フィラリアという病名を聞いたことはありますか? 蚊に刺されることによって、フィラリアという寄生虫が体内に寄生する病気です。 この病気に感染してしまうと、心臓や肺を脅かし、血流障害まで引き起こす恐ろしい病気ですが、投薬で完全に予防できる病気です。 フィラリアに感染しないよう、しっかりと予防しましょう。
1.子犬のフィラリア予防
ここから、フィラリアの感染源や症状、予防について説明していきます。
1) フィラリアの感染源と症状
フィラリアは、蚊に刺されることによって媒介される感染症です。
糸状の寄生虫が犬の心臓や肺に寄生する事で発症します。
初期の症状は、咳・食欲不振・呼吸が荒くなるといったものですが、症状が進むと腹水がたまったり、貧血が見られたりするようになります。
次第に散歩などの運動を嫌がるようになってしまいます。
2) 子犬のフィラリアの予防
①予防する方法
蚊の発生時期に合わせて予防薬を投与することで、フィラリアを100%予防することができます。
フィラリアの予防薬には、飲み薬・注射・スポット(滴下)タイプの3種類があります。
成長過程の子犬の場合は体重の変化があるため、飲み薬かスポットタイプのどちらかから選択することが一般的です。
ここでは子犬のフィラリア予防についての説明のため、飲み薬とスポットタイプを前提としたご説明を致します。
②予防する期間
一般的に、毎年5月から12月まで毎月1回ずつ投薬を行います。
フィラリアの予防薬は、犬の体内に入ったフィラリアの幼虫を殺し、心臓に寄生するのを防ぐ「駆虫」という方法です。
そのため、予防薬は蚊が出始めた1ヵ月後から蚊が出なくなった1ヵ月後まで投与するとされているのです。
蚊を見かけなくなったからと投薬をやめることはとても危険なことです。
③予防薬の種類
予防薬にはいくつか種類があります。
・食べるタイプ(チュアブル・錠剤)
・塗布する液体タイプ
・注射タイプ
食べるタイプの中でも、チュアブルタイプはワンちゃんにとって嗜好性が高く、おやつ感覚で食べてくれるので抵抗なく食べてくれるワンちゃんが多いです。
食べるタイプの予防薬が苦手なワンちゃんには、首の後ろ(舐められない場所)に塗布するタイプの予防薬がおすすめです。
毎月食べさせてあげたり、背中に塗布したりを忘れてしまう飼い主様は、注射タイプで利用される事が多いです。
なぜかというと、注射タイプは1年間予防できるからです。(体重が安定していない仔犬は使用出来ない場合や、予防薬によっては取り扱っていない動物病院もあるので、詳しくはかかりつけの動物病院へご相談下さい)
近年では、フィラリア以外もノミ・ダニ・消化管系の寄生虫なども一緒に予防出来るオールインワンタイプの予防薬もあります。
新しい予防薬も開発され、日々進歩しています。病気の予防、健康管理も飼い主さまの大切な役割になるので、ワンちゃんに適したお薬を選んであげたいですね。
予防薬の種類によっては動物病院に在庫を置いていない場合もありますので、希望する予防薬を置いているかは、直接かかりつけの動物病院へ確認しましょう。
2.予防を開始する時期
この投薬が必要な時期に生まれた子犬はいつから予防を開始すればいいのでしょうか? 目安は仔犬をお家へ迎えて2回目もしくは3回目の混合ワクチン接種後からスタートする事が多いです。 実は子犬であっても、生後60日ころから予防薬の投与が可能とされていますが、月齢の低い子犬の場合は、獣医さんとしっかり相談しながら的確な予防策を立てるようにしましょう。 この頃(生後半年以内)に予防を開始すれば、血液検査をせずに投薬を開始することが出来ると言われていますが、動物病院によっては投薬前に血液検査を勧められる場合もありますので、かかりつけの獣医師さんに相談し、血液検査をしたり、体重に合った薬を処方してもらいましょう。
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