この記事では、シェットランド・シープドッグを飼おうと考えている方へ、シェットランド・シープドッグの特徴や性格、大きさ、値段相場、飼い方のポイントなどをご紹介します。シェットランド・シープドッグ飼育の参考にしてみてください。
シェットランド・シープドッグの特徴
シェットランド・シープドッグはシェルティーと呼ばれ親しまれています。 外見はラフ・コリーと似ていますが、シェルティーの方が小柄です。 シェットランド・シープドッグはイギリス・スコットランド地方のシェットランド諸島原産の牧羊犬です。 土地が痩せている地域のため、家畜が小型化したことに合わせて、シェットランド・シープドッグも小型化していったと言われています。 シェットランド・シープドッグは、家畜が畑や作物を荒らさないように吠えて侵入を防ぐという役割を持っていました。 シェットランド・シープドッグにはイギリスタイプとアメリカタイプが存在し、今日本で見られるのはほとんどがアメリカタイプです。 美しさを求め、豊かな被毛になるよう交配されたタイプです。 1911年にアメリカンケンネルクラブで公認され、日本に初めてシェットランド・シープドッグが渡ってきたのは1955年でした。 犬の歴史としてはバイキング時代(800~1050年)からと長い犬種ですが、1800年代終わりごろにイギリス海軍がイギリス本土に連れ帰るまではシェットランド諸島だけで繁殖されていました。 また、体の大きさについては個体差が非常に大きい犬種と言われています。 19世紀後半、イギリスでラフ・コリーと交配したため、サイズが大きくなった経緯があり、現在は平均して10㎏前後と言われていますが、先祖返りして非常に大きくなる子もいるようです。
シェットランド・シープドッグの被毛・抜け毛
シェルティーはダブルコートです。寒い地域で繁殖してきた犬種のため、寒さに耐えられる豊かな被毛が特徴です。 換毛期はもちろん、1年を通して抜け毛は多いでしょう。 しかし、毛は伸び続けない犬種のため、トリミングサロンでのカットは必須ではありません。 おしり周りや肉球の間の毛などは必要に応じてカットしてあげましょう。 毛色はJKC(ジャパン・ケンネル・クラブ)によるとセーブル、トライカラー、ブルーマール、ブラック&ホワイト/ブラック&タンが認められています。 ・セーブル 薄いゴールドから濃いマホガニー(茶色)までで、明るい茶色か、あるいはシェード(こげ茶)。 口元、胸元、お腹、足元は白。 ・トライカラー ボディはブラックで、濃いタン・マーキングが好ましい。 口元、胸元、お腹、足元は白。 ・ブルーマール シルバー・ブルーで、大理石のようにブラックが散らばっている。 濃いタン・マーキングが望ましいが、なくても欠点とはみなされない。 上毛または下毛に大きなブラックの斑や褪せた色が見られるものは好ましくない。全体的な色調はブルーである。 ・ブラック&ホワイト/ブラック&タン 全体的にブラックで、口元、胸元、お腹、足元は白。タン・マーキングが入っている。 また、耳の上1/3あたりから折れている方がシェルティーらしいということで、生後50日頃からセミプリックイヤー(半立ちの耳)にする「耳セット」をする飼い主さんもいます。 ショードッグとしてはセミプリックイヤーの方が好ましいかもしれませんが、耳セットは軟骨の形を変える作業のため、犬にとっても飼い主にとっても大変な作業となるようです。
シェットランド・シープドッグの性格
聞き分けがよく飼い主に忠実、物覚えも良いです。
遊ぶことが大好きで活発な犬種なので、ドッグスポーツやおもちゃを探す等頭を使う遊びも好みます。
牧羊犬として活躍していた歴史から、見知らぬ人や車、自転車等に吠えてしまうこともあります。
シェットランド・シープドッグの大きさ
シェットランド・シープドッグ 成犬の体高
JKCの規定によると、シェットランド・シープドッグの成犬時の体高はオス37cm(±2.5cmまで)、メス35.5cm(±2.5cmまで)が一般的です。
シェットランド・シープドッグ 成犬の体重
JKCの規定によると、シェットランド・シープドッグの成犬時の体重はオス9~12kg、メス8~11kgが一般的です。
小型犬に分類されますが、上記はショーに出陳する際の基準のため、これよりも大きくなったり小さいままだったりと、個体差がある犬種です。
一般家庭での飼育についてはBCS(ボディ・コンディショニング・スコア)を目安にした方が良いでしょう。
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シェットランド・シープドッグの値段・価格相場と選び方
シェットランド・シープドッグの値段相場は25万~40万円となっています。
シェットランド・シープドッグの選び方
シェットランド・シープドッグの子犬を選ぶときには、以下のポイントをチェックしましょう。
健康体かどうかのチェック |
・毛並みがきれいか ・口の中は綺麗なピンクで噛み合わせが良好か ・目ヤニはなくキレイか ・鼻は湿っているか ・耳の中に異常や異臭はなく綺麗か ・立ったときの肩や前腕・胸部ががっしりしているか ・お尻の周りが汚れていないか ・不自然な歩き方をしていないか ・抱き上げたときにずっしりした重みがあるか |
性格のチェック |
・元気に遊んでいるか ・遠くから声をかけたときに反応するか ・こちらに対し尻尾を振ってくれるか ・抱っこされたときにおとなしいか |
血統・将来の大きさのチェック |
・遺伝病やデメリットとなる特性を親や祖先・兄妹が持っていないか ・JKC発行の血統証明書はついているか ・数代先までファミリーツリーを確認できるか |
