犬は基本雑食です。 しかし、なんでも食べていいというわけではありません。 食べたものによっては中毒症状などを引き起こし、最悪の場合死に至ることもあります。 また、成分には問題がなくても、与え方によっては愛犬を危険な目に合わせてしまうこともあります。そんなことにならないために、犬に与えてはいけないものを知っておく必要があります。 今回は、「犬が食べてはいけないもの8つ」をご紹介し、もし食べてしまった時の対処法も説明していきます。
1.犬が食べてはいけないもの8つ
『犬が食べてはいけないもの』を代表的な7つ説明します。
1)ネギ類
ネギ類には、「アリルプロピルジスルフィド」という成分が含まれています。
「アリルプロピルジスルフィド」は犬の赤血球を破壊してしまう作用を持っているため、犬が摂取してしまうと、貧血になり、重度の場合死に至ることがあります。
ネギ類を食べてしまったときの症状として
- 嘔吐
- 血尿
- 下痢
などがあります。
なお、ネギ類は長ネギ、玉ねぎだけではなく、ニラやにんにくなども含まれますので注意してください。 これらの食材は常温(冷蔵庫の外)で保管している方も多いと思いますので、高い棚にいれるといった犬の目に触れない工夫をしましょう。
2)チョコレート
チョコレートの主成分であるカカオには「テオブロミン」という成分が含まれています。
テオブロミンは人間にとっても毒性のある成分です。人は分解する能力が高いためチョコレートを食べても問題はありません。しかし、犬は「テオブロミン」を分解する能力が低いため、毒素として体に蓄積され中毒症状を引き起こすといわれています。
また、チョコレートはテオブロミンの毒性以外にも、糖分過剰摂取・カフェイン摂取になるため、犬にとっては危険な食べ物の一つとなります。
チョコレート中毒の症状として
- 嘔吐
- 下痢
- 痙攣
- 興奮して、吠える
などがあります。
チョコレート中毒は、摂取してから症状が現れるまで時間がかかる特徴があります。
愛犬がチョコレートを食べてしまった場合、症状が出ないからといって放置するのではなく、症状がでていなくてもすぐに動物病院に連絡しましょう。
3)ブドウ、レーズン
ブドウは、犬が食べると中毒症状を発してから急性腎不全を引き起こす食べ物といわれています。
現在でも、ブドウ中毒になってしまうメカニズムはまだ解明されていません。
ブドウ、レーズン中毒の症状として
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
などがあります。
ブドウ中毒は症状が現れるのが早く、食べた数時間後には急性腎不全を引き起こし、1日で死に至ることもあります。犬が食べやすそうなサイズのフルーツだからといって与えてしまう飼い主さんがいますが、ブドウやレーズンは危険な食べ物なので絶対に与えないでください。
4)キシリトール
キシリトールは、実は人間でも多く摂取すると下痢を引き起こす可能性があります。
犬にとっては少量でも有害で、嘔吐や下痢、症状が重い場合は肝不全を引き起こすことがあります。
キシリトールを摂取してしまった時の症状として
- 嘔吐
- 下痢
- 元気がなくなる
などがあります。
ガムなどのキシリトールを含む食べ物は身近にあります。その管理には気を付けましょう。
また、犬の歯磨きの際に人用の歯磨き粉を絶対に使わないでください。人用の歯磨き粉にはキシリトールが含まれているものが多いため、使用すると大変危険です。
犬の歯磨きの際には必ず「犬用」の歯磨き粉を使用しましょう。
5)アルコール
アルコールを摂取すると、人間でも嘔吐・意識朦朧などの症状を引き起こす原因となります。
アルコールは体に吸収されるのが早く、その上人間とは違い、犬はアルコールを分解する酵素を持っていません。
このため、犬がアルコールを摂取してしまうと体にアルコールが急速に蓄積されてしまい、大変危険です。
