犬のお仕事は警察犬や盲導犬、介助犬など様々あります。盲導犬などは日常生活の中で見かけることがあるかもしれません。しかし、普段の生活ではなかなか見かけないような犬の仕事もあります。 今回は「モンキードッグ」と呼ばれる珍しい職業を紹介します。
犬のお仕事「モンキードッグ」とは?
農作物を荒らす害獣の中で、猿を追い払うことを目的に訓練された犬がモンキードッグと呼ばれます。 モンキードッグを導入した地域では、追い払いを繰り返し行うことで、農作物被害を大幅に減らすことに成功したそうです。
1)長野県が発祥の新しい犬のお仕事
モンキードッグは2005年に長野県の大町市で生まれた仕事です。 「犬猿の仲」というように、犬を放せば猿を追い払ってくれるのでは? と考えた役場が事業を開始しました。 当初は大町市だけで始まった試みでしたが、現在では20以上の都道府県に広がり、数百頭が活動するまでになったそうです。
2)農作物を荒らす猿を追い払う
モンキードッグの仕事は、猿を追い払うことです。 犬が猿を見つけて追い払うことを繰り返すと、猿も「ここには近づけない」と学習して農地に現れる回数が減ってくるのです。 人や他の動物には迷惑をかけないよう、猿だけに反応する訓練をされています。 モンキードッグを導入した地域では、実際に猿による農作物の被害が大幅に減ったようです。
3)登録と訓練で愛犬をモンキードッグに
農林水産省に申請し、モンキードッグとして必要な資質を身につけると飼い犬をモンキードッグにすることができます。 訓練期間は約5カ月です。猿以外の動物や人間を追い払わず、猿を見つけると反応するように訓練します。 また、猿を追い払う仕事中は放し飼いとなるため、仕事が終わればすぐに戻ってくるように、しつけなければなりません。 向き不向きはありますが、基本的にはどんな犬でもモンキードッグになれるようです。 ある程度の大きさで、元気よく野山を走ることができる体力がある犬なら、モンキードッグとして活躍できるでしょう。
あなたの愛犬も「モンキードッグ」になれるかも?
サルによる農作物の食い荒らしを防ぐために活躍している犬たちがいることをご紹介いたしました。我々が豊かな食生活を送れるのはこのような犬たちのおかげがあるのですね。また、いろいろな適性はあるようですが、モンキードッグになるために犬種の制限などはなく、どんな家庭犬でも訓練次第でなれるようです。 もしかしたら、あなたのワンちゃんもモンキードッグになれるかもしれませんね。 参考記事 https://www.city.omachi.nagano.jp/00010000/00010200/monkey-dog.html