この記事では、ダルメシアンを飼おうと考えている方へ、ダルメシアンの特徴や性格、大きさ、値段相場、飼い方のポイントなどをご紹介します。ダルメシアン飼育の参考にしてみてください。
ダルメシアンの特徴
ダルメシアンといえば、ほとんどの人がディズニー映画「101匹わんちゃん」を連想しますよね。 白い被毛に黒の水玉模様で、人間のファッションアイテムにも「ダルメシアン柄」があるほど。 今回はそんな影響力のあるダルメシアンについて解説していきます。 ダルメシアンはルーツがはっきりとわかっていない犬種です。 古代エジプトの壁画にダルメシアンに似た犬が描かれていることから、歴史は非常に長いと考えられます。 18世紀の中ごろには、現在のクロアチアにあるダルマチア地方においてダルメシアンのような犬の存在が記録されていたため、ダルメシアンと呼ばれるようになったようです。 なぜエジプトやクロアチア等、離れた場所でダルメシアンの形跡があるのかというと、ダルメシアンの担っていた役割が影響していると考えられます。 馬車が主流の時代に荷車を運ぶ馬を護衛するため、ダルメシアンが伴走していました。旅商人らと共に各地を旅したため、様々な場所の記録に残っているのだと考えられます。 また、アメリカの消防署のマスコットとしてダルメシアンがよく使われている理由も、過去に消防馬車に伴走していたからのようです。
ダルメシアンの被毛・抜け毛
JKC(ジャパン・ケンネル・クラブ)によると、地はピュアホワイト、スポット(斑点)はブラックもしくはブラウンのものが好ましいとされています。
被毛は短毛のシングルコートです。シングルコートなので抜け毛は少ないように思われますが、毛が短いので生え変わりのスピードが早く、1年を通して想像しているより抜け毛は多いでしょう。
ダルメシアンの性格
家族には懐こく陽気に振る舞いますが、警戒心が強いので他の犬や人に攻撃的になってしまうこともあります。 子犬のうちから他の人や犬、外の環境に慣れさせる社会化をさせてあげると良いでしょう。
ダルメシアンの大きさ
ダルメシアンは大型犬に分類されます。
ダルメシアン 成犬の体高
JKCの規定によると、ダルメシアンの成犬時の体高はオス56~61cm、メス54~59cmが一般的です。
ダルメシアン 成犬の体重
JKCの規定によると、ダルメシアンの成犬時の体重はオス27~32kg、メス24~29kgが一般的です。
ダルメシアンの値段・価格相場と選び方
ダルメシアンの値段相場は20万円~30万円となっています。
ダルメシアンの選び方
ダルメシアンの子犬を選ぶときには、以下のポイントをチェックしましょう。
健康体かどうかのチェック |
・毛並みがきれいか ・口の中は綺麗なピンクで噛み合わせが良好か ・目ヤニはなくキレイか ・鼻は湿っているか ・耳の中に異常や異臭はなく綺麗か ・立ったときの肩や前腕・胸部ががっしりしているか ・お尻の周りが汚れていないか ・不自然な歩き方をしていないか ・抱き上げたときにずっしりした重みがあるか |
性格のチェック |
・元気に遊んでいるか ・遠くから声をかけたときに反応するか ・こちらに対し尻尾を振ってくれるか ・抱っこされたときにおとなしいか |
血統・将来の大きさのチェック |
・遺伝病やデメリットとなる特性を親や祖先・兄妹が持っていないか ・JKC発行の血統証明書はついているか ・数代先までファミリーツリーを確認できるか |
ダルメシアンといえば、白地に黒い水玉模様ですが、生まれたばかりのころはほぼ白い被毛です。
生後3週間前後でこの黒い水玉模様が出現し、ダルメシアンらしくなっていきます。
また、ダルメシアンは先天性疾患が多い犬種と言われています。
特に多いのが先天性聴覚障害で、アメリカの調査では全体の20%が片耳、あるいは両耳が聞こえないと言われています。
これは白の毛色の遺伝子によるもので、青い目の個体はかなりの確率で聴覚に問題が起きるようです。
スポット(黒い水玉模様の部分)が大きいとなりにくいといった特徴もあります。
飼い方のポイント
ここではお迎えからしつけまで解説していきます。
お迎え時のポイント
子犬のお迎えに行く際には、必ずペットシーツを敷いたキャリーケースを用意しましょう。
安全に子犬を運べるよう、子犬の大きさに適した頑丈なキャリーケースを使ってください。
お迎え時には、食事やトイレの仕方、健康診断やマイクロチップの有無など、子犬の現在の状況を聞いておくことを忘れないようにしましょう。
かかりつけになる動物病院を事前に探しておくことで、お迎え後の健康診断などをスムーズに受けることができます。
ダルメシアンの子犬をお迎えする際には、以下のグッズを用意しましょう。