アルコールを摂取してしまった時の症状として
- 嘔吐
- 酔っぱらったようにふらつく
- 意識朦朧
- 呼吸困難(呼吸が浅くなる)
などがあります。
最近では、新型コロナウイルス感染防止のためにウェットティッシュ(アルコール入り)を使う人が増えました。これにより、ウェットティッシュをおもちゃだと思って口に入れてしまい動物病院にいく場合も少なくありません。お酒だけではなく、アルコールが含まれている物にも注意が必要です。
6)マカダミアナッツ
マカダミアナッツは、犬が食べると中毒症状を引き起こし、嘔吐や発熱の原因となる食べ物と言われています。
しかし、マカダミアナッツもブドウと同じく、中毒症状が起きる詳しいメカニズムは解明されていません。
マカダミアナッツ中毒の症状として
- 嘔吐
- 発熱
- 麻痺
- 力が入らない(立てない、横になったままぐったりしている)
などがあります。
マカダミアナッツ以外のナッツ類(ピーナッツ、アーモンド等)は犬が食べても中毒症状を引き起こすわけではありません。
ですが、マカダミアナッツ以外のナッツであっても、犬にとってナッツ類は消化しにくく、消化不良になりやすいものが多いため、与えることはあまりおすすめできません。
7)茹でた鶏の骨
茹でた鶏の骨は、噛み砕いたときに縦に割けて割れるので口の中を傷つけやすく、喉に刺さってしまうことがあります。
生の鶏の骨は尖りにくく、高温加熱(茹でる以外)した骨は崩れやすいため安全といわれています。けれども、万が一のことを考え、鶏の骨は全般的に与えないようにしましょう。
とはいうものの、動物の骨には体に良い栄養が含まれており、噛むことでストレス発散になる効果もあります。愛犬の健康・ストレス発散などのために骨を与えたいという方は、犬用として販売されているものや牛・鹿などの骨を与えるようにしましょう。
8)アボカド
アボカドは人間にとっては健康的な食材なのでついついカラダに良いものと思ってしまいがちですが、「ペルジン」と呼ばれる殺菌作用のある成分が犬にとっては危険な食材です。
食べてしまうと重い中毒症状を引きおこしてしまう可能性があるので注意しましょう。
2.もしも愛犬が食べてはいけないものを食べてしまったら
愛犬が食べてはいけないものを食べないように注意していても、「目を離した隙に食べてしまった!」なんてこともあるかもしれません。そんなときにどうしたらいいのかを順番に説明していきます。
①まずは動物病院に連絡する
動物病院に連絡をすれば、応急処置等を指示してくれます。冷静に話を聞いて、指示に従いましょう。 焦って無理やり自分で吐かせようとする飼い主さんもいらっしゃいますが、かえって危険な場合があるのでやめましょう。
②食べたものの情報をメモする
動物病院に行く前に、より詳しい情報を獣医師に伝えるため ・食べたもの(種類/商品名等) ・食べた量 ・食べた時間 をメモしておきましょう。
③動物病院から帰ってきたら、獣医師からの指示に従って行動をする
動物病院から帰った後は獣医師の指示通りに行動し、愛犬の様子を観察します。 食べてから症状が数日後に出ることもあるので、愛犬の様子がおかしいと思ったら、すぐに動物病院に行くと安心でしょう。
3.犬が食べてはいけないものを知っておこう
人間の普段の生活の中にも、犬が食べてはいけないものは多くあります。 人用に買ったものだとしても犬が食べると危ないものは、愛犬が口にしないようにその管理に注意をしましょう。また、普段からしつけをしておくことで、誤食事故のリスクを減らすことが出来ます。拾い食いをさせない、おもちゃ以外のもので遊ばせないといったしつけは効果的です。 そして、もし愛犬が食べてはいけないものを食べてしまったら、すぐに動物病院に連絡して獣医師の指示に従いましょう。普段から、動物病院への連絡先を控えておくと安心ですよ。