色です。 ブレンハイムはパーリー・ホワイトを地としてチェスナットブラウン(明るい茶色)が分布したカラーです。 4頭に1頭程、頭頂部にロザンジュと呼ばれるひし形のような斑を持って生まれますが、大変価値が高いとされています。 ダブルコートのため、換毛期には抜け毛が多くなります。 毛は伸び続けないのでトリミングは必要ありませんが、飾り毛が絡まらないよう、日々のブラッシングが欠かせません。 足裏の毛(肉球の間から生えてくる毛)は、フローリングなどで滑ってしまう原因となるため、こまめにカットしましょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格
キャバリアは番犬には向いていないと言う人もいるほど穏やかで落ち着いている子が多いようです。
ほかの犬や子供とも仲良くすることができます。
初めて犬を飼う人でも飼いやすい犬種といえるでしょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの大きさ
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、体高・体重から少し大きく感じるかもしれませんが、小型犬に分類されます。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル 成犬の体高
JKCの規定によると、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの成犬時の体高はオス・メスともに30cm前後が一般的です。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル 成犬の体重
JKCの規定によると、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの成犬時の体重はオス・メスともに5.4~8kgが一般的です。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの値段・価格相場と選び方
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの値段相場は20万~50万円となっています。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの選び方
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの子犬を選ぶときには、以下のポイントをチェックしましょう。
健康体かどうかのチェック |
・毛並みがきれいか ・口の中は綺麗なピンクで噛み合わせが良好か ・目ヤニはなくキレイか ・鼻は湿っているか ・耳の中に異常や異臭はなく綺麗に立っているか ・立ったときの肩や前腕・胸部ががっしりしているか ・お尻の周りが汚れていないか ・不自然な歩き方をしていないか ・抱き上げたときにずっしりした重みがあるか |
性格のチェック |
・元気に遊んでいるか ・遠くから声をかけたときに反応するか ・こちらに対し尻尾を振ってくれるか ・抱っこされたときにおとなしいか |
血統・将来の大きさのチェック |
・遺伝病やデメリットとなる特性を親や祖先・兄妹が持っていないか ・JKC発行の血統証明書はついているか ・数代先までファミリーツリーを確認できるか |
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、先天的に脊髄空洞症(キアリ奇形)を発症しやすい犬種です。
脊椎の中に空洞(水溜まり)ができる病気で、空洞に溜まった液体が脊椎を圧迫し、首の痛みやかゆみ、歩行障害、四肢のしびれなどの症状を引き起こします。
これは遺伝子検査ではわからない症状で、診断するにはMRI検査を行います。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、脊髄空洞症(キアリ奇形)の好発犬種であるため、この症状やほかの病気とも付き合っていく覚悟が必要です。
飼い方のポイント
ここではお迎えからしつけまで解説していきます。
お迎え時のポイント
子犬のお迎えに行く際には、必ずペットシーツを敷いたキャリーケースを用意しましょう。
安全に子犬を運べるよう、子犬の大きさに適した頑丈なキャリーケースを使ってください。
お迎え時には、食事やトイレの仕方、健康診断やマイクロチップの有無など、子犬の現在の状況を聞いておくことを忘れないようにしましょう。
かかりつけになる動物病院を事前に探しておくことで、お迎え後の健康診断などをスムーズに受けることができます。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの子犬をお迎えする際には、以下のグッズを用意しましょう。
- サークルやケージ
- トイレトレー
- 首輪やハーネス
- リード
- 食器
- 給水機
- お迎え先で食べていたフード
- スリッカー・コームブラシ
- ペットヒーター(10~5月の場合)
- 爪切りやシャンプーなどのケア用品
- おもちゃ
- 除菌消臭剤 など
お迎え前には子犬が誤って飲み込んでしまわないよう、床に物はできるだけ置かない環境づくりをかかさないようにしましょう。
寒い時期・暑い時期にお迎えをする場合には、ペットヒーターやエアコンで温度管理をしっかり行ってください。
お迎え当日から3日ほどは、なるべくケージから子犬を出さず環境に慣れてもらいましょう。
初日~1週間はじっくりと様子を見て、その後にスキンシップをとっていくと子犬の愛犬に不安をあまり感じさせずに慣れさせることができます。
成長期・成犬期のポイント
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルを飼育する際には、飼育や食事、運動やしつけなどさまざまなポイントを知っておく必要があります。ここでは、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルと暮らしていく上でのポイントを解説します。
【飼育のポイント】
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、「心臓病」を発症する子が多いです。
「僧帽弁閉鎖不全症」は心臓の弁が正常に機能しなくなり、進行すると呼吸困難に陥る恐れがあります。
キャバリアの場合、シニア期でなくても半数がこの病気にかかると言われていますので、投薬等治療と付き合っていく覚悟が必要です。
また、キャバリアは遺伝的に涙の量が少ないため、目の病気にも注意が必要です。
【食事のポイント】
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、食欲旺盛です。
かわいいからと色々あげすぎてしまうと肥満に繋がりますので気をつけましょう。
毎日のスキンシップでBCS(ボディ・コンディショニング・スコア)をチェックしましょう。
BCS(ボディ・コンディショニング・スコア)の記事:おやつの食べ過ぎは愛犬の肥満の主な原因になる?
