この記事では、ペキニーズを飼おうと考えている方へ、ペキニーズの特徴や性格、大きさ、値段相場、飼い方のポイントなどをご紹介します。ペキニーズ飼育の参考にしてみてください。
ペキニーズの特徴
地面にまでついてしまうふわふわの長毛にぺちゃっとした顔が特徴のペキニーズ。 最近ではトリミングでまんまるなフォルムにしたり、ライオンカットにする飼い主さんも多いようです。 かわいさの中に歴史あり、そんなペキニーズについて解説していきます。 ペキニーズは中国原産の犬です。 一般的に知られているペキニーズという名称は、北京の犬という意味の英語ですが、中国では「京巴」(ジンバー)と言われているようです。 8世紀頃の唐の時代には絵画に描かれていたため、1000年以上の歴史がある犬種です。 秦の始皇帝をはじめ、歴代の皇帝へ献上されていました。 神聖な犬とされ、皇帝と皇族以外による飼育を禁じられ、犬を持ち出した者は死刑になったとも伝えられています。 門外不出のペキニーズでしたが、1860年のアヘン戦争でイギリスの軍人が宮廷に残されたペキニーズを連れ帰り、ビクトリア女王に献上しました。 犬好きのビクトリア女王はペキニーズを大変気に入り繁殖し、貴族など一部の裕福な人たちに人気があったようです。 ペキニーズは1893年にドッグショーに出陳したことから世に知られるようになり、アメリカン・ケンネル・クラブでは1909年に公認されました。
ペキニーズの被毛・抜け毛
ペキニーズはダブルコートです。そのため換毛期にはアンダーコートが大量に抜けますが、一年を通して抜け毛は多いようです。
毛色はJKC (ジャパン・ケンネル・クラブ)によると、アルビノとレバー以外のカラーが認められるため、バリエーションが豊かです。
ペキニーズの性格
静かであまり吠えない子が多いようです。
「猫のような犬」といわれているほどマイペースな性格をしています。
しかし、こだわりも強く、飼い主やテリトリーを独り占めしたいという気持ちが強い、甘えん坊な性格です。
ペキニーズの大きさ
ペキニーズは小型犬に分類されます。
ペキニーズ 成犬の体高
JKCの規定によると、ペキニーズの成犬時の体高はオス・メス共に20~30cmが一般的です。
ペキニーズ 成犬の体重
JKCの規定によると、ペキニーズの成犬時の体重はオス~5kg、メス~4.5kgが好ましいようです。
ペキニーズの値段・価格相場と選び方
ペキニーズの値段相場は20万~50万となっています。
ペキニーズの選び方
ペキニーズの子犬を選ぶときには、以下のポイントをチェックしましょう。
健康体かどうかのチェック |
・毛並みがきれいか ・口の中は綺麗なピンクで噛み合わせが良好か ・目ヤニはなくキレイか ・鼻は湿っているか ・耳の中に異常や異臭はなく綺麗に立っているか ・立ったときの肩や前腕・胸部ががっしりしているか ・お尻の周りが汚れていないか ・不自然な歩き方をしていないか ・抱き上げたときにずっしりした重みがあるか |
性格のチェック |
・元気に遊んでいるか ・遠くから声をかけたときに反応するか ・こちらに対し尻尾を振ってくれるか ・抱っこされたときにおとなしいか |
血統・将来の大きさのチェック |
・遺伝病やデメリットとなる特性を親や祖先・兄妹が持っていないか ・JKC発行の血統証明書はついているか ・数代先までファミリーツリーを確認できるか |
飼い方のポイント
ここではお迎えからしつけまで解説していきます。
お迎え時のポイント
子犬のお迎えに行く際には、必ずペットシーツを敷いたキャリーケースを用意しましょう。
安全に子犬を運べるよう、子犬の大きさに適した頑丈なキャリーケースを使ってください。
お迎え時には、食事やトイレの仕方、健康診断やマイクロチップの有無など、子犬の現在の状況を聞いておくことを忘れないようにしましょう。
かかりつけになる動物病院を事前に探しておくことで、お迎え後の健康診断などをスムーズに受けることができます。
ペキニーズの子犬をお迎えする際には、以下のグッズを用意しましょう。
- サークルやケージ
- トイレトレー
- 首輪やハーネス
- リード
- 食器
- 給水機
- お迎え先で食べていたフード
- スリッカー・コームブラシ
- ペットヒーター(10~5月の場合)
- 爪切りやシャンプーなどのケア用品
- おもちゃ
- 除菌消臭剤 など
お迎え前には子犬が誤って飲み込んでしまわないよう、床に物はできるだけ置かない環境づくりをかかさないようにしましょう。
