2019年10月シリア北西部でアメリカ陸軍急襲部隊によるテロ容疑者の掃討作戦が実施され、容疑者を追い詰め活躍した軍用犬が注目を浴びました。 実は、作戦により運命が劇的に変化した犬がもう1匹いるのです。
フォトジャーナリストに救われた1匹の子犬
掃討作戦が行われた翌朝、シリア人フォトジャーナリストのファレド・アルホル氏は容疑者が潜伏していた現場を取材していると、クンクンと悲しげな鳴き声が聞こえてきました。 そこには作戦で荒れ果てた場所で、母犬の死骸に寄り添う砂まみれの子犬が悲痛の叫び声をあげていました。 この掃討作戦によって大切な母親を失い孤児犬となったこの仔犬は、餓死することが予想されました。 この事態をアルホル氏は重く受け止め、まず子犬の悲しみを和らげるべく優しく声をかけ、少しでも元気が出るように一緒に遊んだのです。 このまま子犬を放置し立ち去ることは、この子の命が尽きることを意味しており、アルホル氏は悩みに悩んだ末に「何としても助けたい」との気持ちから、自宅に連れて帰る決断をします。 そのとき外は大雨で、自動車のないアルホル氏はオートバイで子犬を抱えて危険な武装地帯を約32㎞も走らせ、勇敢に子犬を家に連れ帰り、その命を救ったのです。 自宅についたその子犬は「ボビー」と名付けられました。 当初は犬好きの友人に譲り渡すつもりでしたが、結局ボビーと別れることはできず、一緒に暮らしていくことになります。 そのため動物病院で検査や予防接種を受け、ドッグフードを購入したり、ボビーのために新しい生活の準備を始め、今では楽しく遊んだり、散歩したりなどボビーのために頑張っているようです。 シリアなどの情勢を考えると自分の命を守ることで精いっぱいな状況下であると思われます。 そんな状況下で、1匹の子犬の命を守る行動には頭が下がりますね。 アルホフ氏の行動に「どんな命でも尊ぶ人間性」を学ぶことができますね。 出典元:https://www.cnn.co.jp/world/35144825.html