この記事では、ウェルシュ・コーギー・カーディガンを飼おうと考えている方へ、特徴や性格、大きさ、値段相場、飼い方のポイントなどをご紹介します。コーギー飼育の参考にしてみてください。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの特徴
コーギーには「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の2種類があります。 この記事では「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」について解説します。 コーギーというと、2022年に死去したエリザベス女王2世も愛した「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」を想像する人が多いと思いますが、犬の歴史としてはこの「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の方が長いのです。 なじみのある「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」は1107年頃登場したといわれていますが、「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」は紀元前1200年頃、中央アジアのケルト人が、ヨーロッパを経由してイギリスにわたった時に連れてきたと言われています。 ダックスフンドと同じ祖先であるという説もあります。 ウェールズ州のカーディガンシャー地方で飼われていたものが、1925年頃にその存在が認知され、1933年にジョージ6世がペットとして飼っていたことから、世間に広く知られるようになりました。 「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」と「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」の違いは、「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の方が体が大きく骨太、より大きな耳と長いしっぽがあることです。 しかし、動物愛護の観点から「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」の断尾をしないよう求める声が多くなり、しっぽのある「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」が増えてきたため、容姿はとても似ているものとなっています。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの被毛・抜け毛
JKC(ジャパン・ケンネル・クラブ)によると、カラーはブルー・マール、ブリンドル、レッド、セーブル、ブリンドル・ポイントを伴うトライカラー、及びレッド・ポイントを伴うトライカラーが認められています。 ボディや頭部に白の模様が入っていても良いとされていますが、白の面積は少ない方が良いようです。 また、鼻と目のふちは黒でなければいけないとされています。 短毛のダブルコートですので、日頃から抜け毛は多いですが、換毛期は特に抜け毛が多くなる犬種です。毎日のブラッシングが必要です。 通常でも毛が抜けやすいため、服を着せるなどで対策しましょう。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの性格
使役犬であったため、人と共に行動することが好きで、社交的です。活発で遊びが大好きですが、気の強い一面もあるようです。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの大きさ
ウェルシュ・コーギー・カーディガン 成犬の体高
JKCの規定によると、ウェルシュ・コーギー・カーディガンの成犬時の体高はオス・メスともに30cmが一般的です。
ウェルシュ・コーギー・カーディガン 成犬の体重
JKCの規定によると、ウェルシュ・コーギー・カーディガンの成犬時の体重は明確な基準はなく、全体的にバランスがとれているかが重要なようです。中型犬に分類されるので、平均は11kg~17kgと考えられます。
BCS(ボディ・コンディショニング・スコア)を目安にバランスのいい体型であるかをチェックをしてあげましょう。
BCSの記事:おやつの食べ過ぎは愛犬の肥満の主な原因になる?
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの値段・価格相場と選び方
ウェルシュ・コーギー・カーディガンは、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークよりも日本では頭数が少ないため、ペットショップではなかなか出会えないと思われますので、ブリーダーを探した方が確実でしょう。
ブリーダーにもよりますが、生体価格の平均は25~30万円前後であることが多いようです。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの選び方
コーギーの子犬を選ぶときには、以下のポイントをチェックしましょう。
健康体かどうかのチェック |
・毛並みがきれいか ・口の中は綺麗なピンクで噛み合わせが良好か ・目ヤニはなくキレイか ・鼻は湿っているか ・耳の中に異常や異臭はなく綺麗に立っているか ・立ったときの肩や前腕・胸部ががっしりしているか ・お尻の周りが汚れていないか ・不自然な歩き方をしていないか ・抱き上げたときにずっしりした重みがあるか |
性格のチェック |
・元気に遊んでいるか ・遠くから声をかけたときに反応するか ・こちらに対し尻尾を振ってくれるか ・抱っこされたときにおとなしいか |
血統・将来の大きさのチェック |
・遺伝病やデメリットとなる特性を親や祖先・兄妹が持っていないか ・JKC発行の血統証明書はついているか ・数代先までファミリーツリーを確認できるか |
