近年、日本は大地震や台風等による未曾有の災害に見舞われており、その災害現場では自衛隊や消防救助隊などによる懸命な人命救助活動が行われています。 救助の最前線において、救助隊の先頭に立ち人の命を救うため専門的な訓練を積んだ災害救助犬たちの活躍は多くの人たちの知るところとなっています。 この災害救助犬を育成している機関が日本救助犬協会であり、「ボランティアによる災害救助犬の育成」と「犬による幅広い社会貢献」を目的とした団体です。
1.日本救助犬協会の活動を知ろう
ここからは、日本救助犬協会が行っている救助犬の育成と訓練、どれくらい育てているのかを説明します。
1) 救助犬の育成と訓練
日本救助犬協会では、災害発生時に犬の優れた嗅覚を活かし行方不明者の捜索、人命救助をおこなうべく救助犬を育成しており、特別の訓練やさまざまな試験を日々実施しています。
訓練所は千葉県の浦安と埼玉県の富士見の2ヶ所にあり、専門トレーナーの指導のもと常時、災害出動に備え厳しいトレーニングを繰り返し行っているのです。
2) 災害救助犬をどれくらい育てているのか?
まず災害救助犬は、特別な犬種や血統は必要なく一般家庭の飼い犬でも救助と捜索をおこなうための適正があれば、専門訓練を受け救助犬となることができます。
日本救助犬協会では、2019年4月の時点で「救助犬26頭」を育成しており、その間、2004年の中越地震や2011年の東日本大震災、また2014年に発生した広島大規模土砂災害などに出動しているのです。
2.日本救助犬協会は災害救助だけでなく福祉活動も実施
日本救助犬協会は災害救助だけでなく福祉活動も実施しています。
1) 訪問活動犬による社会貢献
協会では人のことが大好きな犬たち「訪問活動犬34頭」の力をかりて、病院や高齢者施設と学校などの教育施設に出向き、高齢者や子供たちと犬の触れ合いの機会を提供しています。
犬と触れ合うことによって高齢者の健康回復や子供たちの情操教育に良い影響を与え、社会貢献を果たしています。
2) 訪問活動犬は小型犬から大型犬までさまざまな犬種が活躍中
福祉施設では、高齢者の方が犬たちの訪問を心待ちにしており、小型犬を膝の上にのせて優しく犬の体を撫でていると精神的に落ち着き、体調が良くなる人がいるそうです。
また子供たちは大型犬と一緒に走り回ったり、じゃれ合ったりなど、犬とのコミュニケーションが学べる機会として喜ばれています。
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