ドーベルマンは警察犬や軍用犬などとして世界中に知られ、抜群の運動能力と優れたコミュニケーション能力を兼ね備えたドイツを代表する犬です。「ドーベルマン」という名前の由来は1890年頃ドイツに在住していた「ルイス・ドーベルマン氏」が、この犬を創りだしたことからきていると言われています。ドーベルマンの魅力は、なんといっても凛々しく精悍な表情とバランスの取れた無駄のない美しい流線型の体のフォルムといえるでしょう。 今回は、そんな美しくてかっこいいドーベルマンの性格や体の特徴、飼育のポイントなどを説明していきます。
1. ドーベルマンの性格と頭の良さ
一見、怖くて獰猛(どうもう)なイメージがあるドーベルマンですが、実はとても友好的な性格をしており、穏やかで飼い主さんにはとても従順な犬です。そして、人から指示される作業や仕事などに対するコミュニケーション能力はとても高く、全犬種のなかでもボーダーコリーやゴールデンレトリーバーなどに次いで、第5位にランキングされています。
2.ドーベルマンの体の特徴は?
ドーベルマンの体は筋骨のたくましさとむだのない体つきが特徴であり、とくに胸の肋骨がとても発達しています。
1)体のサイズ
純粋犬種の血統書を発行している一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)によると
- 体高(立っているときの地面から背中までの高さ)はオス犬が68㎝~72㎝、メス犬が63㎝~68㎝とされ、ミディアムサイズが望まれます。
- 体重はオス犬が約40㎏~45㎏、メス犬が約32㎏~35㎏とされています。
2)実はもともとドーベルマンは垂れ耳で尻尾が長い
ドーベルマンはもともと垂れ耳で長いしっぽをもつ犬種なのですが、警察犬や軍用犬として働く際に
- 聴覚を鋭くするため
- 噛みつかれてケガをするリスクを抑えるため
に断耳・断尾されてます。
なので、日本人は耳がピンと立っていて、短いしっぽのドーベルマンを想像する方が多いと思われます。しかし、ドーベルマンの原産国であるドイツなどのヨーロッパの国々では、断耳と断尾は動物虐待とみなされ、禁止されています。
3)被毛
ドーベルマンはシングルコート※ で、短く剛毛で体に沿って美しく輝いています。※シングルコート:体温調節をするための被毛が生えておらず、外部の刺激や紫外線から守る被毛の一層しか生えていないコートのこと。
ドーベルマンの毛色は①ブラック・タン②ブラウン・タン③ブルー・タン④イザベラ・タン(茶色がかった灰色)の4つがあります。タンとは日焼けを意味する「suntan」の「tan」からきていると言われており、犬の眉や頬、のど、胸、四肢に日焼けした肌のような褐色のまだら模様が入っていることを指します。
また、ドーベルマンのブルー、イザベラという2色はミスカラーと呼ばれ、これらの色が混ざっていると標準として認められず、正しい犬質を維持するためにミスカラー同士の繁殖は推奨されていません。少数ではありますが、ミスカラーの犬は遺伝的要因による疾患(例.カラーミュータント脱毛症等)を発症する可能性があります。
3. ドーベルマンのお手入れと飼育のポイント
ドーベルマンは毎日のお手入れはとても簡単であり、体を清潔に保つためにやわらかい布やソフトブラシでマッサージをしてあげると良いでしょう。ドーベルマンを飼育するうえで気をつけるべき点は、とにかく活発な犬種なのでたくさんの運動させることであり、毎日しっかりと走ることができる環境(庭やドッグラン)を提供することです。 1日2回、1時間以上の運動が必須です。おすすめは、ドッグランで他の犬たちと思いっきり走ること、ボールなどを用いた運動等です。運動不足によるストレスで、問題行動を起こさせないように注意しましょう。 最後に「しつけ」ですが、少々攻撃的な一面があるため仔犬の時から服従訓練をしっかり行い、主従関係をつくり、知らない人や他の犬に対して、むやみに攻撃させないようにすることが大切です。