寒い時期・暑い時期にお迎えをする場合には、ペットヒーターやエアコンで温度管理をしっかり行ってください。
お迎え当日から3日ほどは、なるべくケージから子犬を出さず環境に慣れてもらいましょう。
初日~1週間はじっくりと様子を見て、その後にスキンシップをとっていくと子犬の愛犬に不安をあまり感じさせずに慣れさせることができます。
また、足の短い犬種のため、椎間板ヘルニアのリスクがあります。
関節に負担をかけないように家の中の段差を少なくできると良いでしょう。
ソファーやベッドにペット用の階段(スロープ)を設置する、フローリングで滑らないように滑り止めマットを敷く等で対策しましょう。
成長期・成犬期のポイント
ペキニーズを飼育する際には、飼育や食事、運動やしつけなどさまざまなポイントを知っておく必要があります。ここでは、ペキニーズと暮らしていく上でのポイントを解説します。
【飼育のポイント】
ペキニーズは毛量が非常に多いため、暑さには注意が必要です。その上鼻ぺちゃ(短頭種)のため、呼吸しづらいので、夏は室温に注意しましょう。
また、目が大きいので目の病気にもかかりやすいです。充血や涙が出ている等異変に気づいたら、獣医師に診てもらいましょう。
【食事のポイント】
ペキニーズは運動量が少なくても問題ない犬種ですが、肥満になりやすいため、食事で体重を管理することが重要です。
肥満になると椎間板ヘルニアや呼吸器の問題が起きやすくなります。
また、顔にしわがあるため、食後は顔周りを拭いてあげましょう。臭いや炎症の予防になります。
ペキニーズは10カ月前後で成犬になります。食事の回数は消化器系の成長に合わせて変えていく必要があります。
成長段階に合わせたご飯の回数を表にまとめたので参考にしてください。
~生後6ヶ月 |
4回 |
生後6ヶ月〜1歳 |
2,3回 |
1歳以降 |
2回 |
【運動のポイント】
ペキニーズは長時間の運動は不要です。
散歩は1日2回、20分/回(1日10分)することが理想です。
あとは呼吸器や関節に負担がかからない程度に家の中でおもちゃを引っ張りっこする等で十分な運動量です。
【お手入れのポイント】
長毛種でダブルコートのペキニーズは、毎日のお手入れが必要です。
毎日コームで毛が絡まないようブラッシングしましょう。毛が長いので、お尻周りの毛も汚れていないか確認してください。
また、顔のしわも毎日きれいに拭いてあげることで、臭いや涙やけ、皮膚炎の予防になります。たれ耳なので、外耳炎にも注意です。
耳の様子も毎日のスキンシップ時にチェックしましょう。表にペキニーズに必要なお手入れをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
ブラッシング |
毎日 |
シャンプー |
月1~2回 |
歯磨き |
毎日 |
爪切り |
月1~2回(爪が伸びていたら) |
耳掃除 |
こまめにチェックし、汚れていたら掃除する |
【しつけのポイント】
ペキニーズは「猫のような犬」と言われているほどマイペースなため、根気強くしつけを行いましょう。
頑固な一面もあるため、叱らず、上手にできたらオーバーに褒めてあげる方が良いでしょう。
生後3~12週の時期は社会化期と呼ばれ、犬が様々な刺激に適応できるようになる期間があります。
この期間に他の人や犬と触れ合わせることで、社交性のある子に育てることができるので、パピーパーティやパピークラスに参加することをおすすめします。
トイレトレーニング |
決められた場所でトイレをできるようにする |
クレートトレーニング |
クレートに入ったまま大人しくできるようにする |
コマンドトレーニング |
「お手」「お座り」「伏せ」などのコマンドをこなせるようにする |
噛み癖のトレーニング |
噛んでよいもの・いけないものの区別できるようにさせる |
吠え癖のトレーニング |
無駄吠えをさせないようにする |
リーダーウォークのトレーニング |
引っ張ることなく、飼い主の横について散歩できるようにする |
まとめ
ペキニーズは毛のかたまりが歩いているようなふわふわのフォルムです。 トリミングで色々なスタイルを楽しんでもいいですね。 まるで猫のような振る舞いに、喜んで言いなりになってしまっている飼い主さんも多数。 マイペースなペキニーズに振り回されて、楽しいドッグライフを過ごしてみませんか?