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  • 2021/01/04

犬の「甘噛み」についてドッグトレーナーが解説

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飼い主の皆さんが「困ったな」と思う犬の行動の1つに「噛み癖」と言われるものがあります。でも、犬にとっては「癖」ではないのです。なぜなら、噛む前段階では歯を当てるというステップがあり、この歯を当てるという行為には様々な理由があるからなんです。噛むという行為の中にも、本気噛みと甘噛みに大きく分かれます。 今回は、この噛み癖の中の「甘噛み」について解説していきたいと思います。

1. 犬は甘噛みをして学ぶ生き物である

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モノを噛む行為(甘噛み)は、好奇心旺盛な子犬の時期にはよく見られますし、成犬になってもモノを噛む行動は残ります。これは、犬という生き物が口を使ってモノを確認する生き物であるからなのです。 犬は美味しくないモノかどうかは、口に入れてみて、「美味しくない」と判断すれば飲み込むことはありません。しかし、人が「食べちゃダメ!」と取り上げようとすると、「噛んだものは取り上げられる」と学習します。 その結果、急いで飲み込み誤飲や誤食に繋がる子がとても多くなっているのです。少し話は逸れましたが、犬が甘噛みを活用する生き物ということがわかっていただけたかと思います。

2. 犬の甘噛みは大切なこと

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甘噛みと一口に言っても、人によって甘噛みの表現が違っている事が多いです。 例えば、痛くないから甘噛みと言っていたり、子犬の時期に噛んでいるから甘噛みと言う人もいるでしょう。犬は子犬の時期に犬同士のコミュニケーションの中で“噛む強さの加減”を学びます。 そこで、強さを加減し噛むことが「甘噛み」と言われてきました。生後4ヵ月頃までの間に、犬同士がじゃれ合い、噛み合いながら学ぶ為、飼い主に対しても子犬の時期にじゃれて犬同士のコミュニケーションのように口を当てる行為をします。噛む強さの加減を知らない犬は相手を不用意に傷つけてしまいかねませんので、噛む加減を学ぶことはとても重要なのです。

3. 子犬の時期に「甘噛み」の強さを学ぶ

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子犬の時期に「甘噛み」が多いように思われていますが、犬は相手を傷つけないように口を使ってコミュニケーションも取ります。なので、成犬になってからの甘噛みも異常ではありません。 ですが、子犬の時期、乳歯はとても鋭く、噛む力が強いとすぐに相手を傷つけてしまいます。この子犬の時期に噛む強さの加減を学べずに成長してしまうと、相手に怪我を負わせてしまったり、困った行動に繋がってくる可能性があります。ですから、人とのコミュニケーションにおいては、別の行動に置き換えたりしてやめてもらう必要があります。

例えば、
  • 子犬の時期から人の手をおもちゃにして遊ばない
  • 歯が当たってしまった場合は楽しい遊びは中断
  • 歯が手に当たらない大きさのおもちゃを使って遊ぶようにする
など、私たち人間が工夫して、人との遊び方を伝え、レパートリーを増やしていきましょう。
ちなみに、噛む事で満たさせる本能もあるため、知育おもちゃなど、噛ませても良いおもちゃを使い、欲求を満たしつつ、日々の生活環境でも、幼少期は特に管理を徹底し、手を噛ませない他、誤飲などの困った行動に繋がりそうな経験をさせない工夫が必要です。

4. 番外編:かまってほしくて噛む犬には・・・

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甘噛みの延長から、かまって欲しくて歯を当ててアピールしてくる場合があります。歯を当てた時に飼い主さんが遊んであげて、そのことを学習すると、犬が自分に注目して欲しい時にあえて歯を当てて噛むことでアピールする子もいます。怒ってしまうと、これもかまってくれたご褒美として捉えてしまう子も多く、そんな時には人との遊びのルールを伝え直す必要があります。歯を当てても遊んでもらえないとしっかり学習させ、その代わりにどうしたら遊んでもらえるのかを伝えましょう。犬用のロープやおもちゃを持ってきたら、引っ張りっこや投げてもらえるというのも良いでしょう。歯を当てる事が遊びのきっかけにならないように、こちらが遊びの準備をしてからサークルから出して遊びをスタートするのも良いでしょう。

5. 犬の甘噛みについてドッグトレーナーさんの解説

ドッグトレーナーの長根さんに甘噛みについての解説と、甘噛みさせないためのポイントを解説していただきました。日々のトレーニングの参考にぜひご覧ください!

6. 犬の甘噛みは経験の一つ

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子犬の時期の経験や学習が、その後の行動に大きな影響を与えます。愛犬をよく観察し、なんで歯を当てているのかを正しく見極める事が大切です。対応を間違えば、愛犬との関係性が悪化したり、壊れてしまう可能性もあります。 特に子犬の時期は、単に知らないのです。ですから、望ましくない行動は、出来る限り経験・学習させない。望ましい行動をたくさん学習してもらい、犬目線で考えた時に、嬉しい経験になるように工夫しましょう。

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tonton

街でワンちゃんを眺めるのが大好きなアラフォー女子が、コラムに初挑戦! 自身にできる事を模索し、フリーランスに転向。 色々なご縁を大切にワンちゃんたちの幸せを願うドッグトレーナー。

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