この記事では、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークを飼おうと考えている方へ、コーギーの特徴や性格、大きさ、値段相場、飼い方のポイントなどをご紹介します。コーギー飼育の参考にしてみてください。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの特徴
コーギーには「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の2種類があります。 この記事では「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」について解説します。 きつねのような大きな耳にぷりっとしたお尻、そこからのぞく短い足がかわいいウェルシュ・コーギー・ペンブローク。 ほとんどの人が想像する「コーギー」とは「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」です。 そして2022年に死去したイギリスの女王、エリザベス2世に愛された犬種でもあります。 エリザベス女王に飼われたコーギーは「ロイヤルコーギー」とも言われました。
ウェールズのペンブロークシャーにいた犬のため、「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と名づけられましたが、起源は諸説あるようです。
有力な説の一つが、1107年頃、当時のヘンリー1世が招致したチャネル諸島の人が連れて来たといわれています。
初期は牛追いの牧畜犬としてスピッツ等と交配し、その後ヘンリー2世(在位1154年~1189年)がペットとして飼い始めたことで改良が進み、現在の「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」の形になったようです。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、しっぽがないのも特徴ですが、これは痛覚がまだ発達していないとされる生後10日以内に断尾しています。
理由としては①牧羊犬として働きやすくするため、②節税目的のため、③美容目的のためといわれています。
しかし、動物愛護の意識が強いヨーロッパを中心に、断尾しないよう求める声もあり、最近ではしっぽがあるコーギーもよく見られるようになりました。
関連記事:コーギーの尻尾(しっぽ)を切るのはなぜ?断尾の理由や考え方も解説
「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の違いですが、「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の方が骨太でからだが大きいことが特徴です。
上記のように、「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」の断尾を行わないようになってきているため、見分け方としては体の大きさがポイントとなります。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの被毛・抜け毛
JKC(ジャパン・ケンネル・クラブ)ではレッド、セーブル、フォーン、ブラック・アンド・タンが認められています。 脚、前胸、頸、頭部、顔の白斑は許容されるようです。 ダブルコートのため、換毛期は特に抜け毛が多いです。 通常でも毛が抜けやすいため、服を着せるなどで対策しましょう。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの性格
使役犬であったため、人と共に行動することが好きで、社交的です。活発で遊びが大好きですが、気の強い一面もあるようです。
主な性格の特徴は下記です。
- 天真爛漫
- 好奇心が強い
- 社交的
- 警戒心が強い
- 甘えん坊
- 働き者
- 運動好き
- 賢い など
SNSでもよく見かけるコーギーですが、ニコニコしている子が多く、友好的であるということがよくわかります。
しかし牧羊犬としての気質がある犬種のため、ほかの犬や人と仲良くさせるためには、子犬のころからしつけによるコミュニケーションをおこなっていく必要があります。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの大きさ
コーギー 成犬の体高
コーギーは中型犬に分類されます。JKCの規定によると、コーギーの成犬時の体高はオス・メスともに25~30cmが一般的です。
コーギー 成犬の体重
JKCの規定によると、コーギーの成犬時の体重はオス10~12kg、メス9~11kgが一般的です。
オスとメスで大きな差はないようです。
しかし、食欲旺盛で肥満になりやすい犬種のため、BCS(ボディ・コンディショニング・スコア)も目安に体型チェックをしてあげましょう。
BCSの記事:おやつの食べ過ぎは愛犬の肥満の主な原因になる?
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの値段・価格相場と選び方
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの相場は30万円~40万円程度となっています。
コーギーの選び方
コーギーの子犬を選ぶときには、以下のポイントをチェックしましょう。
健康体かどうかのチェック |
・毛並みがきれいか ・口の中は綺麗なピンクで噛み合わせが良好か ・目ヤニはなくキレイか ・鼻は湿っているか ・耳の中に異常や異臭はなく綺麗に立っているか ・立ったときの肩や前腕・胸部ががっしりしているか ・お尻の周りが汚れていないか ・不自然な歩き方をしていないか ・抱き上げたときにずっしりした重みがあるか |
性格のチェック |
・元気に遊んでいるか ・遠くから声をかけたときに反応するか ・こちらに対し尻尾を振ってくれるか ・抱っこされたときにおとなしいか |
