小腸は栄養の吸収を効率よく行うため、内壁は絨毛という細かな突起で覆われ表面積を広くしている消化の最終段階を司る器官です。 大腸は消化を行わず、細菌による発酵・粘液分泌により糞便の排泄を行います。
1.犬の小腸と大腸の役割・下痢との関連
1) 小腸 小腸は胃から送られてきた‘かゆ状’の食べ物に、膵臓で分泌された膵液と肝臓から分泌された胆汁等が加わって、最後の消化と体内に取り入れられるようになった栄養を吸収するところです。 栄養の吸収を効率よく行うため、内壁は絨毛という細かな突起で覆われていて、表面積を広くしています。 絨毛の中には毛細血管網とリンパ管が通っていて、脂質はリンパ管から吸収され静脈へ、それ以外の栄養分は絨毛の表面にある栄養吸収細胞が素早く吸収し、毛細血管の血液に溶け込んで肝臓へ運ばれます。 2) 大腸 大腸は小腸で栄養が吸収された後の液状の消化物の水分の吸収を行い、その残りカスを大腸にいる細菌によって発酵、分解するところです。 この残りカスに、粘液が混じることで糞便を形成します。 直腸は糞便が排泄されるまで止まる場所になります。
2.腸が原因となる下痢の分類
大腸性下痢と小腸性下痢の特徴等を簡潔にまとめてみました。 便が普段よりも柔らかかったり、色が違ったり、においが違ったり、血が混じっていたり気になった時に読むことをお勧めします。 1) 小腸性下痢とは? ・小腸性下痢は小腸が原因となる下痢で以下の項目が当てはまりやすい下痢です。 ・体重減少が起こりやすい ・ごはんをたくさん食べる ・腸の運動は正常 ・うんちの量が増える ・うんちに血液は混入していないことが多い、もしくは黒い便 ・うんちに粘液(ネバっとした液体)は見られない ・うんちをしたいけどできない様子(しぶり)は見られない 2) 大腸性下痢とは? 大腸性下痢は大腸が原因となる下痢で以下の項目が当てはまりやすい下痢です。 ・うんちをしたいけどできない様子(しぶり)が認められることがある ・脂肪便・未消化物は認められない ・うんちをする回数が増える ・うんちの量は正常もしくは軽度の増加 ・うんちに血液が混入していることがあり、色は鮮やかな赤 ・うんちに粘液(ネバっとした液体)が認められる ・体重の減少は認められない もし、万一あなたのペットちゃんにこれらの症状が見られたのなら、早めに獣医師の診察を受けましょう。