犬の毛と被毛について

人の髪の毛は1日に約0.３ミリ伸びます。 伸びる速度は頭頂部が最も速く、次いで側頭部と頭の部位により多少の差が発生します（板見,2015）。 つまり1ヶ月に約1センチ伸びるのですが、個人差もあり私の知る限り最速で1ヶ月に2.5センチ伸びる人もいます。

犬の毛はどうでしょうか？ 犬の毛は体全体を覆う被毛と、口周りや目の上などに生える俗称ヒゲとよばれる触毛（洞毛）に分かれます。 この被毛も太い主毛（上毛）と細い副毛（下毛：柴犬などで春などにゴソッと抜ける被毛）の2種類に分かれます。 また、この2種類の被毛がハッキリと別れるもの、ハッキリしないもの、ほとんどが副毛のものなど様々なパターンが存在しています。 このように犬の場合は、人による改良が身体に加えられていることから、被毛の種類や量など個体差（犬種差含む）が人よりも大きいです。 しかし、犬の被毛の伸びる速さについては、あまり差は確認されておらず人と同様の1日に0.3ミリ程度と考えられています。

プードルやマルチーズなど被毛の長くのびる犬種を飼われている方にとって、この被毛の伸び率は被毛のカット時期を決める指標になります。 ペットサロンで綺麗にサッパリとカットしてもらったとき、次はいつ頃カットしようかと迷う飼主さんがいらっしゃいます。 その際は「犬の被毛は1ヶ月に約1センチ伸びる」という知識を基に、目に被毛が接してしまう、肉球を被毛が覆ってしまう、口の中に毛を巻き込んでしまうなどの時期を予測して、そうなる前にカットの予約日を設定することを推奨しています。

最後に犬の耳の中に生える毛「耳毛」について。 犬種により耳の中に大量に被毛が生えるイヌがいます。 代表はミニチュア・シュナウザーとなりプードルなどでも大量に生えるイヌがいます。 この耳毛があることで耳の中に異物が入り込むのを防いでいますが、あまりに大量だと耳の汚れの排出や、耳の通気性の確保が困難になります。 そのため耳毛も定期的なカットが必要になります。 この耳毛、古くは抜いて処理していましたが、近年はカットする方法が犬にも耳にも負担が少ないと推奨されています。

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