お散歩から帰ってきたときなどに愛犬の足の裏を見たとき、指の間や肉球が赤く腫れていたり膿んでいて驚いたことはありませんか? それはもしかしたら、指間炎と呼ばれる病気かもしれません。 犬の指間炎とは、一体どのような病気なのでしょうか? この記事では、犬の指間炎の原因、症状、治療法や予防法を詳しくまとめました。
1. 犬の指間炎とは?
犬の指間炎とは、何らかの原因で四肢の肉球や指の間に炎症が起こる皮膚疾患です。 主に皮膚病が原因となっていることが多いので、愛犬が皮膚病を持っていたら、特に注意しましょう。
2.犬の指間炎の原因とは?
犬が指間炎を発症する原因は、主に以下の3つが挙げられます。 1)皮膚疾患 2)外傷 3)ストレス ここから、発症する原因についてそれぞれ説明していきます。
1) 皮膚疾患からくる指間炎
最も多い原因は皮膚疾患ですので、その代表的な皮膚疾患をご紹介します。
- 食物アレルギー…先天的な要因で生じる場合もあります。 この場合は、全身に症状が出る事が多いので注意が必要です。 重度の食物アレルギーの場合は、呼吸器症状などのアナフィラキシーショックを伴うおそれがありますので、更に注意が必要です。
- ニキビダニ…ニキビダニとは、皮脂腺などの皮膚の分泌腺に寄生するダニの一種です。 脱毛や、痒みなどを引き起こします。
- 膿皮症…膿皮症は皮膚の細菌感染によって生じる皮膚疾患です。 膿皮症は、別の病気(アレルギーや、アトピーなど)に併発する事が多いです。カサブタ、痒みを生じます。
- 皮膚真菌症…いわゆる「カビ」の繁殖で痒みを生じる皮膚疾患です。 人にうつることがあります。
- 脂漏症…皮脂腺の分泌が過剰になる、新陳代謝が異常に早くなったりする事により、フケや痒みを生じます。
2)外傷による指間炎
高温のアスファルトの上を歩いてやけどになる、指の間に石や木の枝などが入り込む等により、傷ができると、犬はそれらの痛みやかゆみが気になり傷を舐めます。 その結果、雑菌が繁殖してしまうことで炎症が生じます。 夏などの暑い時期には、アスファルトが熱くない早朝や夕方以降に散歩するようにしましょう。 外傷は散歩中にできるものがほとんどなので、散歩後は傷ができていないかを確認し、傷ができていたら動物病院に行きましょう。 炎症が生じる前に対処することが可能です。 因みに、「お手」や「ゴロン」を覚えさせていると傷の確認がしやすくなります。
3)ストレス
犬はストレスがたまると自分の足を執拗に噛んだり舐めたりしてしまうことがあります。この行動が続くと、舐性皮膚炎(しせいひふえん)を起こし、指間炎の原因になります。 根本的に解決するには、ストレスの解消しかありません。 運動不足が原因なのか、飼育環境が原因なのか、見極めていきましょう。
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3. 犬の指間炎の症状
犬が指間炎になった場合には、主に以下のような症状が見られます。 ・赤み、腫れ ・出血 ・膿 ・痛み、痒み 指間炎とは患部が炎症を起こしている状態ですので、赤みや腫れが見られます。 症状が悪化すると、痒みや痛みを伴うため患部を舐めたり引っ掻いたりする動作が見られます。 舐めたり引っ掻いたりすることで、傷から雑菌が入り、また新たな皮膚疾患を招きます。 この連鎖によって、指間炎はどんどんひどくなってしまいます。
4. 犬の指間炎の治療法と予防法
外傷によるものの場合は、早期発見が大切になってきます。 散歩の後に、足裏チェックを定期的に行うようにしましょう。 ケガを発見した場合は、患部を舐めさせない様に、靴下やエリザベスカラーなどを着用することや、細菌が入らないように、消毒薬を使用するなどの処置をしましょう。 皮膚病など原因の疾患がある場合には、指間炎の治療に加え、その疾患の治療をしっかりと行うことが必要です。
愛犬が指間炎にならないためにはこまめな確認が大事
犬の指間炎とは、何らかの原因で指の間や肉球に炎症が起こる病気です。 原因としては外傷や皮膚疾患、ストレス、やけどなどがあげられます。 愛犬が指間炎にならないためには、こまめに足の状態を確認して健康状態を確認することや、ストレスをためない環境作りが大切になります。 症状がすでに出ている場合は、原因となる疾患が潜んでいる可能性も踏まえて、一度、動物病院で検査をするようにしましょう。