飼い方のポイント
ここではお迎えからしつけまで解説していきます。
お迎え時のポイント
子犬のお迎えに行く際には、必ずペットシーツを敷いたキャリーケースを用意しましょう。
安全に子犬を運べるよう、子犬の大きさに適した頑丈なキャリーケースを使ってください。
お迎え時には、食事やトイレの仕方、健康診断やマイクロチップの有無など、子犬の現在の状況を聞いておくことを忘れないようにしましょう。
かかりつけになる動物病院を事前に探しておくことで、お迎え後の健康診断などをスムーズに受けることができます。
シェットランド・シープドッグの子犬をお迎えする際には、以下のグッズを用意しましょう。
- サークルやケージ
- トイレトレー
- 首輪やハーネス
- リード
- 食器
- 給水機
- お迎え先で食べていたフード
- スリッカー・コームブラシ
- ペットヒーター(10~5月の場合)
- 爪切りやシャンプーなどのケア用品
- おもちゃ
- 除菌消臭剤 など
お迎え前には子犬が誤って飲み込んでしまわないよう、床に物はできるだけ置かない環境づくりをかかさないようにしましょう。
寒い時期・暑い時期にお迎えをする場合には、ペットヒーターやエアコンで温度管理をしっかり行ってください。
お迎え当日から3日ほどは、なるべくケージから子犬を出さず環境に慣れてもらいましょう。
初日~1週間はじっくりと様子を見て、その後にスキンシップをとっていくと子犬の愛犬に不安をあまり感じさせずに慣れさせることができます。
成長期・成犬期のポイント
シェットランド・シープドッグを飼育する際には、飼育や食事、運動やしつけなどさまざまなポイントを知っておく必要があります。
ここでは、シェットランド・シープドッグと暮らしていく上でのポイントを解説します。
【飼育のポイント】
シェットランド・シープドッグは、コリーアイ症候群(コリー眼異常)の好発犬種です。
コリー系の犬種に見られる遺伝性の病気で、眼の中の脈絡膜という組織の発達異常や、眼底の血管の異常が見られます。
ものにぶつかったり、目が見えていないような行動が見られた場合は、すぐに獣医師に診てもらいましょう。
【食事のポイント】
シェットランド・シープドッグは毛量が非常に多いため、体型の変化が見えづらいです。
毎日のスキンシップでボディラインを確認したり、頻繫に体重を図るようにしましょう。
もし食事を変えていないのに太ってしまうようなことがあれば、甲状腺機能低下症の疑いがあるため、獣医師に相談しましょう。
シェットランド・シープドッグは約12カ月で成犬になります。
食事の回数は消化器系の成長に合わせて変えていく必要があります。成長段階に合わせたご飯の回数を表にまとめたので参考にしてください。
~生後6ヶ月 |
4回 |
生後6ヶ月〜1歳 |
2,3回 |
1歳以降 |
2回 |
【運動のポイント】
シェットランド・シープドッグは非常に運動量の多い犬種です。
散歩は、駆け足運動などを取り入れて、1日2回、30分/回(1日1時間)することが理想です。
個体差がありますが、毎日の散歩を行っても運動が足りずにストレスを感じてしまう子もいます。定期的にドッグランへなどに通い、思いきり運動させましょう。
また、頭を使う遊びも好きなので、ノーズワークやおもちゃを隠して探させるような遊びも喜ぶでしょう。
【お手入れのポイント】
長毛種のシェットランド・シープドッグは、ダブルコートのため毎日のお手入れは必須です。
特に胸元の毛が長く絡まりやすいので、優しくブラッシングしてあげましょう。
毛量が多いので皮膚の状態は意識してチェックしてあげる必要があります。
毛は伸び続けないのでトリミングは必須ではありません。サマーカットをする飼い主さんもいますが、あまり短くカットしすぎると皮膚に紫外線が過剰に当たってしまい、「日光性過敏症」という炎症を起こす可能性があるので、慎重に判断しましょう。
表にシェットランド・シープドッグに必要なお手入れをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
ブラッシング |
毎日 |
シャンプー |
月1~2回 |
歯磨き |
毎日 |
爪切り |
月1~2回(爪が伸びていたら) |
耳掃除 |
汚れが気になったら |
【しつけのポイント】
シェットランド・シープドッグは学習能力が高く従順なので、しつけのしやすい犬種と言われています。
牧羊犬として活躍していたため、車や自転車等、動くものや特定の音に反応し、吠えたり追いかけたりしやすいので、無駄吠えのしつけとリーダーウォークをできるようになると良いでしょう。
生後3~12週の時期は社会化期と呼ばれ、犬が様々な刺激に適応できるようになる期間があります。
この期間に他の人や犬と触れ合わせることで、社交性のある子に育てることができるので、パピーパーティやパピークラスに参加することをおすすめします。
トイレトレーニング |
決められた場所でトイレをできるようにする |
クレートトレーニング |
クレートに入ったまま大人しくできるようにする |
コマンドトレーニング |
「お手」「お座り」「伏せ」などのコマンドをこなせるようにする |
噛み癖のトレーニング |
噛んでよいもの・いけないものの区別できるようにさせる |
吠え癖のトレーニング |
無駄吠えをさせないようにする |
リーダーウォークのトレーニング |
引っ張ることなく、飼い主の横について散歩できるようにする |
まとめ
ふわふわで賢く穏やかなシェットランド・シープドッグ。 運動も大好きなので、ドッグダンスやアジリティも一緒に楽しめるでしょう。