この記事では、イタリアン・グレーハウンドを飼おうと考えている方へ、イタリアン・グレーハウンドの特徴や性格、大きさ、値段相場、飼い方のポイントなどをご紹介します。イタリアン・グレーハウンド飼育の参考にしてみてください。
イタリアン・グレーハウンドの特徴
「イタグレ」の略称で親しまれているイタリアン・グレーハウンド。スラっとした流線型のボディに長いマズルが特徴です。 短毛で抜け毛も比較的少なく体臭も少ないため、お手入れは手軽です。 寒さに弱く、特殊な体型のため、最近ではイタグレ専門のお洋服ブランドも見かけるようになってきました。 一緒におしゃれを楽しめる犬種かもしれませんね。 イタリアン・グレーハウンドの祖先はグレーハウンドと言われています。古代エジプト時代の壁画や紀元前のローマ遺跡に似た犬が描かれていることから、非常に長い歴史を持つ犬種です。 紀元前5世紀ころローマ(イタリア)にわたって、上流階級の愛玩犬として飼育されました。 16~17世紀ごろには南ヨーロッパ一帯に認知され、特にイタリアの王室や貴族たちには大変愛されたようで、絵画や美術品に多く描かれています。 JKC(ジャパン・ケンネル・クラブ)では「視覚ハウンド」という優れた視力と走力で獲物を追跡捕獲する犬種に分類されていますが、実際に狩猟を行っていた歴史は短く、愛玩犬としての歴史の方が長いようです。 イタリアン・グレーハウンドは小型化していく過程で近親交配をしたため、体が弱い個体が増えました。 また、第二次世界大戦の影響で個体数が減ってしまいましたが、19世紀初頭にアメリカに渡っていたイタリアングレーハウンドたちをイギリスに残っていた個体と交配することで健康な個体数を増やすことができました。 イタリアン・グレーハウンドが日本に伝わったのはなんと江戸時代頃といわれており、日本でも長く愛されている犬種です。
イタリアン・グレーハウンドの被毛・抜け毛
JKC(ジャパン・ケンネル・クラブ)の規定によると、ブラック、グレー及びイザベラ(ペール・イエローのようなベージュ)単色で、ホワイトの部分は胸と足のみが認められているようです。 被毛はかなり短いオーバーコートのみで、とても滑らかな毛質をしています。 短毛のシングルコートのため、冬場は室温調節に注意し、服も着せてあげると良いでしょう。
イタリアン・グレーハウンドの性格
陽気で従順、家族に対しては愛情深く接してくれます。
しつけは比較的しやすい犬種と言えますが、興奮しやすいのでまずは落ち着かせるところから始めましょう。
一方で繊細で見知らぬ人や犬に警戒心を持ったり、ストレスを溜めやすい一面もあるため、愛犬が落ち着ける環境でストレスを発散させてあげましょう。
イタリアン・グレーハウンドの大きさ
イタリアン・グレーハウンド 成犬の体高
JKCの規定によると、イタリアン・グレーハウンドの成犬時の体高はオス・メスともに32~38cmが一般的です。
イタリアン・グレーハウンド 成犬の体重
JKCの規定によると、イタリアン・グレーハウンドの成犬時の体重はオス・メスともに3~5kgが一般的です。
イタリアン・グレーハウンドの値段・価格相場と選び方
イタリアン・グレーハウンドの価格相場は20万円~40万円程度となっています。
イタリアン・グレーハウンドの選び方
イタリアン・グレーハウンドの子犬を選ぶときには、以下のポイントをチェックしましょう。
健康体かどうかのチェック |
・毛並みがきれいか ・口の中は綺麗なピンクで噛み合わせが良好か ・目ヤニはなくキレイか ・鼻は湿っているか ・耳の中に異常や異臭はなく綺麗に立っているか ・立ったときの肩や前腕・胸部ががっしりしているか ・お尻の周りが汚れていないか ・不自然な歩き方をしていないか ・抱き上げたときにずっしりした重みがあるか |
性格のチェック |
・元気に遊んでいるか ・遠くから声をかけたときに反応するか ・こちらに対し尻尾を振ってくれるか ・抱っこされたときにおとなしいか |
血統・将来の大きさのチェック |
・遺伝病やデメリットとなる特性を親や祖先・兄妹が持っていないか ・JKC発行の血統証明書はついているか ・数代先までファミリーツリーを確認できるか |
飼い方のポイント
お迎え時のポイント
子犬のお迎えに行く際には、必ずペットシーツを敷いたキャリーケースを用意しましょう。
安全に子犬を運べるよう、子犬の大きさに適した頑丈なキャリーケースを使ってください。
お迎え時には、食事やトイレの仕方、健康診断やマイクロチップの有無など、子犬の現在の状況を聞いておくことを忘れないようにしましょう。
かかりつけになる動物病院を事前に探しておくことで、お迎え後の健康診断などをスムーズに受けることができます。
イタリアン・グレーハウンドの子犬をお迎えする際には、以下のグッズを用意しましょう。
- サークルやケージ
- トイレトレー
- 首輪やハーネス
- リード
- 食器
- 給水機
