ドイツの国犬として愛されるグレート・デーンをご存じでしょうか? 凛々しい顔つきや、スラリと伸びた体高、引きしまった筋肉が美しい、気品あふれる犬種です。 そのたくましい見た目とは裏腹に、優しくて忠誠心にあふれた性格も魅力です。 今回はそんなグレート・デーンについて、ご紹介していきます。
1. グレート・デーンの特徴
人間の腰の高さほどもある体高と筋骨隆々の引きしまった体つきが目を引く、グレート・デーン。 凛々しい顔つきで、尾は長くスラリと垂れています。 広い歩幅で流れるように歩く姿はとても優雅で、気品にあふれています。 一見近寄りがたい雰囲気ですが、性格はとても優しくしばしば「優しい巨人」といわれます。 愛情深く忍耐強さがあるため、子どもや他のペットとも仲良くできます。 責任感も強いので、家庭犬や護衛犬にも適してた犬種といえます。
2. グレート・デーンの歴史
紀元前3000年頃のエジプトの墓地にもグレート・デーンに似た犬が描かれており、その起源は非常に古いと言われていますが、実際にグレート・デーンが本格的に改良されたのは中世に入ってからともいわれています。 17世紀には「ボア・ハウンド(ボア=イノシシ)」と呼ばれ、ヨーロッパでイノシシ狩りに用いられる犬として活躍していました。 そして、1880年に現在の呼び名が登録されました。 原産国であるドイツでは、その威厳ある容姿から、上流階級のステータスとして人気を博し、現在も国犬として愛され続けています。 ちなみに、世界で最も体高の高い犬(1.035m)として、グレート・デーンがギネスブックに登録されています。
3. グレート・デーンを飼う時の注意点
被毛はとても短く、密生していてツヤがあるため、お手入れは簡単です。 皮膚をマッサージするようにブラッシングする程度です。 ですが、体がとても大きいので体中しっかりとくまなくブラッシングしてあげましょう。 また、体の大きさに見合った充分な運動量が必要です。 散歩は1日2回以上、たっぷりと時間をとって運動量を確保してあげましょう。 しつけに関しては、人懐っこい従順な性格なのでとてもしつけはしやすい犬種とされています。 ただし、体が大きく力も強いので、ただじゃれているだけのことが人を巻き込んだ事故にもつながってしまうこともあります。 ですので、幼少期のうちからしっかりしつけをして忠誠心の強い犬に育てましょう。
4. グレート・デーンがかかりやすい病気
病気の観点からみると、グレート・デーンは「胃拡張症候群」「胃捻転症候群」といわれる緊急性が高い疾患にかかりやすい犬種として知られています。 胃捻転は、体の中で胃がねじれてしまう病気で、グレート・デーンなどの胸腔が大きな犬種で起こりやすく、発見が遅れると最悪の場合は死に至るおそろしい病気です。 息が苦しそうだったり、嘔吐出来なかったりするときは一刻も早く病院へ行きましょう。 予防として胃を体内で固定する手術もあるほどの病気なので、もし、家族として迎え入れた場合は忘れずに覚えておきましょう。
おわりに
凛々しい顔つきと立派な肉体をもつグレート・デーンは、古い歴史のあるドイツの国犬です。 強くたくましい見た目と、とてもやさしく人懐っこいがとても魅力的です。 運動量を充分に確保できる広い場所で、しっかりしつけをして育てることで、品格と威厳を備えた立派なパートナーとなってくれるでしょう。