この記事では、ヨークシャー・テリアを飼おうと考えている方へ、ヨークシャー・テリアの特徴や性格、大きさ、値段相場、飼い方のポイントなどをご紹介します。ヨークシャー・テリア飼育の参考にしてみてください。
ヨークシャー・テリアの特徴
直毛の優雅な被毛を揺らして歩くヨークシャー・テリア。 被毛を長く伸ばして結んだり、カットしてぬいぐるみのようにしたり、様々なかわいいスタイルが楽しめる犬種です。 ヨーキーという略称でも親しまれています。 イギリス原産の犬で、元々は家屋を荒らすネズミを捕まえるためのテリアらしい活躍をしていました。 しかし、サイズの小ささや被毛の美しさが貴族など上流階級の目に留まり、人気の犬種となりました。 1870年に「ヨークシャー・テリア」の名称が承認され、1882年にイギリスのケネルクラブで公認の犬種となりました。 そこからより小さく、より美しい被毛になるよう改良がされ、「動く宝石」と言われるようになりました。 ヨークシャー・テリアで連想する、被毛を足先まで隠れるほど伸ばすスタイルは、ドッグショーに出場する際の基本スタイルです。 あの長さにするには2~3年かかるうえ、毛が絡まないようラッピング(専用の紙で毛を束にして包んで保護すること)をし続けなければならないので、わんちゃん自身の忍耐力と飼い主さんの手入れの努力によって、あの美しい被毛が保たれているのです。
ヨークシャー・テリアの被毛・抜け毛
被毛はシングルコートで伸び続けます。トリミングサロンの利用や毎日のブラッシングは必要ですが、抜け毛は少ないです。
子犬のころの毛色はブラック・タンですが、成長するにつれてスチールブルーやゴールド、シルバーなど7回ほど変化していきます。
ヨークシャー・テリアの性格
優雅な見た目をしていますが、気質はテリアらしく警戒心が強く勇敢です。 しかし飼い主には甘えん坊で、寂しがる一面もあります。
ヨークシャー・テリアの大きさ
ヨークシャー・テリアは小型犬に分類されます。
JKC(ジャパン・ケンネル・クラブ)に登録されている犬種の中では2番目に小さい犬種です。(1番小さい犬種はチワワ)
ヨークシャー・テリア 成犬の体高
JKCの規定によると、ヨークシャー・テリアの成犬時の体高はオス・メスともに15~18cmが一般的です。
ヨークシャー・テリア 成犬の体重
JKCの規定によると、ヨークシャー・テリアの成犬時の体重はオス・メスともに~3.2kgまでが好ましいとされています。
しかし、犬種の歴史がまだ浅いので、それ以上になる個体もいるようです。
ヨークシャー・テリアの値段・価格相場と選び方
ヨークシャー・テリアの値段相場は20万円~30万円となっています。
ヨークシャー・テリアの選び方
ヨークシャー・テリアの子犬を選ぶときには、以下のポイントをチェックしましょう。
健康体かどうかのチェック |
・毛並みがきれいか ・口の中は綺麗なピンクで噛み合わせが良好か ・目ヤニはなくキレイか ・鼻は湿っているか ・耳の中に異常や異臭はなく綺麗か ・立ったときの肩や前腕・胸部ががっしりしているか ・お尻の周りが汚れていないか ・不自然な歩き方をしていないか ・抱き上げたときにずっしりした重みがあるか |
性格のチェック |
・元気に遊んでいるか ・遠くから声をかけたときに反応するか ・こちらに対し尻尾を振ってくれるか ・抱っこされたときにおとなしいか |
血統・将来の大きさのチェック |
・遺伝病やデメリットとなる特性を親や祖先・兄妹が持っていないか ・JKC発行の血統証明書はついているか ・数代先までファミリーツリーを確認できるか |
飼い方のポイント
お迎え時のポイント
子犬のお迎えに行く際には、必ずペットシーツを敷いたキャリーケースを用意しましょう。
安全に子犬を運べるよう、子犬の大きさに適した頑丈なキャリーケースを使ってください。
お迎え時には、食事やトイレの仕方、健康診断やマイクロチップの有無など、子犬の現在の状況を聞いておくことを忘れないようにしましょう。
かかりつけになる動物病院を事前に探しておくことで、お迎え後の健康診断などをスムーズに受けることができます。
ヨークシャー・テリアの子犬をお迎えする際には、以下のグッズを用意しましょう。
- サークルやケージ
- トイレトレー
- 首輪やハーネス
- リード
- 食器
- 給水機
- お迎え先で食べていたフード
- スリッカー・コームブラシ
- ペットヒーター(10~5月の場合)
- 爪切りやシャンプーなどのケア用品
- おもちゃ
- 除菌消臭剤 など
お迎え前には子犬が誤って飲み込んでしまわないよう、床に物はできるだけ置かない環境づくりをかかさないようにしましょう。
