この記事では、プーリーを飼おうと考えている方へ、プーリーの特徴や性格、大きさ、値段相場、飼い方のポイントなどをご紹介します。プーリー飼育の参考にしてみてください。
プーリーの特徴
プーリーはハンガリー原産の牧畜犬です。なんといってもドレッドヘアーのような被毛が特徴です。 紫外線、雨風、土ほこり、寒暖の差などから身を守るためにこのような特徴的な被毛になったようです。 見た目とは裏腹に、牧畜犬であるため早く走ることができ、羊の背中に飛び乗って群れを誘導する等の俊敏さも兼ね備えています。 日本では非常に珍しく、ブリーディングしているブリーダーも非常に少ないです。 ペットショップで出会うことはまずないでしょう。
プーリーの被毛・抜け毛
子犬のころはくるりとカールしたウエーブ状の被毛です。 成犬になると、被毛はロープ状に巻かれながら長く伸び、立派なコーデッドヘア(モップのような被毛のこと)となっていきます。 しかし、このコーデッドヘアは、手入れしないと絡まってしまいます。頻繁に人の手で毛をほぐしてあげる必要があります。 ダブルコートですが毛の生え変わりがほとんどないため、刈ってしまったりすると伸びなくなってしまうので、カットする場合は慎重に判断しましょう。 カラーは主にブラック、パール・ホワイトです。
プーリーの大きさ
プーリー 成犬の体高
JKCの規定によると、プーリーの成犬時の体高はオス39~45cm、メス36~42cmが一般的です。
プーリー 成犬の体重
JKCの規定によると、プーリーの成犬時の体重はオス13~15kg、メス10~13kgが一般的です。
プーリーの値段・価格相場と選び方
プーリーは、JKC(ジャパン・ケンネル・クラブ)の2021年犬種別犬籍登録頭数に5頭(日本に5頭しかいないということ)と掲載されて以降、表に掲載されていません(新規で犬籍が登録されていないということ)。
また、日本国内でプーリーをブリーディングしているブリーダーは非常に少ないようです。
もし家族に迎えたいとなったら、輸入することも視野に入れておいた方がいいでしょう。
生体の価格は30~60万円とされていますが、輸入となると時間や費用がかかるということも考慮しましょう。
また、輸入する国によっては生後1年以上になってからでないと輸送できない等の決まりもあるようです。
飼い方のポイント
非常に珍しい犬種、プーリーですが、飼い方にも注意点が多数あります。
お迎え時のポイント
子犬のお迎えに行く際には、必ずペットシーツを敷いたキャリーケースを用意しましょう。
安全に子犬を運べるよう、子犬の大きさに適した頑丈なキャリーケースを使ってください。
お迎え時には、食事やトイレの仕方、健康診断やマイクロチップの有無など、子犬の現在の状況を聞いておくことを忘れないようにしましょう。
かかりつけになる動物病院を事前に探しておくことで、お迎え後の健康診断などをスムーズに受けることができます。
プーリーの子犬をお迎えする際には、以下のグッズを用意しましょう。
- サークルやケージ
- トイレトレー
- 首輪やハーネス
- リード
- 食器
- 給水機
- お迎え先で食べていたフード
- スリッカー・コームブラシ
- ペットヒーター(10~5月の場合)
- 爪切りやシャンプーなどのケア用品
- おもちゃ
- 除菌消臭剤 など
お迎え前には子犬が誤って飲み込んでしまわないよう、床に物はできるだけ置かない環境づくりをかかさないようにしましょう。
寒い時期・暑い時期にお迎えをする場合には、ペットヒーターやエアコンで温度管理をしっかり行ってください。
また、プーリーは運動能力が非常に高いため、成長するにつれゲージやゲートを飛び越えられるようになってしまう可能性があるので、相応の高さ、頑丈さのものを用意しておいた方が良いでしょう。
お迎え当日から3日ほどは、なるべくケージから子犬を出さず環境に慣れてもらいましょう。
初日~1週間はじっくりと様子を見て、その後にスキンシップをとっていくと子犬の愛犬に不安をあまり感じさせずに慣れさせることができます。
成長期・成犬期のポイント
