愛犬の健康と安全を守るために、日々のケアは欠かせませんよね。 そのなかでも見落としがちなのが「肉球」のケア。 犬の肉球は、歩行や体温調節に重要な役割を果たします。 しかし、わんちゃんは素足でお散歩をするので、思わぬトラブルが起きやすいのです。 そこで本記事では、肉球ケアの必要性や効果的なケア方法、さらにおすすめのアイテムをご紹介します。
犬の肉球にはどんな役割がある?
犬の肉球には、以下のような役割があります。 ● 衝撃を吸収するクッションの役割 ● 体温調節を助ける役割 ● 地面との摩擦を増やして滑りにくくする役割 ● 地面の感覚を感じ取るセンサーの役割 かわいらしい見た目の肉球ですが、実は、さまざまな機能と役割を持っているのです。
衝撃を吸収するクッションの役割
肉球は厚みのある皮膚と脂肪組織でできており、骨や関節への衝撃を和らげるクッションの役割を担っています。
とくに走ったりジャンプしたりするとき、肉球の弾力性が地面から受ける衝撃を吸収し、体全体へのダメージを最小限に抑えるのです。
また、柔らかい肉球の構造は足音を抑える効果もあります。
体温調節を助ける役割
環境に合わせてわんちゃんの体温を調整するためには、肉球の機能が欠かせません。
肉球には、エックリン汗腺と呼ばれる汗を分泌する器官があり、これを使って体温を調節しています。
暑い時期には、パンティング(舌を出して息をする行動)に加えて、肉球から汗をかくことで体を効率的に冷やしているのです。
地面との摩擦を増やして滑りにくくする役割
肉球の表面は、皮膚の組織である角質層で覆われており、ザラザラとした質感が特徴です。
この構造が地面との摩擦を増やし、わんちゃんが滑らずに歩くことを可能にしています。
濡れた地面やフローリングなど、滑りやすい場所でも安定して歩けるのは、この摩擦力のおかげといえるでしょう。
地面の感覚を感じ取るセンサーの役割
肉球には多くの神経が集まっており、地面の温度や質感を敏感に感じ取ります。
このセンサー機能により、わんちゃんは地面の状態を瞬時に把握し、安全を確保しているのです。
たとえば散歩中、肉球の感覚を頼りに足元を判断し、熱いアスファルトや水たまりを避けることができます。
また、足元が不安定な場所でも、肉球に伝わる感触を頼りにバランスをとれるのです。
犬が肉球を舐める理由とは
気づくと愛犬が肉球を舐めていることがありますよね。 その理由をご存じでしょうか? 犬が肉球を舐める代表的な5つの理由を解説します。
1. お手入れ(グルーミング)
犬が肉球を舐めるのは、自分の体を清潔に保つための自然な行動です。
よく、散歩後や汚れが気になるときに舐めることがあります。
これは特に異常があるわけではなく、健康な犬に見られる行動の一つです。
2. 癖や退屈しのぎ
ただの癖や退屈しのぎで肉球を舐めるわんちゃんもいます。
とくにすることもなく暇だから、目についた自分の手(肉球)を舐めている場合があるのです。
犬はもともと肉球を舐める動物なので、肉球に問題がなければ、そこまで不安視する必要はありません。
3. ストレスや不安感がある
ストレスや不安を感じると、肉球を舐めて落ち着こうとします。
運動不足や飼い主との触れ合い不足が原因となることもあるのです。
4. 肉球の乾燥や違和感
乾燥した肉球はひび割れを引き起こしやすく、その違和感を和らげるために舐めることがあります。
わんちゃんが長時間肉球を舐めている場合には、肉球の状態を確認してみましょう。
5. 炎症やケガの兆候
肉球を頻繁に舐める場合、ケガや炎症が原因であることも考えられます。
指の間に小石やトゲが挟まっていたり、アレルギー反応でかゆみを感じているかもしれません。
長時間の舐め行動が引き起こす問題
