この記事では、ゴールデンレトリーバーを飼おうと考えている方へ、ゴールデンレトリーバーに関する特徴や被毛、性格、大きさ、値段相場、飼い方のポイントなどをご紹介いたします。ゴールデンレトリーバー飼育の参考にしてみてください。
ゴールデンレトリーバーの起源・特徴
ゴールデンレトリーバーは、トゥイードマウス卿によって19世紀半ばにイギリスのスコットランドで作られた犬種です。 トゥイードマウス卿は、雨の多い気候と起伏の多い地形に適した犬を作ろうとして、イエローレトリーバーをツウィード・ウォーター・スパニエル、アイリッシュセッター、ブラッドハウンドと交配させました。 その結果、ゴールデンレトリーバーが生まれたといわれています。 出展:https://www.akc.org/dog-breeds/golden-retriever/ ちなみに、レトリーバーは、回収するという意味をもつ『レトリーブ(retrieve)』からきています。 人が撃ち落とした獲物(鳥など)を回収できるように、走ることと泳ぐことを得意としています。 そして、運動能力の高さに加え、知能も高く、人と一緒にいることを好むため、今では盲導犬や介助犬、セラピー犬などとしても活躍しています。
ゴールデンレトリーバーは、イギリス系とアメリカ系の2種類に分けられ、それぞれ見た目の特徴が大きく異なります。
イギリス系 |
・骨太で筋肉質 ・ゆるくウェーブがかかった被毛 ・色は白っぽいクリーム |
アメリカ系 |
・細身でスタイリッシュ ・柔らかいストレートの被毛 ・明るい金色~茶色みがかった金色の毛色 |
ゴールデンレトリーバーの抜け毛・被毛
ゴールデンレトリーバーはダブルコートの犬種で、春・秋に換毛期があります。
被毛は二層で構成されます。
- 保温効果のあるアンダーコート
- 外部からの刺激を防ぐオーバーコート
抜け毛が多く毛玉もできやすい犬種なので、こまめにブラッシングやシャンプー、トリミングを行い被毛の清潔を保ちましょう。
ゴールデンレトリーバーの性格
ゴールデンレトリーバーの基本的な性格の特徴は、以下の11個です。
- 頼りになる
- 信頼できる
- 優しい
- 友好的
- 自信満々
- 聡明
- 訓練能力が高い
- 水遊びが好き
- 飼い主に忠実
- 穏やか
- おとなしい
ゴールデンレトリーバーは、優しく穏やかで人と一緒にいることを好む犬種です。
大人しく友好的で飼い主にもよく従うため、非常にしつけやすい犬種だといえるでしょう。
オスの性格
ゴールデンレトリーバーのオスは、活発でやんちゃな性格です。
大きな身体でたくさん遊び回ることを好むため、しつけをしっかりしないと、行動のコントロールが難しいかもしれません。
甘えん坊で飼い主に構ってほしそうな素振りを見せることがあります。
もし、すり寄ってきたり、おもちゃをくわえて遊びの催促をしてきたりしたら、思う存分可愛がってあげましょう。
メスの性格
ゴールデンレトリーバーのメスは、オスよりものんびり屋で穏やかな性格のことが多いです。
ひとりでゆったりと過ごす時間を大切にするため、留守番が得意なところもメスの特徴といえるでしょう。
身体が小さくオスより活動量も少ないため、ゴールデンレトリーバーの飼育が初めての方はメスを飼うのがおすすめです。
ゴールデンレトリーバーの大きさ
ゴールデンレトリーバーは大型犬に分類される犬種で、ラブラドールレトリーバーやシベリアンハスキーといった犬種と同じです。 ここでは、ゴールデンレトリーバーの大きさを詳しく解説します。体高・体重を紹介するのでゴールデンレトリーバーをお迎えするときの参考にしてみてください。
ゴールデンレトリーバー 成犬の体高
JKCの登録情報によると、ゴールデンレトリーバーの成犬時の体高は、51cm~61cmが一般的です。体高の基準は、オス・メスで異なります。
オス |
56~61cm |
メス |
51~56cm |
JKCの規定では、体高・体長の均整がとれ、身体のバランスが良いゴールデンレトリーバーが高く評価されます。
ゴールデンレトリーバー 成犬の体重
ゴールデンレトリーバーの成犬時の体重は、24~34kgが一般的です。体重の基準は、オス・メスで異なります。
オス |
29~34kg |
