この記事では、パピヨンを飼おうと考えている方へ、パピヨンの特徴や性格、大きさ、値段相場、飼い方のポイントなどをご紹介します。 パピヨン飼育の参考にしてみてください。
パピヨンの特徴
フランス語で「ちょうちょ」を意味する名がつけられたパピヨンは、小型犬または超小型犬に分類される犬種です。蝶の羽のような大きな立ち耳や細く長い脚、飾り毛のついた長い尻尾などの特徴があり、とても上品な雰囲気を醸し出しています。そんなパピヨンは中世ヨーロッパの貴族たちに愛され、王妃マリー・アントワネットにも寵愛を受けた犬と言われています。 非常に賢く、犬の中でトップクラスの知能の高さだといわれており、性格も人懐っこいので初心者でも飼いやすい犬種だといえるでしょう。
パピヨン 被毛・抜け毛
パピヨンは非常に長いシングルコートが特徴の犬種です。 パピヨンの被毛には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
- 被毛が抜けにくい
- 体臭がダブルコートより少ない
- 犬アレルギーが発生しにくい
デメリット
- 毛が絡まりやすい
- 毛玉ができやすい
- 定期的なトリミングが必要
アレルギーが発生しにくく体臭も少ないです。ダブルコートの犬種に比べると、抜け毛も少なく掃除の手間もあまりかからないでしょう。
ただ、ブラッシングなどの被毛ケアは必要です。パピヨンの細い毛はからまりやすく毛玉ができやすいので、毎日のブラッシングが理想的です。
パピヨンの性格
パピヨンの基本的な性格の特徴は、主に以下のとおりです。
- 友好的
- 聡明
- 活気がある
- 警戒心が強い
- 明朗
- 賢い
- いたずらが好き
- 遊び好き
- 心配性
- 神経質 など
パピヨンは明るく活発で、非常に賢い犬種です。ですから、飼い主の気を引くためわざといたずらをすることもあります。
また、飼い主の気持ちを察知できる聡明なところがあります。飼い主が不安を感じたりイライラしたりすると、それが伝わってストレスをためてしまう繊細なところもあります。
オスの性格
オスのパピヨンは飼い主に対しては甘えん坊ですが、知らない人には吠える警戒心の強い性格です。来客時に吠えないよう、子犬のうちからいろんな人と会わせるなどの社会化トレーニングや吠え癖のしつけをするといいでしょう。
メスの性格
メスのパピヨンは自立心が強く、権勢本能(自分のほうが上だという考え)は強くありません。マイペースで一人の時間を好むため、プライベートスペースを作ってあげるといいでしょう。
パピヨンの大きさ
パピヨンは小型犬または超小型に分類される犬種で、シーズーや狆(ちん)といった犬種と同じような大きさになります。ここでは、パピヨンの大きさを解説します。
パピヨン 成犬の体高
パピヨンの成犬時の体高は28cm以下が一般的です。
JKCの規定では、オス・メスで体高の基準の差はありません。
パピヨン 成犬の体重
パピヨンの成犬時の体重は3kg~5kgが一般的です。
オス・メスで体重に若干の差があります。
オス |
3.6~4.5kg |
メス |
3.2~4.1kg |
JKCでは体重の規定がないため、ボディコンディションスコアなどを用いて体型のチェックをしましょう。
パピヨンの値段・価格相場と選び方
パピヨンの値段相場は、現在20万円~40万円ほどの金額が一般的です。血統や毛色によって、もっと高価格なワンちゃんもいるようです。 パピヨンの価格は、カラーによって値段相場が異なります。 表にカラー5種の相場をまとめたので、お迎えの際の参考にしてください。
レッド |
28~37万円 |
ホワイト&セーブル |
26~29万円 |
トライカラー |
29~34万円 |
ホワイト&ブラウン |
30~39万円 |
ホワイト&ブラック |
37~39万円 |
パピヨンの選び方
パピヨンの子犬を選ぶときには、以下のポイントをチェックしましょう。
健康体かどうかのチェック |
・毛並みがきれいか ・口の中は綺麗なピンクで噛み合わせが良好か ・声掛けや手叩きに反応するか ・目ヤニはなくキレイか ・鼻は湿っているか ・耳の中に異常や異臭はなく綺麗に立っているか ・立ったときの肩や前腕・胸部ががっしりしているか ・お尻の周りが汚れていないか ・不自然な歩き方をしていないか ・抱き上げたときにずっしりした重みがあるか |
性格のチェック |
・元気に遊んでいるか ・遠くから声をかけたときに反応するか ・こちらに対し尻尾を振ってくれるか ・抱っこされたときにおとなしいか |
血統・将来の大きさのチェック |
・遺伝病やデメリットとなる特性を親や祖先・兄妹が持っていないか ・JKC発行の血統証明書はついているか ・数代先までファミリーツリーを確認できるか |
パピヨンの子犬を選ぶ際には、耳がしっかり聞こえているかをまず確認しましょう。この犬種は遺伝性難聴にかかりやすいといわれています。手を叩いたり声をかけたりして、しっかり反応してくれるか見てみるといいでしょう。
また、進行性網膜萎縮症などの遺伝病や、骨格・関節の問題も抱えていることもあります。血統書のファミリーツリーを見る、親犬の様子を見ることが理想的です。
パピヨン 飼い方のポイント
パピヨンは室内で飼うことが基本の犬種です。 ここでは、パピヨンの子犬をお迎え・飼い方のコツ・ポイントをご紹介します。
