この記事では、ビアデッド・コリーを飼おうと考えている方へ、ビアデッド・コリーの特徴や性格、大きさ、値段相場、飼い方のポイントなどをご紹介します。ビアデッド・コリー飼育の参考にしてみてください。
ビアデッド・コリーの特徴
目が隠れるほどの特徴的な長毛のビアデッド・コリー。 「ビアデッド」とは口ひげを意味します。 イギリスはスコットランド地方が原産の牧羊犬です。 17世紀ごろにはスコットランド地方の北と南で体の大きさと被毛の色に差があり、原産地名からボーダー・タイプと、ハイランド・タイプと呼ばれていました。 その2つのタイプを交配し、18世紀には現在の姿に近い種となりました。 第二次世界大戦の頃には絶滅寸前まで頭数が減りましたが、作業犬の訓練に興味をもっていたスコットランドのウィルソン夫人が偶然譲り受けた犬がビアデッド・コリーのメスでした。 譲り受けた後にビアデッド・コリーが絶滅の危機にあると知ったウィルソン夫人は頭数を増やしたいと考えました。 なかなか交配できるビアデッド・コリーに出会えずにいたものの、ブライトンの海辺を散歩中に偶然、オスのビアデッドコリーと出会い、頭数を増やすことができたのです。 現在のビアデッド・コリーのほとんどが、この2匹の血統を受け継いでいると言われています。 オールド・イングリッシュ・シープドッグと似ていますが、ビアデッド・コリーの方がやや小さいです。 また、オールド・イングリッシュ・シープドッグは、18世紀に英国で家畜商の犬が免税となる理由のため、断尾されていました。現在も習慣として断尾している個体が多いので、しっぽも見分け方の1つと言えます。
ビアデッド・コリーの被毛・抜け毛
ビアデッド・コリーは長毛のダブルコートです。絡まりやすく抜け毛も多いので可能な限り毎日のブラッシングは行った方がいいでしょう。 毛色はJKCによるとスレート・グレー、赤みがかったフォーン、ブラック、ブルー、様々な色合いのグレー、ブラウン、サンディ(明るい茶色)が認められています。 マズル(口元)からスカル上へのブレーズ(額の中央から鼻筋、口まで)、尾の先端、胸、脚及び足にホワイトがあったほうが好ましいようです。
ビアデッド・コリーの大きさ
ビアデッド・コリーは、大型犬に分類されますが、大型犬の中では小さめです。
ビアデッド・コリー 成犬の体高
JKCの規定によると、ビアデッド・コリーの成犬時の体高はオス53~56cm、メス51~53cmが一般的です。
ビアデッド・コリー 成犬の体重
JKCに体重の規定はありませんが、オス・メス共に25~27kgが一般的です。
ビアデッド・コリーの値段・価格相場と選び方
ビアデッド・コリーの平均価格は20~40万円です。 ブリーダーが少ない犬種のため、もしビアデッド・コリーを家族に迎えたいという方はブリーダーに出産予定等を問い合わせた方が良いでしょう。
ビアデッド・コリーの選び方
ビアデッド・コリーの子犬を選ぶときには、以下のポイントをチェックしましょう。
健康体かどうかのチェック |
・毛並みがきれいか ・口の中は綺麗なピンクで噛み合わせが良好か ・目ヤニはなくキレイか ・鼻は湿っているか ・耳の中に異常や異臭はなく綺麗か ・立ったときの肩や前腕・胸部ががっしりしているか ・お尻の周りが汚れていないか ・不自然な歩き方をしていないか ・抱き上げたときにずっしりした重みがあるか |
性格のチェック |
・元気に遊んでいるか ・遠くから声をかけたときに反応するか ・こちらに対し尻尾を振ってくれるか ・抱っこされたときにおとなしいか |
血統・将来の大きさのチェック |
・遺伝病やデメリットとなる特性を親や祖先・兄妹が持っていないか ・JKC発行の血統証明書はついているか ・数代先までファミリーツリーを確認できるか |
飼い方のポイント
お迎え時のポイント
子犬のお迎えに行く際には、必ずペットシーツを敷いたキャリーケースを用意しましょう。
安全に子犬を運べるよう、子犬の大きさに適した頑丈なキャリーケースを使ってください。
お迎え時には、食事やトイレの仕方、健康診断やマイクロチップの有無など、子犬の現在の状況を聞いておくことを忘れないようにしましょう。
かかりつけになる動物病院を事前に探しておくことで、お迎え後の健康診断などをスムーズに受けることができます。
ビアデッド・コリーの子犬をお迎えする際には、以下のグッズを用意しましょう。
- サークルやケージ
- トイレトレー
- 首輪やハーネス
- リード
- 食器
- 給水機
- お迎え先で食べていたフード
- スリッカー・コームブラシ
- ペットヒーター(10~5月の場合)