血統・将来の大きさのチェック |
・遺伝病やデメリットとなる特性を親や祖先・兄妹が持っていないか ・JKC発行の血統証明書はついているか ・数代先までファミリーツリーを確認できるか |
コーギーといえば、短い尻尾のイメージがあるかもしれませんが、実はもともと長い尾を持っています。
前述のとおり、牧畜犬であったため様々な理由で断尾されていたのですが、現在では一般家庭に迎え入れられるため、断尾しないブリーダーも増えているようです。
もししっぽがあるコーギーをお迎えしたい方は、断尾をしていないブリーダーさんから迎え入れるか、ブリーダーさんに断尾をしないコーギーを迎えたいと希望を申し入れましょう。
飼い方のポイント
ここではお迎えの際のポイントから、しつけまで解説していきます。
お迎え時のポイント
子犬のお迎えに行く際には、必ずペットシーツを敷いたキャリーケースを用意しましょう。
安全に子犬を運べるよう、子犬の大きさに適した頑丈なキャリーケースを使ってください。
お迎え時には、食事やトイレの仕方、健康診断やマイクロチップの有無など、子犬の現在の状況を聞いておくことを忘れないようにしましょう。
かかりつけになる動物病院を事前に探しておくことで、お迎え後の健康診断などをスムーズに受けることができます。
コーギーの子犬をお迎えする際には、以下のグッズを用意しましょう。
- サークルやケージ
- トイレトレー
- 首輪やハーネス
- リード
- 食器
- 給水機
- お迎え先で食べていたフード
- スリッカー・コームブラシ
- ペットヒーター(10~5月の場合)
- 爪切りやシャンプーなどのケア用品
- おもちゃ
- 除菌消臭剤 など
お迎え前には子犬が誤って飲み込んでしまわないよう、床に物はできるだけ置かない環境づくりをかかさないようにしましょう。
寒い時期・暑い時期にお迎えをする場合には、ペットヒーターやエアコンで温度管理をしっかり行ってください。
お迎え当日から3日ほどは、なるべくケージから子犬を出さず環境に慣れてもらいましょう。
初日~1週間はじっくりと様子を見て、その後にスキンシップをとっていくと子犬の愛犬に不安をあまり感じさせずに慣れさせることができます。
成長期・成犬期のポイント
コーギーを飼育する際には、飼育や食事、運動やしつけなどさまざまなポイントを知っておく必要があります。
ここでは、コーギーと暮らしていく上でのポイントを解説します。
【飼育のポイント】
コーギーは、暑さに弱いです。脚が短いため、夏は地面からの照り返しを体のお腹側全面で受けるため、散歩の時間には注意しましょう。
今はコーギーの胴長体型に合わせた接触冷感素材の服等があるので活用しましょう。
子犬のうちから服や靴に慣れさせておくことで、お互いにストレスなく着せることができます。
また、体型的・遺伝的に椎間板ヘルニアや変性性脊髄症を発症しやすいです。太らせない、家の中の段差を無くす、滑りにくい床材にする等で対策しましょう。
【食事のポイント】
コーギーは太りやすいため、低カロリー・低脂肪・低炭水化物のフードがおすすめです。
主原料が「馬肉」や「鶏肉」等のタンパク質が多いものだとなお良いでしょう。
また、グルコサミンやコンドロイチン等の骨・関節サポート成分が配合されているフードだと関節痛の緩和に役立つでしょう。
コーギーは約12カ月で成犬になります。食事の回数は消化器系の成長に合わせて変えていく必要があります。成長段階に合わせたご飯の回数を表にまとめたので参考にしてください。
~生後6ヶ月半 |
4回 |
生後6ヶ月〜1歳 |
2,3回 |
1歳以降 |
2回 |
【運動のポイント】
コーギーは牧畜犬だったこともあり、運動量が多い犬種です。
散歩は、1日2回、30分/回(1日1時間)することが理想です。
個体差がありますが、毎日の散歩を行っても運動が足りずにストレスを感じてしまう子もいます。定期的にドッグランへなどに通い、思いきり運動させましょう。
【お手入れのポイント】
ダブルコートのコーギーは、1年を通して抜け毛が多いため、毎日のブラッシングが必要です。
スリッカーブラシがおすすめですが、強くブラッシングしないよう気をつけましょう。表にコーギーに必要なお手入れをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
ブラッシング |
毎日 |
シャンプー |
月1~2回 |
歯磨き |
毎日 |
爪切り |
月1~2回(爪が伸びていたら) |
耳掃除 |
汚れが気になったら |
【しつけのポイント】
コーギーは牧畜犬だったころ、家畜の足首やかかとを噛んで追っていました。
そのため、本能的に人の足やズボンの裾を噛んでしまうことがあるようです。エスカレートしないよう、しっかりしつけましょう。
本能による噛みつきや吠えであることが多いので、根気よくしつけることが大切です。
幼いうちからトレーニングを徹底し、飼い主がボスであることを学ばせましょう。
生後3~12週の時期は社会化期と呼ばれ、犬が様々な刺激に適応できるようになる期間があります。
この期間に他の人や犬と触れ合わせることで、社交性のある子に育てることができるので、パピーパーティやパピークラスに参加することをおすすめします。
トイレトレーニング |
決められた場所でトイレをできるようにする |
クレートトレーニング |
クレートに入ったまま大人しくできるようにする |
コマンドトレーニング |
「お手」「お座り」「伏せ」などのコマンドをこなせるようにする |
噛み癖のトレーニング |
噛んでよいもの・いけないものの区別できるようにさせる |
吠え癖のトレーニング |
無駄吠えをさせないようにする |
リーダーウォークのトレーニング |
引っ張ることなく、飼い主の横について散歩できるようにする |
まとめ
食パンみたいなお尻、「コギケツ」で有名なウェルシュ・コーギー・ペンブローク。 魅力的なお尻とニコニコな笑顔で家の中を明るくしてくれるでしょう。