- サークルやケージ
- トイレトレー
- 首輪やハーネス
- リード
- 食器
- 給水機
- お迎え先で食べていたフード
- スリッカー・コームブラシ
- ペットヒーター(10~5月の場合)
- 爪切りやシャンプーなどのケア用品
- おもちゃ
- 除菌消臭剤 など
お迎え前には子犬が誤って飲み込んでしまわないよう、床に物はできるだけ置かない環境づくりをかかさないようにしましょう。
寒い時期・暑い時期にお迎えをする場合には、ペットヒーターやエアコンで温度管理をしっかり行ってください。
お迎え当日から3日ほどは、なるべくケージから子犬を出さず環境に慣れてもらいましょう。
初日~1週間はじっくりと様子を見て、その後にスキンシップをとっていくと子犬の愛犬に不安をあまり感じさせずに慣れさせることができます。
成長期・成犬期のポイント
ダルメシアンを飼育する際には、飼育や食事、運動やしつけなどさまざまなポイントを知っておく必要があります。
ここでは、ダルメシアンと暮らしていく上でのポイントを解説します。
【飼育のポイント】
ダルメシアンは、シングルコートの短毛なので寒さに弱いです。
冬に外出するときには服や靴を身につけるなどして寒さから身を守ってあげてください。
子犬のうちから服や靴に慣れさせておくことで、お互いにストレスなく着せることができます。
【食事のポイント】
大型犬であるダルメシアンは、肥満になると関節への負担がかかってしまいます。
たくさん運動しているからと多めにフードを与えたりしないよう注意しましょう。
また、尿路結石になりやすいと言われていますので、尿路結石の原因になる成分(カルシウム、シュウ酸、尿酸等)が少ないフードを選んであげると良いでしょう。
あわせて水分も意識的に与えましょう。
ダルメシアンは約12カ月で成犬になります。食事の回数は消化器系の成長に合わせて変えていく必要があります。
成長段階に合わせたご飯の回数を表にまとめたので参考にしてください。
~生後8ヶ月 |
4回 |
生後8ヶ月〜1歳 |
2,3回 |
1歳以降 |
2回 |
【運動のポイント】
ダルメシアンは非常に運動量の多い犬種で、走ることが大好きです。
散歩は、駆け足運動などを取り入れて、1日2回、1時間/回(1日2時間)することが理想です。
ランニングをされる方は、一緒に伴走してあげると喜ぶでしょう。
個体差がありますが、毎日の散歩を行っても運動が足りずにストレスを感じてしまう子もいます。定期的にドッグランへなどに通い、思いきり運動させましょう。
【お手入れのポイント】
短毛でシングルコートのダルメシアンは、抜け毛は多いですが比較的お手入れが楽です。
週に2~3回を目安にラバーブラシや獣毛でブラッシングし、蒸しタオルなどで定期的に体を拭いてあげましょう。
表にダルメシアンに必要なお手入れをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
ブラッシング |
週に2~3回 |
シャンプー |
月1~2回 |
歯磨き |
毎日 |
爪切り |
月1~2回(爪が伸びていたら) |
耳掃除 |
汚れが気になったら |
【しつけのポイント】
ダルメシアンは賢い犬種で、教えたことを比較的すぐに覚えてくれるでしょう。
しかし、聴覚に問題が起きやすいため、声や音に頼らず、ハンドサイン(ハンドシグナル)でのしつけを行うなど、工夫が必要です。
すでに耳が聞こえづらくなっている子は、状況がわからずパニックになったり、問題行動を起こしてしまうかもしれません。ハンドサインによるしつけを飼い主が根気よく続ける忍耐力も必要です。
生後3~12週の時期は社会化期と呼ばれ、犬が様々な刺激に適応できるようになる期間があります。
この期間に他の人や犬と触れ合わせることで、社交性のある子に育てることができるので、パピーパーティやパピークラスに参加することをおすすめします。
トイレトレーニング |
決められた場所でトイレをできるようにする |
クレートトレーニング |
クレートに入ったまま大人しくできるようにする |
コマンドトレーニング |
「お手」「お座り」「伏せ」などのコマンドをこなせるようにする |
噛み癖のトレーニング |
噛んでよいもの・いけないものの区別できるようにさせる |
吠え癖のトレーニング |
無駄吠えをさせないようにする |
リーダーウォークのトレーニング |
引っ張ることなく、飼い主の横について散歩できるようにする |
まとめ
どんなに遠くから見ても「ダルメシアンだ!」とわかる、知名度抜群のダルメシアン。 ランニング等運動が好きな人には最高のパートナーになってくれるでしょう。