- 爪切りやシャンプーなどのケア用品
- おもちゃ
- 除菌消臭剤 など
お迎え前には子犬が誤って飲み込んでしまわないよう、床に物はできるだけ置かない環境づくりをかかさないようにしましょう。
寒い時期・暑い時期にお迎えをする場合には、ペットヒーターやエアコンで温度管理をしっかり行ってください。
お迎え当日から3日ほどは、なるべくケージから子犬を出さず環境に慣れてもらいましょう。
初日~1週間はじっくりと様子を見て、その後にスキンシップをとっていくと子犬の愛犬に不安をあまり感じさせずに慣れさせることができます。
成長期・成犬期のポイント
ビアデッド・コリーを飼育する際には、飼育や食事、運動やしつけなどさまざまなポイントを知っておく必要があります。
ここでは、ビアデッド・コリーと暮らしていく上でのポイントを解説します。
【飼育のポイント】
ビアデッド・コリーは、長毛のダブルコートのため、日々のブラッシング等のケアが欠かせません。
また、暑さに弱いので室温や散歩の時間には注意しましょう。
毛量が多いので蒸れるため、皮膚に異常がないか、毎日のスキンシップでチェックしましょう。
耳も蒸れやすいので、外耳炎になりやすいです。耳もこまめにチェックしましょう。
【食事のポイント】
ビアデッド・コリーは運動量が多いので、良質なタンパク質が含まれるフードがおすすめです。主原料が「鶏肉」のものが良いでしょう。
また、ビアデッド・コリーは豊かな被毛で本来の体型が見えにくいので、毎日のスキンシップで適切なBCS(ボディコンディショニングスコア)であるか判断しましょう。
ビアデッド・コリーは12ヶ月前後で成犬になります。食事の回数は消化器系の成長に合わせて変えていく必要があります。
成長段階に合わせたご飯の回数を表にまとめたので参考にしてください。
~生後6ヶ月 |
4回 |
生後6ヶ月〜1歳 |
2,3回 |
1歳以降 |
2回 |
【運動のポイント】
ビアデッド・コリーは非常に運動量の多い犬種で、走ることが大好きです。
散歩は、駆け足運動などを取り入れて、1日2回、1時間/回(1日2時間)することが理想です。
個体差がありますが、毎日の散歩を行っても運動が足りずにストレスを感じてしまう子もいます。
定期的にドッグランへなどに通い、思いきり運動させましょう。
賢い犬種ですので、ドッグスポーツも向いているでしょう。
【お手入れのポイント】
長毛のダブルコートのビアデッド・コリーは、毎日お手入れの時間が確保できると良いでしょう。
できるだけ毎日、ピンブラシやコームで毛の絡まりをといて、換毛期にはスリッカーブラシ等でアンダーコートを取り除いてあげましょう。
毛は伸び続けないのでトリミングは不要ですが、被毛が目にかからないよう部分的にトリミングする飼い主さんもいるようです。
食事後は口元を拭いてあげると、よだれやけになりにくくなります。
表にビアデッド・コリーに必要なお手入れをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
ブラッシング |
毎日 |
シャンプー |
月1~2回 |
歯磨き |
毎日 |
爪切り |
月1~2回(爪が伸びていたら) |
耳掃除 |
汚れが気になったら |
【しつけのポイント】
ビアデッド・コリーは賢く訓練が好きな犬種なので、信頼関係を築いた飼い主の言葉をよく理解してくれます。
若いころはパワーが有り余っているので、それを飼い主がコントロールできるようにある程度ではなく徹底してしつけをする必要があります。
幼いうちからトレーニングを徹底し、飼い主がボスであることを学ばせましょう。
生後3~12週の時期は社会化期と呼ばれ、犬が様々な刺激に適応できるようになる期間があります。
この期間に他の人や犬と触れ合わせることで、社交性のある子に育てることができるので、パピーパーティやパピークラスに参加することをおすすめします。
トイレトレーニング |
決められた場所でトイレをできるようにする |
クレートトレーニング |
クレートに入ったまま大人しくできるようにする |
コマンドトレーニング |
「お手」「お座り」「伏せ」などのコマンドをこなせるようにする |
噛み癖のトレーニング |
噛んでよいもの・いけないものの区別できるようにさせる |
吠え癖のトレーニング |
無駄吠えをさせないようにする |
リーダーウォークのトレーニング |
引っ張ることなく、飼い主の横について散歩できるようにする |
まとめ
活発さと知性を兼ね備えたビアデッド・コリー。 おうちでは静かに、外では思いっきり遊べるわんちゃんをお探しのかたにはぴったりの犬種かもしれません。