- お迎え先で食べていたフード
- スリッカー・コームブラシ
- ペットヒーター(10~5月の場合)
- 爪切りやシャンプーなどのケア用品
- おもちゃ
- 除菌消臭剤 など
お迎え前には子犬が誤って飲み込んでしまわないよう、床に物はできるだけ置かない環境づくりをかかさないようにしましょう。
寒い時期・暑い時期にお迎えをする場合には、ペットヒーターやエアコンで温度管理をしっかり行ってください。
お迎え当日から3日ほどは、なるべくケージから子犬を出さず環境に慣れてもらいましょう。
初日~1週間はじっくりと様子を見て、その後にスキンシップをとっていくと子犬の愛犬に不安をあまり感じさせずに慣れさせることができます。
成長期・成犬期のポイント
イタリアン・グレーハウンドを飼育する際には、飼育や食事、運動やしつけなどさまざまなポイントを知っておく必要があります。ここでは、イタリアン・グレーハウンドと暮らしていく上でのポイントを解説します。
【飼育のポイント】
イタリアン・グレーハウンドは、シングルコートの短毛なので寒さに弱いです。
冬に外出するときには服や靴を身につけるなどして寒さから身を守ってあげてください。
子犬のうちから服や靴に慣れさせておくことで、お互いにストレスなく着せることができます。
また、気管虚脱になりやすいため、首に負担の少ない首輪やハーネスを使用するようにしましょう。頭部が小さいので、後ずさりしたときに抜けてしまわないかもチェックしましょう。
【食事のポイント】
イタリアン・グレーハウンドは四肢が長いため顔の位置も高くなります。
食器台などを用いて高さを出してあげると嘔吐しにくくなります。
また、適正体重に届かない場合や、BCS(ボディ・コンディショニング・スコア)にあてはめても痩せていると感じる場合は、適度な脂肪分を含むフードや、カロリーが高めなフードを与えるのもおすすめです。
BCSの記事:おやつの食べ過ぎは愛犬の肥満の主な原因になる?
イタリアン・グレーハウンドは約1年で成犬になります。食事の回数は消化器系の成長に合わせて変えていく必要があります。
成長段階に合わせたご飯の回数を表にまとめたので参考にしてください。
~生後6ヶ月半 |
4回 |
生後6ヶ月〜1歳 |
2,3回 |
1歳以降 |
2回 |
【運動のポイント】
イタリアン・グレーハウンドは小型犬ですが、非常に運動量の多い犬種です。
散歩は、駆け足運動などを取り入れて、1日2回、30分/回(1日1時間)することが理想です。
個体差がありますが、毎日の散歩を行っても運動が足りずにストレスを感じてしまう子もいます。
定期的にドッグランへなどに通い、思いきり運動させましょう。
高いところから飛び降りたり、ほかの犬や人とぶつかると骨折してしまう可能性がありますので、混雑しているところ等も避けましょう。
【お手入れのポイント】
短毛種のイタリアン・グレーハウンドは、比較的お手入れが楽です。
週に1~2回を目安にラバーブラシや獣毛でやさしくブラッシングし、蒸しタオルなどで定期的に体を拭いてあげましょう。表にイタリアン・グレーハウンドに必要なお手入れをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
ブラッシング |
週に1~2回 |
シャンプー |
月1~2回 |
歯磨き |
毎日 |
爪切り |
月1~2回(爪が伸びていたら) |
耳掃除 |
汚れが気になったら |
【しつけのポイント】
イタリアン・グレーハウンドは怖がりな一面があるため、苦手なものに対して唸ったり吠えたりすることがあります。
しかし、基本は穏やかで友好的な性格の犬種のため、社会化期に様々な場所や人、犬と交流させ、外の環境が怖くないものであると教えてあげると良いでしょう。
生後3~12週の時期は社会化期と呼ばれ、犬が様々な刺激に適応できるようになる期間があります。
この期間に他の人や犬と触れ合わせることで、社交性のある子に育てることができるので、パピーパーティやパピークラスに参加することをおすすめします。
活発で走り回る子は、まず「待て」や「おすわり」等を教えて落ち着かせることから始めましょう。
トイレトレーニング |
決められた場所でトイレをできるようにする |
クレートトレーニング |
クレートに入ったまま大人しくできるようにする |
コマンドトレーニング |
「お手」「お座り」「伏せ」などのコマンドをこなせるようにする |
噛み癖のトレーニング |
噛んでよいもの・いけないものの区別できるようにさせる |
吠え癖のトレーニング |
無駄吠えをさせないようにする |
リーダーウォークのトレーニング |
引っ張ることなく、飼い主の横について散歩できるようにする |
まとめ
モデルのようなスタイルとサテンのような被毛で優雅な雰囲気のイタリアン・グレーハウンド。 落ち着くことをしっかりしつけられれば、小型で賃貸でも飼育しやすい犬種です。