愛犬が人の手、机、椅子の脚などを甘噛みしてしまうことに悩んでいませんか? 子犬であれば、歯が抜け変わる時期に歯のムズムズが気になって甘噛みをすることが多いですね。それ以外には、好奇心で初めて見るものが何か確かめるために甘噛みをすることもあります。 成犬になって甘噛みをしてしまうときは、ストレスが原因であることが多く、放置すると本気で噛むようになる危険性があるので、原因を突き止めて解決する必要があります。 今回は、犬が甘噛みをする4つの理由をと甘噛みをするときの5つの対処法・注意点を説明していきます。
1.犬が甘噛みをする5つの理由
犬が甘噛みをする理由を5つ説明します。 子犬や成犬に関係なく甘噛みをする理由もあるので、愛犬がどの理由に当てはまるものがあるか確認してみてください。
1)歯がムズムズする
犬の歯は生後5~7ヶ月ごろに乳歯が抜けて、生後12ヶ月頃には永久歯が生え揃います。
歯が生え変わる時期は、歯が抜ける感覚が気になったり、歯茎がムズムズしたりして、飼い主さんの手や机・椅子の脚を噛んでしまうことがあります。
2)習性や遊び
犬が服の袖を噛んだり、雑巾をかけているときにじゃれてカプッとすることがあります。
犬はひらひらしているものや動くものを追いかけたい、捕まえたいという本能があるため、飛びつくこと、噛むことは犬の習性であり、遊びの一環です。
また、生後4ヵ月頃までの間に、犬同士でじゃれ合い、噛み合いながら学ぶ為、飼い主に対しても子犬の時期にじゃれて犬同士のコミュニケーションのように口を当てる行為をします。
噛む強さの加減を知らない犬は相手を不用意に傷つけてしまいかねませんので、噛む加減を学ぶことはとても重要です。
子犬の時期は乳歯がとても鋭く、噛む力が強いとすぐに相手を傷つけてしまいます。
この子犬の時期に噛む強さの加減を学べずに成長してしまうと、相手に怪我を負わせてしまったり、困った行動に繋がってくる可能性があります。
犬は相手を傷つけないように口を使ってコミュニケーションも取ります。
なので、成犬になってからも甘噛みをすることがあります。
人とのコミュニケーションにおいては、別の行動に置き換えたりしてやめてもらう必要があります。
3)暇つぶし・ストレス
家で留守番をしている時間が長く、かまってもらえないとストレスで成犬は暇つぶしに家具などを甘噛みすることがあります。
また、運動不足やコミュニケーション不足で、ストレスが溜まってしまい、それを発散しようとして、人の手や家具などを噛むことがあります。
ストレスによる甘噛みは、放置すると犬が自身の手や足を噛むようになり、出血・皮膚の炎症になることがあります。ですから、このようなことが思い浮かぶようであれば、すぐに散歩や留守番の時間を見直しましょう。
4)触ってほしくない
なでられることが好き、スキンシップをしたいと思っている犬は多いです。
しかし、犬には触られたくないところがあります。
犬が触られることを嫌がることが多い場所は、鼻、足先、お腹、しっぽの先など、主に体の先端の部分です。触られたくないところを急に触られると、驚いて飼い主さんの手を甘噛みすることがあります。
5)甘噛みをして確認している
モノを噛む行為(甘噛み)は、好奇心旺盛な子犬の時期にはよく見られますし、成犬になってもモノを噛む行動は残ります。
これは、犬という生き物が口を使ってモノを確認する生き物であるからなのです。
犬は美味しくないモノかどうかは、口に入れてみて、「美味しくない」と判断すれば飲み込むことはありません。
しかし、人が「食べちゃダメ!」と慌てて取り上げようとすると、「噛んだものは取り上げられる」と学習します。
その結果、取られまいと急いで飲み込み誤飲や誤食しまうことが多く見られます。
2.犬が甘噛みをするときの3つの対処法
愛犬が甘噛みをしてしまうときの対処法・注意点を3つ説明します。 子犬や成犬に共通して行える対処法・注意点なので参考にしてみてください。
1)対処法:おもちゃ・ガム
噛んで遊べるおもちゃで「噛む」という欲求を満足させてあげましょう。
物に噛みついてブンブンと振り回したりすることは、犬としての本能であり、遊びとして行っています。
音が鳴るおもちゃを用意したり、ロープで一緒に遊んだり、愛犬が好きなタイプのおもちゃで思いっきり遊んでもらいましょう。
犬用の歯磨きガムを使えば、甘噛み対策と歯のケアができて一石二鳥になりますね。
また、その際歯が手に当たらない大きさのおもちゃを使って遊ぶようにする、歯が当たってしまった場合は遊びを中断するといった人との遊び方を教えてあげましょう。
子犬の時期から人の手をおもちゃにして遊ばないよう習慣づけることが大切です。
2)対処法:遊ぶ・散歩の時間を増やす
運動不足は、犬の問題行動の一番の原因と言われており、甘噛みなどの噛み癖にも大きく関係しています。
散歩の時間が足りていないようであれば、時間を増やしたり、いつもは通らない道を通って気分転換をさせたりと、運動不足を解消できるようにしてあげましょう。
家を留守にして帰ってきたときは、愛犬も遊びたい・かまってほしいので、おもちゃなどで遊ぶ時間を作ったり、抱っこをしたりしてコミュニケーションを取ってあげてください。
3)対処法:急に触らない
臆病な性格や怒りっぽい性格の犬は、いきなり体を触ってしまうと、「何するの!?」と驚いて、飼い主さんの手をカプッと噛んでしまうことがあります。
人でも後ろから急にタッチされたら驚くこともあると思いますが、これは犬も同じなので、犬から見える位置から触ったり、声をかけてから触ったり抱っこをしてあげたりしてください。
3.犬の甘噛みについてドッグトレーナーさんの解説
ドッグトレーナーの長根さんに甘噛みについての解説と、甘噛みさせないためのポイントを解説していただきました。日々のトレーニングの参考にぜひご覧ください!
4.犬の甘噛みをしっかり対策しよう
甘噛みしたときは、冷静に「ダメ」と伝えてその場を去りましょう。 大きな声で叱ったり、叩いたりしてしまうと、かまってもらえたと勘違いしたり、信頼関係が崩れたりする可能性もあるので逆効果です。甘噛みは相手に危害を加える意図はなく、多くの場合は甘えからくる行動です。 特に子犬の時期は、単純にわからないのです。ですから、望ましくない行動は、出来る限り経験・学習させない。 望ましい行動をたくさん学習してもらい、犬目線で考えた時に、嬉しい経験になるように工夫してあげましょう。 だからと言って、甘噛みを放置すると興奮したときに本気で噛むようになることがあり危険です。なので、甘噛みをしないようしつけなくてはなりませんが、どうしてもしつけることが難しければドッグトレーナー等のプロに相談してみることが必要かもしれませんね。