この記事では、柴犬を飼おうと考えている方へ、柴犬に関する特徴、性格、大きさ、値段相場や飼い方のポイントなどを説明していきます。 柴犬飼育のご参考にしてみてください。
柴犬の特徴
柴犬は、日本で縄文時代から飼われていた非常に古い犬種で、国の天然記念物指定の日本犬の一種です。 最近では、海外でも「SHIBA」の呼び名で愛され人気が高まっています。 ピンとした立ち耳、キリッとした顔つき、丸まった愛らしい尻尾が見た目の特徴で、小さいながらも均整の取れた美しい体型をしており、骨格や筋肉が強固に発達しています。 もともと狩猟犬ということもあり、動きも俊敏でたくさん動き回ります。
柴犬の種類
柴犬は4種類に分けられます。
縄文柴 |
・キツネのような顔立ち ・面長で引き締まった体つき |
信州柴 |
・顔に丸みがある ・縄文柴より丸くがっしりしている ・個体数が多い |
山陰柴 |
・尻尾が上向きに立っている ・ほとんど存在しない希少種 |
美濃柴 |
・毛色が全体的に明るい ・非常に珍しくめったにお目にかかれない |
ちなみに、1955年ごろに誕生した「豆柴」は、柴犬を小型化した犬種です。
愛くるしい姿で人気の高い豆柴ですが、JKCの犬種認定を受けていないため、公式の犬種ではありません。
柴犬の抜け毛・被毛
柴犬はダブルコートの短毛種で春・秋に換毛期があります。
柴犬の被毛は2層で構成されています。
- 保温効果のあるアンダーコート
- 外部からの刺激を防ぐオーバーコート
柴犬はアンダーコートの多い犬種であり、特に換毛期には抜け毛が多くなります。抜け毛をケアしないと毛玉ができたり、体臭のもとになったりします。
こまめにブラッシングやシャンプー、トリミングを行い、被毛の清潔を保ちましょう。
柴犬は冬毛のアンダーコートが密になりやすい犬種なので、部屋の温度を低めにする必要があります。
柴犬の性格
柴犬の基本的な性格の特徴は、主に以下の11個です。
- 愛嬌がある
- 鋭敏
- 恐れ知らず
- 飼い主に対する警戒心が薄い
- 知らない人に対する警戒心が強い
- 誠実
- 自信満々
- 我慢強い
- 独立心がある
- 賢く勇敢
- 体を動かすのが好き など
柴犬は飼い主に対し非常に従順な一方、知らない人には吠えたり警戒したりしやすい犬種です。
やや頑固な一面もあるため、順応性の高い子犬の時期からしっかりしつけましょう。
柴犬は毛色による性格の違いが少ない犬種です。カラーによる飼いやすさの違いはないため、迎える時には好きな色の子を選べますね。
オスの性格
柴犬のオスは、メスよりも友好的で飼い主にもなつきやすい子が多いです。
ただ、好奇心が旺盛で、さまざまな物に興味を示しイタズラしてしまう子も多いため注意しましょう。
基本的に穏やかな性格のオスの柴犬ですが、オスの本能から競争心を発揮し、少し凶暴になることもあります。
飼い主や他の人間・犬と上下関係をつけたがるため、しつけによって群れのリーダーは飼い主だと学ばせる必要だといえるでしょう。
メスの性格
柴犬はメスも警戒心が強い犬種で、性格がきついと言われるほど頑固な傾向にあります。
しっかりしつけを行うことで、飼い主に対し非常に誠実な忠犬に育ちます。
群れの順位付けにはこだわらないためしつけがしやすく、メスはオスよりも飼いやすいといわれています。
周囲への警戒をオスより怠らないため、守ってくれるような犬が好きな飼い主さんにはメスの柴犬がおすすめです。
柴犬の大きさ
柴犬は一見中型犬に見えますが、小型犬に分類される犬種で、ミニチュアシュナウザーやジャックラッセルテリアといった犬種と同じような大きさになります。メス・オスで身体の大きさが異なる犬種であり、メスの方がオスよりも小柄です。 ここでは、柴犬の大きさを徹底解説します。 体高・体重を説明するので柴犬をお迎えするときの参考にしてみてください。
柴犬 成犬の体高
柴犬の成犬時の体高は35cm~41cmが一般的です。JKCの規定によると、オス・メスで体高の基準が異なります。
最小体高 |
理想体高 |
最高体高 |
|
オス |
38cm |
39.5cm |
41cm |
メス |
35cm |
36.5cm |