コーギーといえば、胴長短足の体型です。そのため椎間板ヘルニアや変性性脊髄症(DM)を発症しやすいです。
変性性脊髄症(DM)は10歳くらいから後ろ足が動かなくなり、進行すると前足も同じように動かなくなります。
変性性脊髄症(DM)の原因は解明されていませんが、遺伝的なものではないかといわれているため、遺伝子検査を受けている親犬から産まれた子犬を選ぶとリスクは少なくなるでしょう。
また、ブリーダーさんから直接子犬を迎えるときに、親犬の健康状態を確認しておくのもよいでしょう。
関連記事: 子犬をブリーダーから購入するメリット7選
飼い方のポイント
ここでは、ウェルシュ・コーギー・カーディガンをお迎えするときからしつけまで解説していきます。
お迎え時のポイント
子犬のお迎えに行く際には、必ずペットシーツを敷いたキャリーケースを用意しましょう。
安全に子犬を運べるよう、子犬の大きさに適した頑丈なキャリーケースを使ってください。
お迎え時には、食事やトイレの仕方、健康診断やマイクロチップの有無など、子犬の現在の状況を聞いておくことを忘れないようにしましょう。
かかりつけになる動物病院を事前に探しておくことで、お迎え後の健康診断などをスムーズに受けることができます。
コーギーの子犬をお迎えする際には、以下のグッズを用意しましょう。
- サークルやケージ
- トイレトレー
- 首輪やハーネス
- リード
- 食器
- 給水機
- お迎え先で食べていたフード
- スリッカー・コームブラシ
- ペットヒーター(10~5月の場合)
- 爪切りやシャンプーなどのケア用品
- おもちゃ
- 除菌消臭剤 など
お迎え前には子犬が誤って飲み込んでしまわないよう、床に物はできるだけ置かない環境づくりをかかさないようにしましょう。寒い時期・暑い時期にお迎えをする場合には、ペットヒーターやエアコンで温度管理をしっかり行ってください。
お迎え当日から3日ほどは、なるべくケージから子犬を出さず環境に慣れてもらいましょう。初日~1週間はじっくりと様子を見て、その後にスキンシップをとっていくと子犬の愛犬に不安をあまり感じさせずに慣れさせることができます。
成長期・成犬期のポイント
ウェルシュ・コーギー・カーディガンを飼育する際には、飼育や食事、運動やしつけなどさまざまなポイントを知っておく必要があります。ここでは、ウェルシュ・コーギー・カーディガンと暮らしていく上でのポイントを解説します。
【飼育のポイント】
コーギーは、暑さに弱いです。脚が短いため、夏は地面からの照り返しを体のお腹側全面で受けるため、散歩の時間には注意しましょう。
今はコーギーの胴長体型に合わせた接触冷感素材の服等があるので活用しましょう。
子犬のうちから服や靴に慣れさせておくことで、お互いにストレスなく着せることができます。
また、体型的・遺伝的に椎間板ヘルニアや変性性脊髄症を発症しやすいです。太らせない、家の中の段差を無くす、滑りにくい床材にする等で対策しましょう。
【食事のポイント】
コーギーは太りやすいため、低カロリー・低脂肪・低炭水化物のフードがおすすめです。
主原料が「馬肉」や「鶏肉」等のタンパク質が多いものだとなお良いでしょう。
また、グルコサミンやコンドロイチン等の骨・関節サポート成分が配合されているフードだと関節痛の緩和に役立つでしょう。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンは1年から1年半程で成犬になります。
食事の回数は消化器系の成長に合わせて変えていく必要があります。成長段階に合わせたご飯の回数を表にまとめたので参考にしてください。
~生後6ヶ月半 |
4回 |
生後6ヶ月〜1歳 |
2,3回 |
1歳以降 |
2回 |
【運動のポイント】
ウェルシュ・コーギー・カーディガンは牧畜犬だったこともあり、運動量が多い犬種です。
散歩は、駆け足運動などを取り入れて、1日2回、30分/回(1日1時間)することが理想です。
個体差がありますが、毎日の散歩を行っても運動が足りずにストレスを感じてしまう子もいます。定期的にドッグランへなどに通い、思いきり運動させましょう。
【お手入れのポイント】
短毛のダブルコートであるウェルシュ・コーギー・カーディガンは、年間を通して抜け毛が非常に多いです。毎日ブラッシングしてあげましょう。
毛がふさふさしていますが、基本的にトリミングは不要です。しかし、日本の過酷な暑さをしのぐため、サマーカットをする飼い主もいるようです。
ブラッシング |
毎日 |
シャンプー |
月1~2回 |
歯磨き |
毎日 |
爪切り |
月1~2回(爪が伸びていたら) |
耳掃除 |
汚れが気になったら |
【しつけのポイント】
コーギーは牧畜犬だったころ、家畜の足首やかかとを噛んで追っていました。
そのため、本能的に人の足やズボンの裾を噛んでしまうことがあるようです。エスカレートしないよう、しっかりしつけましょう。
本能による噛みつきや吠えであることが多いので、根気よくしつけることが大切です。
幼いうちからトレーニングを徹底し、飼い主がボスであることを学ばせましょう。
生後3~12週の時期は社会化期と呼ばれ、犬が様々な刺激に適応できるようになる期間があります。
この期間に他の人や犬と触れ合わせることで、社交性のある子に育てることができるので、パピーパーティやパピークラスに参加することをおすすめします。
トイレトレーニング |
決められた場所でトイレをできるようにする |
クレートトレーニング |
クレートに入ったまま大人しくできるようにする |
コマンドトレーニング |
「お手」「お座り」「伏せ」などのコマンドをこなせるようにする |
噛み癖のトレーニング |
噛んでよいもの・いけないものの区別できるようにさせる |
吠え癖のトレーニング |
無駄吠えをさせないようにする |
リーダーウォークのトレーニング |
引っ張ることなく、飼い主の横について散歩できるようにする |
まとめ
胴長短足で、大きな耳とふさふさのしっぽがかわいいウェルシュ・コーギー・カーディガン。 とても体力のある犬種ですので、ドッグスポーツに興味のある人や、アウトドアが好きなひとにおすすめの犬種です。