• 犬のコラム
  • 2020/09/17

南極観測隊で活躍した樺太犬の魅力

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南極観測のため、一年間を南極大陸で過ごす南極観測隊(2020年現在は第61次隊)。南極観測が開始された当初は、雪上車の性能もそれほど優れたものではなく、南極での移動には犬ぞりが使われていました(第1次隊:1956年~第4次隊:1961年まで)。現在では雪上車の性能向上や、南極の環境保護のため南極への動植物の持ち込みは禁止されていて、犬ぞりでの移動ということはなくなりました。そんな当時の南極観測隊を支える重要なメンバーに、その犬ぞりを引くという重要な役割を担った犬達がいました。 それが「樺太犬」です。 初めて南極の探索に樺太犬を用いたのは、1910年「開南丸」で出港した陸軍軍人の白瀬矗(しらせのぶ)率いる南極探検隊だったとされています。当初、ソリは寒さに強い馬に曳かせる予定でしたが、渡航のために準備できた船が当初の予定より小さくなってしまったため馬を乗せることができず、急遽犬ソリに変更されました。そこで白羽の矢が立ったのが寒さに強く方向感覚に優れた樺太犬だったのです。 この記事では強靭な体力と強い仲間意識をもつ樺太犬の魅力をご紹介します。

樺太犬の魅力:力強さとチームワーク

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南極観測隊で活躍していた樺太犬の魅力を説明していきます。

1) 樺太犬の驚くべき体力

樺太犬は平坦な道であれば、1頭につき20~40キログラムもの荷物を運搬します。 10頭から15頭で一つのチームを組み、合計300~400キログラムの荷物を、1日20~30キロメートル運ぶことができるのです。 観測隊が出発前に行った訓練では、犬ぞりの1日の実働時間は5時間が限界とされていました。 にもかかわらず、実際にはそれ以上に移動することがあったようです。 白瀬隊の犬ぞりでは、28頭の樺太犬が2つのチームに分かれ、5人の隊員とテントや食糧などの荷物、合計約800キログラムを曳いて、南極点を目指したとされています。 往路は激しいブリザードが続くなか、記録では8日間に渡り、283キロメートルもの距離を引いたといわれます。 帰路は食糧などの荷重が減っていたとは言え、同じ距離を3日間(1日100キロメートルほど)で踏破したという記録が残っています。 すごいですね。
また、第1次南極観測隊では犬ぞりと雪上車が併用されたようですが、隊員の調査地点までの移動にはほとんど犬ぞりが使われたそうです。 調査期間中、雪上車での移動は合計約1200㎞程でしたが、犬ぞりでの移動は合計で約1600㎞にもなったそうです。 この数字を見ると、いかに樺太犬たちの活躍が大きかったかわかりますね。


2) 樺太犬の個性を活かした結束力の強いチーム

犬ぞりでは、先導犬は大体の場合一頭であり、続く犬達は先頭のあとを追いかけて走ります。 そのためチームリーダーとなる先導犬は賢く、隊員に従順で指示をよく聞き分けることができる犬が選ばれます。 チームの中には、同じ樺太犬でも様々な個性や性格をもった犬が集まっています。 けんかっ早い犬や臆病な犬、若い犬やベテラン犬、集中力の有無や、右利きや左利きといった特徴までも考慮しながら、犬ぞりのチーム編成や隊列が組まれます。 樺太犬はもともと仲間意識が強く、お互いの欠点を補い合いながらそりを引くことが出来ます。 そのため、より強い結束力が生まれるのです。
ちなみに当時は犬ぞりの掛け声にアイヌ語が使われたようです。 トーは「進め」、カイは「右へ」、チョイは「左へ」、ブラーイは「止まれ」という意味で、そりのドライバーである人間が指示を出し、犬たちを操作したようです。

南極観測隊の樺太犬はチームワークがすごい

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過酷な環境の南極大陸で、隊員や仲間たちと何日間も寝食を共にし、チームを組んでそりを引く樺太犬。彼らの強靭な体力と強い仲間意識を最大限に活かした結束力の強さはワールドカップで活躍した日本のラグビーチームを彷彿させます。まさに"ワン・チーム"ですね。

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子育てのかたわらフリーライターを続けて5年。 ライフスタイル、ファッション、フード、ペット関連の記事が得意です。 雑誌編集経験10年以上。取材・校正などにも対応します。 思いやりと温かみの感じられる記事を心がけています。

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