38cm |
柴犬 成犬の体重
柴犬の成犬時の体重は7kg~11kgが一般的です。ただ、オス・メスで体重に差があります。
オス |
9~11kg |
メス |
7~9kg |
JKCでは体重の規定がないため、ボディコンディションスコアなどを用いて体型のチェックをしましょう。
柴犬の値段・価格相場と選び方
柴犬の値段相場は、現在20万円~40万円ほどの金額が一般的です。 血統や毛色によって、もっと高価格なワンちゃんもいるようです。 柴犬の価格は、カラーにより大きく変動します。
以下に主なカラー4種の平均価格を表にまとめたので、お迎えの際の参考にしてください。
カラー |
価格 |
希少度 |
赤(レッド) |
20~25万円 |
低(全体の80%以上) |
黒 |
27~31万円 |
高(全体の10%) |
白 |
27~34万円 |
高(全体の5~10%) |
胡麻色 |
26万円程度 |
非常に高い(全体の1%) |
白はJKC非公認のカラーであり、繫殖をしているブリーダーさんも少ないです。
柴犬の選び方
柴犬の子犬を選ぶときには、以下のポイントをチェックしましょう。
健康体かどうかのチェック |
・毛並みがきれいか ・子犬のころの額段(ストップ)はやや深めか ・口の中は綺麗なピンクで噛み合わせが良好か ・目に目ヤニはなくキレイか ・鼻は湿っているか ・耳の中に異常や異臭はなく綺麗に立っているか ・立ったときの肩や前腕・胸部ががっしりしているか ・お尻の周りが汚れていないか ・不自然な歩き方をしていないか ・抱き上げたときにずっしりした重みがあるか |
性格のチェック |
・元気に遊んでいるか ・遠くから声をかけたときに反応するか ・こちらに対し尻尾を振ってくれるか ・抱っこされたときに大人しいか |
血統・将来の大きさのチェック |
・親や兄妹がどのくらいの大きさに育ったのか ・遺伝病やデメリットとなる特性を親や祖先・兄妹が持っていないか ・JKC発行の血統証明書はついているか ・数代先までファミリーツリーを確認できるか |
柴犬を選ぶ際には、まず血統をしっかり確認しましょう。
柴犬は非常に歴史のある犬種のため、先祖の良い点・欠点が現れやすいです。
血統書でファミリーツリーを確認し、2代・3代前の親犬の特徴や持病などを知っておくことをおすすめします。
なお、豆柴は、JKC発行ではなく豆柴専用の血統書が発行されます。
柴犬の飼い方ポイント
柴犬は、室内で飼うことが基本の犬種です。 ここでは、柴犬の子犬をお迎え時や飼い方のポイントをご紹介いたします。
お迎え時のポイント
子犬のお迎えに行く際には、必ずペットシーツを敷いたキャリーケースを用意しましょう。
安全に子犬を運べるよう、子犬の大きさに適した頑丈なキャリーケースを使ってください。
お迎え時には、食事やトイレをどのようにさせていたか、健康診断やマイクロチップの有無など、現在の子犬の状況を聞くことを忘れないようにしましょう。
かかりつけになる動物病院を事前に探しておくことで、お迎え後の健康診断などをスムーズに受けることができます。
柴犬の子犬をお迎えする際には、以下のグッズを用意しましょう。
- サークルやケージ
- トイレトレー
- 首輪やハーネス
- リード
- 食器
- 給水機
- お迎え先で食べていたフード
- スリッカー・コームブラシ
- ペットヒーター(10~5月の場合)
- 爪切りやシャンプーなどのケア用品
- おもちゃ
- 除菌消臭剤 など
お迎え前には子犬が誤って飲み込んでしまわないよう、床に物はできるだけ置かない環境づくりをしておくことも重要です。
寒い時期・暑い時期にお迎えをする場合には、ペットヒーターやエアコンなどで温度管理をしっかり行ってください。
お迎え当日から3日ほどは、なるべくケージから柴犬を出さず環境に慣れてもらいましょう。
初日~1週間はじっくりと様子を見て、その後、スキンシップをとっていくと子犬に不安をあまり感じさせずに環境に慣れさせることができます。
成長期・成犬期のポイント
柴犬を飼育する際には、飼育や食事、運動やしつけなどさまざまなポイントを把握しておく必要があります。