お迎え時のポイント
子犬のお迎えに行く際には、必ずペットシーツを敷いたキャリーケースを用意しましょう。安全に子犬を運べるよう、子犬の大きさに適した頑丈なキャリーケースを使ってください。お迎え時には、食事やトイレの仕方、健康診断やマイクロチップの有無など、現在の子犬の状況を聞くことを忘れないようにしましょう。かかりつけになる動物病院を事前に探しておくことで、お迎え後の健康診断などをスムーズに受けることができます。
パピヨンの子犬をお迎えする際には、以下のグッズを用意しましょう。
- サークルやケージ
- トイレトレー
- 首輪やハーネス
- リード
- 食器
- 給水機
- お迎え先で食べていたフード
- スリッカー・コームブラシ
- ペットヒーター(10~5月の場合)
- 爪切りやシャンプーなどのケア用品
- おもちゃ
- 除菌消臭剤 など
お迎え前にはパピヨンの子犬が誤飲してしまわないよう、床に物を置かないよう整理整頓しておくことを忘れないようにしましょう。寒い時期・暑い時期にお迎えをする場合には、ペットヒーターやエアコンで温度管理を徹底する必要があります。
お迎え当日から3日ほどは、なるべくケージから子犬を出さず環境に慣れてもらいましょう。初日~1週間はじっくりと様子見を行い、その後にスキンシップをとっていくと子犬に不安をあまり感じさせずに慣れさせることができます。
成長期・成犬期のポイント
パピヨンを飼育するには、飼育や食事、運動やしつけなどさまざまなポイントを知っておく必要があります。ここでは、パピヨンと暮らしていく上でのポイントを説明します。
【飼育のポイント】
パピヨンは非常に骨が細い犬種です。股関節や膝蓋骨が強くないため、滑って怪我をしないよう床にはクッションシートなどを敷きましょう。特に生後1年までは骨が未熟なので、ちょっとした段差から飛び降りたりさせないよう注意しましょう。
【食事のポイント】
パピヨンは約9ヶ月で成犬になります。
食事の回数は成犬になるまでの成長段階に合わせて変えていく必要があります。
2ヶ月半まで |
4回 |
3ヶ月~7ヶ月まで |
3回 |
5~6ヶ月以降 |
2,3回 |
成犬 |
2回 |
パピヨンは骨格や関節が弱い犬種なので、カルシウムやミネラル・タンパク質をしっかりとらせましょう。特に骨や関節を支える筋肉の発達が不十分であるとけがの原因となるので、子犬期からタンパク質豊富な食事を与えるべきでしょう。炭水化物が少なく、高カロリー・高タンパク質、ビタミン・ミネラル豊富なベビーフードで子犬の成長をサポートしてあげてください。
【運動のポイント】
パピヨンは非常に活発な犬種で、1日30分~1時間の散歩を必要とします。
パピヨンは気管が細い犬のため首輪を使った散歩はおすすめできません。しつけができているのであれば、ハーネスでの散歩をおすすめします。
走り回ることが好きなので、休日にドッグランなどで思い切り走り回らせるとストレスを発散させられるでしょう。
【お手入れのポイント】
パピヨンの被毛は細く、シングルコートです。毛玉ができやすいため、毎日のブラッシングが理想的です。毛が伸び続ける犬種ではないため、トリミングの必要はありません。トリミングサロンには、毛玉ケアや肉球・肛門周りのケアのために通うのがよいでしょう。
最近の夏は暑いので、愛犬にサマーカットをさせる飼い主さんが多いです。このときに必要以上に毛をカットしてしまうと、愛犬の肌を紫外線で痛めることがあります。犬の肌は非常にデリケートなので注意しましょう。
表にパピヨンに必要なお手入れをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
ブラッシング |
毎日 |
シャンプー |
月1~2回 |
保湿ケア |
月1~2回(シャンプー時に行う) |
トリミング |
月1回 |
歯磨き |
毎日 |
爪切り |
月1回(爪が伸びたとき) |
耳掃除 |
耳が汚れているとき |
【しつけのポイント】
甘えん坊で賢いパピヨンは、褒めて伸ばすことが向いている犬種です。トイレトレーニングやクレートトレーニング、コマンドレー二ングなどができたら大げさに褒めてあげましょう。
甘噛みや要求の無駄吠えなどには、何も言わず無視して対応するのがよいでしょう。飼い主が注意したつもりでも、犬は「噛んだり、吠えたりすればかまってもらえる」と思ってしまうからです。「この行動をとっても構ってもらえない」と思わせるためにも、基本無視するといいでしょう。
どうしても愛犬を叱らなければいけない場合には、低い声で「ダメ!」と短く叱るようにしてください。
まとめ
蝶のような大きな耳と長い被毛、華奢な身体が特徴のパピヨンは、明るく飼い主になつきやすい愛玩犬です。賢くしつけもしやすいため、初心者でも飼いやすい犬種といえるでしょう。 長くて細い毛をきれいに保つためにも毎日のブラッシングや定期的なシャンプーなどを欠かさないようにしましょう。華奢な見た目ですが、運動がとても大好きです。散歩だけではなくたまにドッグランなどで思い切り走らせてあげましょう。 上品な見た目と元気な性格が魅力のパピヨンとの生活もいかがでしょうか? ぷにぷにPaw(ぽー)では他の犬種についても詳しく解説しております。 ぜひお読みください。