メス |
24~34kg |
JKCの登録情報にはゴールデンレトリーバーの体重に関する目安は登録されていません。体重にはある程度の個体差があると考えるべきでしょう。
ゴールデンレトリーバーの値段・価格相場と選び方
ゴールデンレトリーバーの値段相場は、現在20万円~60万円ほどが一般的です。血統や毛色によって、もっと高価格なワンちゃんもいるようです。 ゴールデンレトリーバーの価格は、イギリス系・アメリカ系かにより大きく変動します。
イギリス系 |
30~60万円 |
アメリカ系 |
10~30万円 |
「ゴールデンレトリーバーの中には黒い個体もいる」と思われている方もいますが、ゴールデンレトリーバーには白・ゴールド・クリームをベースとしたカラーしか存在しません。
黒いレトリーバーは「フラットコーテッドレトリーバー」という別の犬種なので、黒い毛色のレトリーバーを迎えたいという方は、「フラットコーテッドレトリーバー」で調べてみましょう。
ゴールデンレトリーバーの選び方
ゴールデンレトリーバーの子犬を選ぶときには、以下のポイントをチェックしましょう。
健康体かどうかのチェック |
・毛並みがきれいか ・後ろ足や股関節に異常はないか ・耳が小さく、尾が長いシルエットかどうか ・口の中は綺麗なピンクで噛み合わせが良好か ・目ヤニはなくキレイか ・鼻は湿っているか ・耳の中に異常や異臭はないか ・立ったときの肩や前腕・胸部ががっしりしているか ・お尻の周りが汚れていないか ・不自然な歩き方をしていないか ・抱き上げたときにずっしりした重みがあるか |
性格のチェック |
・元気に遊んでいるか ・遠くから声をかけたときに反応するか ・こちらに対し尻尾を振ってくれるか ・抱っこされたときに大人しくしているか |
血統・将来の大きさのチェック |
・遺伝病やデメリットとなる特性を親や祖先・兄妹が持っていないか ・JKC発行の血統証明書はついているか ・数代先までファミリーツリーを確認できるか |
ゴールデンレトリーバーの子犬を選ぶときには、必ず股関節に異常がないかを確認する必要があります。
この犬種は股関節形成不全という病気を発症していることが多いからです。
股関節形成不全は、骨の変形や関節の緩みなどによって、後肢のふらつきや痛みを生じる病気です。
症状によっては手術を必要とする場合もあります。
この病気の過半数は、遺伝によって発症するといわれています。
血統書でファミリーツリーを確認し、遺伝疾患のない親から生まれた子を探すことで、お迎えした犬が遺伝的要因による股関節形成不全を発症する可能性は低くなるといえるでしょう。
ゴールデンレトリーバー 飼い方のポイント
ゴールデンレトリーバーは、室内で飼うことが基本の犬種です。 ここでは、ゴールデンレトリーバーの子犬をお迎えするときの注意点や飼い方のコツ・ポイントをご紹介いたします。
お迎え時のポイント
子犬のお迎えに行く際には、必ずペットシーツを敷いたキャリーケースを用意しましょう。
安全に子犬を運べるよう、子犬の大きさに適した頑丈なキャリーケースを使ってください。
お迎え時には、食事やトイレの仕方、健康診断やマイクロチップの有無など、子犬の現在の状況を聞くことを忘れないようにしましょう。
かかりつけになる動物病院を事前に探しておくことで、お迎え後の健康診断などをスムーズに受けることができます。
ゴールデンレトリーバーの子犬をお迎えする際には、以下のグッズを用意しましょう。
- サークルやケージ
- トイレトレー
- 首輪やハーネス
- リード
- 食器
- 給水機
- お迎え先で食べていたフード
- スリッカー・コームブラシ
- ペットヒーター(10~5月の場合)
- 爪切りやシャンプーなどのケア用品
- おもちゃ
- 除菌消臭剤 など
お迎え前には子犬が誤って飲み込んでしまわないよう、床に物はできるだけ置かない環境づくりをしておくことも重要です。
寒い時期・暑い時期にお迎えをする場合には、ペットヒーターやエアコンで温度管理をしっかり行ってください。
お迎え当日から3日ほどは、なるべくケージからゴールデンレトリーバーを出さず環境に慣れてもらいましょう。
初日~1週間はじっくりと様子見を行い、その後にスキンシップをとると、子犬に不安を感じさせずに慣らすことができます。