以下では、柴犬と暮らしていく上でのいくつかポイントを徹底解説します。
【飼育・食事のポイント】
柴犬はテリトリーを大事にする動物で、飼育の際にもパーソナルスペースを必要とします。
飼育の際にはケージなど愛犬だけが入れる居場所を用意し、安心して過ごせるようにしましょう。
柴犬は関節炎、皮膚炎などの病気にかかりやすい傾向にあります。病気を予防するためにも無駄なカロリーを抑え、脂質をおさえた食事を与えてください。
柴犬は生後6ヶ月までの間は急激に成長し、その後7~12ヶ月までの間で緩やかに性成熟します。
生後1年までの間は成長期なので、良質なタンパク質を多く含むフードを与えるといいでしょう。
【運動のポイント】
柴犬は狩猟犬をルーツに持つ筋骨たくましい犬種であり、毎日の散歩は必須です。
全てのワクチン接種が完了した生後4ヶ月以降から、徐々に散歩へと連れ出してあげましょう。
散歩の時間はまず1日20分程度に設定し、その後、柴犬が外の世界に慣れるにつれて時間を増やしていきます。
成長した柴犬には、1回30分程度の散歩を1日2回行うようにしてください。
柴犬は群れでの上下関係を強く意識する犬種です。
散歩の際には、引っ張り癖のコントロールを行い、リーダーウォークを教えましょう。
飼い主さんが主導権を握る (例.飼い主の横にピタッとつかせて歩かせる) ように散歩しましょう。
普段の生活の中でも主従関係をはっきりさせることとしつけがしやすくなります。
【お手入れのポイント】
柴犬は皮膚病・アトピーにかかりやすい犬種のため、お手入れをしっかり行う必要があります。
春・秋の換毛期には毎日、それ以外は週1~2回のブラッシングを行い、清潔な被毛を保ちましょう。
抜け毛が体に残ったままになると、皮膚病や毛玉の原因になります。
毛をほぐすスリッカーやコームなどを使った後に、獣毛ブラシなどで毛並みを整えると皮膚トラブルを予防することができます。
皮膚の弱い柴犬は、過度な手入れをすると逆に肌荒れを起こしがちになります。
シャンプーの適切な頻度は月1~2回、洗浄後はタオルとドライヤーで毛を乾き残しのないようドライングしましょう。
なお、柴犬の皮膚の負担をかけなすぎないために、低刺激または薄めたシャンプーを使うことをおすすめします。
最近ではレーキング(犬の被毛のアンダーコート(下毛)だけを処理するトリミング法)をしてくれるトリミングサロンも増えているようです。
換毛期はおうちでのブラッシングでは間に合わない!という場合は、トリミングサロンに相談してみてもいいかもしれません。
【しつけのポイント】
柴犬は犬の中でも、特にしっかりしたしつけを必要とする犬種です。
生後8週~12週になるまでの「社会化期」にさまざまな刺激に慣らし、順応性の高い柴犬に育てる必要があります。
柴犬に覚えさせておきたいしつけには、以下のようなものがあります。
トイレトレーニング |
決められた場所でトイレをできるようにする |
クレートトレーニング |
クレートに入ったまま大人しくできるようにする |
コマンドトレーニング |
「お手」「お座り」「伏せ」などのコマンドをこなせるようにする |
噛み癖のトレーニング |
噛んでよいもの・いけないものの区別がわかるようにする |
吠え癖のトレーニング |
無駄吠えをさせないようにする |
リーダーウォークのトレーニング |
引っ張ることなく、飼い主の横について散歩をできるようにする |
柴犬は警戒心が強く、自分のものや身体を触られるのを嫌います。
野性味が強く吠える習性もあるため、しつけによって予防しましょう。
まとめ
柴犬は日本犬の中で小さな品種で、小型犬に該当します。 警戒心が高く飼い主に忠実なため、しっかりしつければ良きパートナーとなることでしょう。 カラーバリエーションもあるため、より気に入った見た目のわんちゃんをお迎えすることができます。 柴犬は皮膚炎や関節炎にかかりやすい犬種なので、食事や運動、お手入れを徹底して行う必要があります。 あなたもぜひ、忠誠心の強い柴犬と固い絆で結ばれた暮らしを送ってみてはいかがでしょうか? ぷにぷにPaw(ぽー)では他の犬種についても詳しく解説しております。 ご興味のある方はぜひお読みください。