犬の全身には無数のダニが存在します。 ダニは肉眼ではほとんど見えませんが、犬の顔まわりや首、脇の下、お腹、ときには肺にまで寄生します。 愛犬が激しく頭を振り続けたり、しつこく耳を掻いたりする様子が見られたら、耳にダニがいるかもしれません。 耳の中の耳垢が黒くないか、チェックしてください。 もしたくさん付いていたら、「ミミヒゼンダニ」の可能性が高いです。 これは外耳炎の原因にもなるダニで、激しいかゆみを伴います。ダニが増殖する前に早急に治療をする必要があります。 ミミヒゼンダニについて正しい知識を身につけて、愛犬の耳を「ヒゼンダニ」から守りましょう。
1. 犬の耳の病気「ミミヒゼンダニ感染症」とは?
ミミヒゼンダニ感染症は、別名「耳疥癬(みみかいせん)」とも呼ばれ、犬に発症しやすい病気のひとつです。 このダニをもった他の犬と接触することで感染します。 ミミヒゼンダニは犬の耳の奥に寄生し、卵を産んで、数日から数週間で増殖しはじめます。 感染すると激しいかゆみが生じるとともに、真っ黒な耳垢がたくさん出て、悪臭を放つのが特徴です。
2. ミミヒゼンダニの治療法は?
病院では耳垢を採取し、検査を行います。 ミミヒゼンダニが発見されたら、駆除のための薬剤を、首の後ろや肩甲骨の間などに滴下して治療します。 症状によっては、外耳道へ塗布する場合や皮下に注射することもあります。 投薬すると効き目が出て一時的にダニがいなくなったように見えます。 しかし、いずれの場合も、1回の治療では完治しないことが多いです。 というのも薬が効くのは主に成虫であり、耳の中にヒゼンダニの卵が少量でも残っていると、再び孵化してしまうためです。 よく言われることですが、ダニは目に見えている物は全体の5%といわれています。 完全に駆虫するのには少なくとも3か月はかかるでしょう。完全に駆除できるまで通院を続けましょう。
3. 犬の耳の病気「ミミヒゼンダニ」には注意しよう
犬の耳の痒みの原因になる「ミミヒゼンダニ」についてご理解いただけたでしょうか? ミミヒゼンダニは、他の犬との接触によって感染するため、多頭飼いや多くの犬がいる施設などでは蔓延しやすいです。 感染に気づかないまま他の犬と接触すると、移してしまう可能性がありますので、迷惑をかけないためにもチェックはしっかり行い、感染が疑われる場合は速やかに病院へ行って、他の犬に近づけないことが大切です。
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