プーリーを飼育する際には、飼育や食事、運動やしつけなどさまざまなポイントを知っておく必要があります。ここでは、プーリーと暮らしていく上でのポイントを解説します。
【飼育のポイント】
プーリーは、ダブルコートですが、見た目の通り特殊な被毛です。
毎日のブラッシングと、週に1回、毛の絡まりをほぐす入念なブラッシングの時間も必要です。
牧畜犬であることから、運動量も必要になるので、犬のために時間をたくさん使える家庭がおすすめです。
【食事のポイント】
プーリーは筋肉質なため、良質なタンパク質が多く含まれたフードがおすすめです。タンパク質の量を見てフードを選びましょう。
タンパク質量が27%以上と表記されている商品は「高タンパクフード」といわれています。
プーリーは10カ月ほどで成犬になります。コーデッドヘアになってきたら成犬になったという指標もあるでしょう。
食事の回数は消化器系の成長に合わせて変えていく必要があります。成長段階に合わせたご飯の回数を表にまとめたので参考にしてください。
~生後6ヶ月半 |
4回 |
生後6ヶ月〜1歳 |
2,3回 |
2歳以降 |
2回 |
【運動のポイント】
プーリーは非常に運動量の多い犬種で、走ることが大好きです。
散歩は、駆け足運動などを取り入れて、1日2回、30分以上/回(1日1時間)することが理想です。
個体差がありますが、毎日の散歩を行っても運動が足りずにストレスを感じてしまう子もいます。
定期的にドッグランやアジリティのある施設へ通い、思いきり運動させましょう。
この特殊な毛は水に濡れると乾くまで時間がかかるので、皮膚疾患にならないよう、水遊びさせたあとはしっかり乾かしてあげましょう。
【お手入れのポイント】
とても珍しい毛質のため、きれいに保つにはお手入れは必須です。
束になった毛をほぐして、地肌が蒸れないよう、地肌が見えるように整えてあげる必要があります。
このコーデッドヘアは、手入れしないと絡まってしまいます。頻繁に人の手で毛をほぐしてあげる必要があります。
密集した被毛が蒸れて皮膚疾患が起こりやすいため、被毛のケアと合わせて皮膚もこまめにチェックしましょう。
また、お散歩のあとは毛にゴミや汚れが付着しているので、取り除いてあげましょう。
被毛のカットは不要ですが、シャンプーはトリミングサロンにお願いした方が良いでしょう。
しかしとても珍しい犬種のため、プーリーの知識やシャンプーの経験がないサロンがほとんどと思われます。
事前にプーリーのシャンプーを受け付けているかを確認しましょう。
ブラッシング |
毎日 |
シャンプー |
月1~2回 |
歯磨き |
毎日 |
爪切り |
月1~2回(爪が伸びていたら) |
耳掃除 |
汚れが気になったら |
【しつけのポイント】
プーリーは飼い主に忠実な性格のため、しつけやすい犬種といえるでしょう。
しつけで気を付けることは、牧畜犬は自己判断で行動することが多かったため、しつけの際も自らの意思を曲げずに、頑固になってしまうこともあります。
明るく、活発な性格をよい方向に伸ばしてあげるようなしつけ方が合っているでしょう。
また、飼い主が群れのリーダーであることを理解させることも重要です。
生後3~12週の時期は社会化期と呼ばれ、犬が様々な刺激に適応できるようになる期間があります。
この期間に他の人や犬と触れ合わせることで、社交性のある子に育てることができるので、パピーパーティやパピークラスに参加することをおすすめします。
トイレトレーニング |
決められた場所でトイレをできるようにする |
クレートトレーニング |
クレートに入ったまま大人しくできるようにする |
コマンドトレーニング |
「お手」「お座り」「伏せ」などのコマンドをこなせるようにする |
噛み癖のトレーニング |
噛んでよいもの・いけないものの区別できるようにさせる |
吠え癖のトレーニング |
無駄吠えをさせないようにする |
リーダーウォークのトレーニング |
引っ張ることなく、飼い主の横について散歩できるようにする |
まとめ
非常に珍しい犬種、プーリー。かわいい見た目と高い運動能力・知能を持ち合わせているため、生活を楽しくしてくれることでしょう。