また、耳が長く食事の際に汚れてしまわないよう、スヌードや耳が器に入りにくい形状のお皿を用意しましょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは半年前後で成犬の大きさになります。
食事の回数は消化器系の成長に合わせて変えていく必要があります。成長段階に合わせたご飯の回数を表にまとめたので参考にしてください。
~生後6ヶ月半 |
3回 |
生後6ヶ月〜1歳 |
2,3回 |
1歳以降 |
2回 |
【運動のポイント】
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは小型犬ですので、散歩は1日2回、30分/回(1日1時間)で十分であると考えられます。
個体差がありますが、毎日の散歩を行っても運動が足りずにストレスを感じてしまう子もいます。定期的にドッグランへなどに通い、思いきり運動させましょう。
【お手入れのポイント】
ダブルコートのため、換毛期には抜け毛が多くなります。
アンダーコートが多いため、抜け毛は多いでしょう。
毛は伸び続けないのでトリミングは必要ありませんが、飾り毛が絡まらないよう、日々のブラッシングが欠かせません。
足裏の毛(肉球の間から生えてくる毛)は、フローリングなどで滑ってしまう原因となるため、こまめにカットしましょう。
サマーカットをする飼い主も増えているようですが、元々の毛質が変わってしまったり、まだらに生えてきてしまうこともあるので、慎重に判断しましょう。
また、耳が垂れているため、蒸れて外耳炎になりやすいです。こまめに耳の汚れをチェックしましょう。
ブラッシング |
毎日 |
シャンプー |
月1~2回 |
歯磨き |
毎日 |
爪切り |
月1~2回(爪が伸びていたら) |
耳掃除 |
チェックは頻繁に、汚れが気になったら掃除 |
【しつけのポイント】
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは穏やかで賢い犬種のため、しつけはしやすいといわれています。
人といることが好きな犬種のため、人が外出すると寂しがるでしょう。犬だけで留守番するという状況に慣れさせる必要があります。
生後3~12週の時期は社会化期と呼ばれ、犬が様々な刺激に適応できるようになる期間があります。
この期間に他の人や犬と触れ合わせることで、社交性のある子に育てることができるので、パピーパーティやパピークラスに参加することをおすすめします。
関連記事:犬のお留守番の限界は6時間!?
トイレトレーニング |
決められた場所でトイレをできるようにする |
クレートトレーニング |
クレートに入ったまま大人しくできるようにする |
コマンドトレーニング |
「お手」「お座り」「伏せ」などのコマンドをこなせるようにする |
噛み癖のトレーニング |
噛んでよいもの・いけないものの区別できるようにさせる |
吠え癖のトレーニング |
無駄吠えをさせないようにする |
リーダーウォークのトレーニング |
引っ張ることなく、飼い主の横について散歩できるようにする |
まとめ
穏やかで順応性のあるキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル。 優雅な毛並みと飼い主さん大好き!な性格で、素敵なドッグライフを過ごさせてくれるでしょう。