人間でも犬でも生涯を健康に過ごせることは、何ものにも代え難いことですが、残念ながら誰もが病気にかかってしまうことがあります。 もし病気にかかったとしても、症状の軽いものであれば簡単な治療ですみますが、重篤な症状であれば、手術が必要なケースもあります。 たとえ重い病気にかからなかったとしても、最近は去勢や避妊手術が発情時のストレスの解消、病気の予防効果という点で有効であるため、手術を受ける犬が増えています。 つまり、健康な犬でも手術を受けることで、より一層健康に過ごすことができるということです。 ところで、手術前には必ず「手術同意書」という書類のやり取りが行われることになっています。 この「手術同意書」とは、どのようなものでしょうか? 今回は、動物病院における「手術同意書」について説明をしていきます。
1.動物病院における手術同意書の内容と目的
動物病院で手術を受ける際に書く「手術同意書」の内容と目的を説明します。
1) 手術同意書の内容
動物病院によって書式に多少の違いがあります。
基本的には、「飼い主の氏名・犬の名前・麻酔方法・合併症の危険性・手術の説明を了承したことの署名欄」は必ず記載するようになっています。
他には、「手術名称・術後管理・手術費用と支払方法・入院期間」などが併記されている同意書もあります。
同意書とは、手術の必要性やそれに伴うリスク、治療方針等を明らかにする書類です。
2) 手術同意書の目的
病気の治療が目的ではありますが、手術を受けるということはリスクも伴います。
獣医師には飼い主へ治療内容やリスク、費用などを丁寧に説明する義務があり、飼い主はそれを理解したのちに、同意か拒否かの意思表示をする必要があります。
これをインフォームドコンセントと呼びますが、その内容を手術同意書という形で書面に残しておくことが重要です。
なぜなら、仮に術後にトラブルが発生した際に、この手術同意書に飼い主の署名があることで、リスクも含めた情報提供を受けてから同意したことの証拠になるからです。
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