寒い時期・暑い時期にお迎えをする場合には、ペットヒーターやエアコンで温度管理をしっかり行ってください。
お迎え当日から3日ほどは、なるべくケージから子犬を出さず環境に慣れてもらいましょう。
初日~1週間はじっくりと様子を見て、その後にスキンシップをとっていくと子犬の愛犬に不安をあまり感じさせずに慣れさせることができます。
成長期・成犬期のポイント
ヨークシャー・テリアを飼育する際には、飼育や食事、運動やしつけなどさまざまなポイントを知っておく必要があります。ここでは、ヨークシャー・テリアと暮らしていく上でのポイントを解説します。
【飼育のポイント】
ヨークシャー・テリアは、シングルコートで寒さに弱いです。
トリミングで短くカットしている場合は服を着せる等で調節してあげましょう。
子犬のうちから服や靴に慣れさせておくことで、お互いにストレスなく着せることができます。
また、遺伝的に門脈シャント(門脈体循環短絡)という病気を発症しやすいとされています。
消化管で発生した毒素が、門脈がうまく機能せず静脈に入り込んでしまう病気です。
毒素が全身に回ると、嘔吐・下痢などの消化管症状や、痙攣やふらついたりしますので、このような症状が見られたら獣医師に診てもらいましょう。
【食事のポイント】
ヨークシャー・テリアは、消化器の病気が多い犬種です。
腸からタンパク質が漏れ出てしまう「タンパク喪失性腸症」や、慢性腎臓病等がありますので、獣医師に診てもらい、適切なフードを紹介してもらったり、成分の目安を教えてもらうと良いでしょう。
また、口周りの毛を残すカットをしている場合は、食事のあとに拭いてあげましょう。よだれやけや臭いを予防できます。
ヨークシャー・テリアは約10ヶ月で成犬になります。
食事の回数は消化器系の成長に合わせて変えていく必要があります。成長段階に合わせたご飯の回数を表にまとめたので参考にしてください。
~生後6ヶ月 |
4回 |
生後6ヶ月〜1歳 |
2,3回 |
1歳以降 |
2回 |
【運動のポイント】
ヨークシャー・テリアは活発ですが、小型なので散歩は短時間で十分であると考えられます。
1日2回、15分/回(1日30分)することが理想です。
個体差がありますが、毎日の散歩を行っても運動が足りずにストレスを感じてしまう子もいます。定期的にドッグランへなどに通い、思いきり運動させましょう。
【お手入れのポイント】
ヨークシャー・テリアは、毛が伸び続けるのでお手入れは必須です。
被毛を長くしているスタイルの場合は、毛が絡まないようにピンブラシとコームで毎日ブラッシングしましょう。
短めにカットしている場合はソフトタイプのスリッカーブラシとコームを使用しましょう。
表にヨークシャー・テリアに必要なお手入れをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
ブラッシング |
毎日 |
シャンプー |
月1~2回 |
歯磨き |
毎日 |
爪切り |
月1~2回(爪が伸びていたら) |
耳掃除 |
汚れが気になったら |
【しつけのポイント】
ヨークシャー・テリアはトリミングが必要な犬種のため、カットを飼い主さんが行うにしても、トリマーさんにお願いするにしても、全身どこを触っても大丈夫なように慣れさせてあげる必要があります。
早いうちから触られることに慣れるトレーニングを行いましょう。
関連記事:犬に触ろうとすると嫌がる!体を触られることに慣れてもらうトレーニング方法
また、警戒心が強い傾向があるため、吠え癖をつけないようにしましょう。
生後3~12週の時期は社会化期と呼ばれ、犬が様々な刺激に適応できるようになる期間があります。
この期間に他の人や犬と触れ合わせることで、社交性のある子に育てることができるので、パピーパーティやパピークラスに参加することをおすすめします。
トイレトレーニング |
決められた場所でトイレをできるようにする |
クレートトレーニング |
クレートに入ったまま大人しくできるようにする |
コマンドトレーニング |
「お手」「お座り」「伏せ」などのコマンドをこなせるようにする |
噛み癖のトレーニング |
噛んでよいもの・いけないものの区別できるようにさせる |
吠え癖のトレーニング |
無駄吠えをさせないようにする |
リーダーウォークのトレーニング |
引っ張ることなく、飼い主の横について散歩できるようにする |
まとめ
生涯で毛色が7回ほど変化すると言われるヨークシャー・テリア。 自慢の被毛でパピヨンカットやシュナウザーカット、テディベアカットなど、様々なかわいさで楽しませてくれるでしょう。