その見た目がモップのようなドレッドヘアが特徴のなんとも愛らしいプーリー。 1000年以上にも渡り、ハンガリーで牧羊犬として愛されてきました。 羊の群れに飛び込む勇敢さの他に、賢さ、瞬発力、持久力を兼ね備えた体を持つ、優秀な犬種です。 過去には絶滅の危機があり、家庭犬としてはあまり人気が伸びなかったプーリーですが、たくさん魅力を持っています。 今回はそんなプーリーについて、ご紹介したいと思います。
1. プーリーの特徴
プーリーの一番大きな特徴といえるのが、縄状によじれ密集している被毛です。 密集することで水分が体表に触れることを防いでくれます。 また、保温性にも優れ、冬の寒さの厳しいハンガリーでは、寒さからしっかりと体を守れるこの被毛のため、牧羊犬として重宝されたようです。 このボサボサでモジャモジャな見た目は、ぬいぐるみのような可愛さがあり、このドレッドヘアの奥からのぞくつぶらな瞳はなんとも魅力的ですね。 さらにプーリーは、物覚えがとても良く従順な性格をしています。 勇敢な一面もあり、群から離れた羊の背中に飛びのって方向を変え、群に戻すなど、牧羊犬としての能力は超一級品です。 重そうなドレッドヘアの被毛からは想像できないほどの瞬発力とスピード感があり、持久力があることもこの犬種の特徴の一つです。 体の大きさは成犬で、オスで体高39～45cm・体重13～15㎏、メスで体高36～42cm・体重10～13kgくらいになります。
2. プーリーの歴史
プーリーはハンガリー語で「リーダー」の意味。 10世紀ごろにハンガリーにやってきて以降、俊敏な動きと頭の良さをかわれ、羊の群れを率いるリーダー犬として欠かせない存在となりました。 プーリーは、羊の群れの中にいても分かり易いように黒い被毛の個体が好まれました。 ハンガリーが侵略された16世紀ごろ、他国から多くの牧羊犬が持ち込まれました。 そのせいで、プーリーと持ち込まれた外来犬との交雑が起き、一時的にプーリーは絶滅の危機に陥りましたが、その後は計画的に繁殖が繰り返され、現在までその血は引き継がれています。
3. プーリーを飼う時の注意点
被毛が非常に長く、お手入れが難しいことが一番の注意点です。 毛を引きずりながら激しく運動するため、埃や泥がたくさん付着します。 プーリーの毛は、生え変わりがほとんどないために、ケアをしないと汚れたままになってしまいます。 美しいドレッドヘアを維持するためには、とても入念なブラッシングが欠かせません。 縄状の毛をめくって下毛もしっかりブラッシングする必要もあります。 また、シャンプー後など、湿った状態を放置してしまうと皮膚病が発症しやすいため、しっかり乾燥させて清潔を保つことが大切です。 被毛のお手入れのほかに、プーリーはとても活発な性格なので、毎日の散歩に加え、ストレスが溜まらないよう充分な運動量を確保することが大切になります。
4. まとめ
まるでモップのような被毛で、とてもチャーミングな見た目のプーリー。 ただ可愛いだけでなく、従順で物覚えが良く、瞬発力や持久力に優れているといった牧羊犬としての素質を生まれながらに持っています。 その特徴的なドレッドヘアの被毛のケアはとても大変ですが、プーリーはそれを忘れさせてくれるほどに魅力的な犬種であることに間違いはないでしょう。 日本ではなかなか見かけない珍しい犬種ですが、この記事を読んで興味を持った方は家族に迎える検討をしてみてはいかがでしょうか？
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