成長期・成犬期のポイント
ゴールデンレトリーバーを飼育する際には、飼育や食事、運動やしつけなどさまざまなポイントを知っておく必要があります。
以下では、ゴールデンレトリーバーと暮らしていく上でのいくつかのポイントを徹底解説します。
【飼育のポイント】
ゴールデンレトリーバーは力が強い犬種であり、物や家具を壊す危険性が高いです。
室内にあるものを噛みちぎって飲み込み、誤飲・誤食を引き起こすことがあります。
特に、好奇心旺盛なオス犬ややんちゃな成長期の子犬は、誤飲・誤食してしまうことが多いです。
部屋の入り口にペットゲートを置いて入らせないようにする、愛犬が生活する部屋はできるだけ物を置かないようにするなどの対策をとりましょう。
1歳前後のころは、元気いっぱいで人に跳びかかったり、大きな鳴き声で吠えることがありますので、基本的なしつけを怠らないよう注意しましょう。
【食事のポイント】
大型犬のゴールデンレトリーバーは、胃がねじれてしまう胃捻転や腹部にガスがたまる胃拡張を起こしやすい犬種です。
胃捻転を発症すると血流の悪化で胃が壊死し、最悪の場合命を落としかねません。
胃捻転・胃拡張は食後2時間以内の運動をしないことで予防できます。ゴールデンレトリーバーの命を守るためにも、散歩は食前に行いましょう。
ゴールデンレトリーバーは、生まれてから約1年の時間をかけて緩やかに成犬になります。
食事回数は1歳まで1日3~4回、1歳以降は1日2回にするようにしてください。
【運動のポイント】
ゴールデンレトリーバーはもともとワーキングドッグであり、非常にたくさんの運動を必要とします。
毎日の散歩距離は3~5kmに設定し、1日2回(1回1時間)の散歩をさせてあげましょう。
ドッグランや公園などでのボール遊びや引っ張りっこなどの遊びも、ゴールデンレトリーバーは大好きです。
できれば定期的に泳がせてあげると喜ぶでしょう。
身体を動かしながらコミュニケーションをとり、ゴールデンレトリーバーの狩猟本能を満たすようにすると愛犬のストレスを解消することができます。
【お手入れのポイント】
ゴールデンレトリーバーは毛が長く絡まりやすい犬種です。
毎日のブラッシングやシャンプーなどで毛並みを整え、皮膚や毛を清潔に保ちましょう。
目の周りの涙焼けを拭いたり、耳の掃除をしたりするのも大切です。
足裏や指先、肛門周りの部分的な毛のトリミング、爪切りや歯磨きも定期的に行うようにしてください。
ゴールデンレトリーバーの手入れを行う頻度を表にまとめたので、ぜひ参考にしてください。
ブラッシング |
毎日 |
歯磨き |
|
涙焼けのケア |
|
シャンプー |
月1~2回 |
部分的な毛のトリミング |
毛の伸びが気になったとき |
耳掃除 |
汚れが目立ったとき |
爪切り |
爪が伸びているとき |
【しつけのポイント】
ゴールデンレトリーバーは番犬には向かないと言われるほど、吠えることが少ない犬種です。
そして、学習能力が高いため、トイレやコマンドのトレーニングなど、しつけしやすいです。
ただ、力が非常に強いため、引っ張り癖を少なくするリーダーウォークの訓練は重要なしつけです。
散歩中に飼い主を引っ張ること、逆に歩かなくなったりすることを防ぐために、幼いうちから飼い主の横をピタッと歩くようにしつけておきましょう。
特にオスは身体が大きく力も強いので、行動を制御するためのしつけをしっかり行うことが重要です。
まとめ
ゴールデンレトリーバーはイギリス原産の大型犬で、愛情深く優しい性格の持ち主です。 人に従順でしつけも行いやすいため、行動をしっかり制御できれば良きパートナーとなることでしょう。 ゴールデンレトリーバーは大型犬特有の股関節形成不全や胃捻転を発症しやすい犬種です。 お迎え前の血統書確認や食事のタイミング、運動などに気を付けましょう。 手間は少しかかってしまうかもしれませんが、それを補って余るほどの愛くるしい顔をしています。 日々の生活に癒しが欲しい方はぜひ、ゴールデンレトリーバーとの生活を送ってみてはいかがでしょうか。
ぷにぷにPaw(ぽー)では他の犬種についても詳しく解説しております。ご興味のある方はぜひお読みください。