すでに動物福祉の観点から、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、オランダなどで断尾・断耳を制限もしくは禁止する国が出てきています。 日本でも2024年にJKC(ジャパン・ケネル・クラブ)がショードッグの断尾・断耳について発表がありました。
「断尾・断耳」の歴史と今
たくさんの犬種の中には、「断尾・断耳」を行う犬種があります。 昔は、歴史的な問題や清潔な状態を保つため「断尾・断耳」を行う習慣がありました。
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現代の犬たちは、使役犬(狩猟犬や牧羊犬など)としての役割はほとんどなく、清潔な環境で飼育されることが多いため、断尾・断耳の必要性はなくなってきています。
しかし、断尾・断耳をした姿がその犬種のスタンダードとなり、その見た目を維持するために今も断尾・断耳をしています。
断尾を禁止している国でも、例外的に使役犬として働くテリアやスパニエルなどは断尾・断耳は認められていたりと様々ですが、基本的に一般家庭に迎えられる犬のほとんどは「審美目的」での断尾・断耳を行っているのです。
日本のドッグショーの犬種標準変更
2024年にJKC(ジャパン・ケネル・クラブ)がショードッグの断尾・断耳について発表を行いました。
2024年8月1日以降に生まれたドッグショーに出陳するプードルは断尾を認めない
ドッグショーに出陳するスタンダード・プードル、ミディアム・プードル、ミニチュア・プードル、トイ・プードルについては、2024年8月1日以降に生まれた子たちは断尾を認めないという犬種標準の改正がありました。
ただし、これはドッグショーに出るプードルを対象としたものであり、一般家庭に迎えられるプードルの断尾についてはブリーダーの判断になると考えられます。
引用:一般社団法人ジャパンケネルクラブ【ドッグショー出陳者向け】プードルの犬種標準(スタンダード)の改正について
2025年1月1日以降に生まれたドッグショーに出陳するドイツ・イタリア原産11犬種の断尾・断耳は認めない
こちらもドッグショーに出陳するドイツ・イタリア原産11犬種は、2025年1月1日以降に生まれた子たちは断尾・断耳を認めないという犬種標準の改正がありました。
【対象の11犬種】
- ドーベルマン
- ボクサー
- ロットワイラー
- ジャイアント・シュナウザー
- スタンダード・シュナウザー
- ミニチュア・シュナウザー
- ジャーマン・ピンシャー
- ミニチュア・ピンシャー
- ナポリタン・マスティフ
- グレート・デーン
- イタリアン・コルソ・ドッグ
こちらもドッグショーに出る11犬種を対象としたものであり、一般家庭に迎えられる場合についてはブリーダーの判断になると考えられます。
この改正は、断尾・断耳が現在多くの諸外国で禁止や規制がなされていることから、国際畜犬連盟(FCI)より、この11犬種のみを対象にガイドラインが示されたためです。
引用:一般社団法人ジャパンケネルクラブ【注意】ドイツ/イタリア原産11犬種に関する断耳/断尾された犬のドッグ・ショー出陳について
日本ではメジャーなトイ・プードルのもとのしっぽの長さは?
トイ・プードルは日本で一番飼われている犬種です。 そのほとんどの子たちが、生まれてすぐ断尾されていますが、元の長さはどのくらいなのでしょうか? 写真で見比べてみましょう。
断尾している
断尾していない
見た目でもよくわかりますが、断尾していない子のしっぽは先端に向かって細くなっています。
断尾していないしっぽの長さは20cm前後のようです。
トイ・プードルの断尾の今後は?
今回JKCで発表された犬種標準は、ドッグショーに出る子だけが対象です。
私たち一般家庭に迎えられるトイ・プードルの断尾については、ブリーダーの判断に委ねられています。
もし自然なしっぽのトイ・プードルを迎えたい場合は、事前にブリーダーに問い合わせてみると良いでしょう。
また、トリマーにも影響があると考えられます。
今までは断尾されたトイ・プードルがほとんどと思われますが、今後は長いしっぽの子、短いしっぽの子がトリミングサロンを利用するようになると思われます。
今よりもしっぽのカットスタイルが豊富になり、その変化に合わせて新しい技術の習得が必要になるでしょう。
トイ・プードルはもちろん、他の11犬種についても今後に注目ですね。