愛犬がお手入れで自分の肉球を舐めているのなら、それは自然な行動で問題はありません。
しかし、犬が肉球を長時間舐め続けると、舌の摩擦で肉球の皮膚が傷つき、炎症などを起こすことがあります。
頻繁に舐める行動をやめさせるには、犬の苦手な味がするスプレーや犬用靴下を使うのがおすすめです。
そのほか、適切なケアや舐める原因となるストレスを解消することで、舐め行動が軽減します。
異常を感じた際は、早めに動物病院に相談しましょう。
犬の肉球ケアが必要なシーン
気温や地面の状態によって、愛犬の肉球ケアがとくに重要なシーンがあります。 ● 冬の乾燥 ● 熱いアスファルト ● 滑りやすいフローリング ● 肉球のトラブル
冬の乾燥による肉球のトラブル防止
冬の乾燥した空気は、人間の皮膚と同じように、犬の肉球にも負担がかかります。
肉球の皮膚は乾燥によって水分が失われると、ひび割れやあかぎれを引き起こします。
とくに暖房が効いた室内では、空気が乾燥しやすいため注意しましょう。
肉球の乾燥がひどくなると、表面がガサガサになり、深いひび割れができることもあります。
この状態を放置すると痛みを伴い、歩行が困難になる場合も。
さらには、ひび割れた部分から細菌が侵入し、炎症や感染症を引き起こすリスクも高まります。
熱いアスファルトのやけどから肉球を守る
夏場の炎天下では、アスファルトが非常に高温になります。
犬の肉球は直接地面に触れるため、この高温のアスファルトを歩くとやけどをする危険があり注意が必要です。
ちなみに、アスファルトの温度は外気温以上に高くなることがあります。
外気温が30℃を超える場合、地面の温度は50℃を超えることも珍しくありません。
手の甲をアスファルトに数秒置いてみて熱いと感じる場合は、犬にとっても危険です。
散歩時の肉球ケアとともに、朝や夕方の涼しい時間帯への切り替えも検討しましょう。
関連記事:夏の散歩で肉球がやけど!?予防と応急処置は?
滑りやすいフローリングでの転倒や関節疾患を防止する
室内のツルツルしたフローリングでは、犬の肉球が十分な摩擦を得られず、足が滑ってしまうことがあります。
滑りやすい床では、転倒したり関節への負担が増えたり、最悪の場合、関節疾患やケガにつながる危険性もあるでしょう。
とくに、老犬や小型犬、関節の弱い犬種は注意が必要です。
また、爪が長すぎると地面との接触が不安定になるので、定期的に爪を切ってあげましょう。
肉球ケアに加えて、ラグやマットを敷いて滑りを軽減することで対策できます。
関連記事:愛犬がフローリングの床で滑る!おすすめの滑り止め対策アイデア一覧
肉球に炎症やアレルギー反応がでている
犬の肉球に炎症やアレルギー反応がでている場合、適切なケアが必要です。
肉球が赤く腫れていたり、わんちゃんが頻繁に舐めたり噛んでいる場合は、炎症やアレルギー反応の可能性を疑いましょう。
【炎症の原因】
- 細菌感染
- やけど
- ストレス
- ケガ
- アレルギー など
【アレルギーの種類】
- アトピー
- 食物
- ノミ
- 花粉
- 植物
- 化学物質 など
とくに注意すべきは、肉球にできた傷から細菌が侵入し、感染症を引き起こすリスクです。
また、アレルギー反応は特定の植物や化学物質に触れたことが原因となる場合もあります。
肉球以外の部分にも赤みや腫れが出ている場合、早急に獣医師に見てもらいましょう。
肉球のケア方法
肉球をケアすることで、わんちゃんの安全や健康につながります。 そして、愛犬の肉球は、さまざまな要因によって傷つく可能性があることをお伝えしました。 それでは、わんちゃんの肉球を保護するために、どのようなケアをしてあげればいいのでしょうか?
①足と肉球を拭いて清潔を保つ
犬の肉球を健康に保つ基本は、足元の清潔さを保つことです。
散歩や外遊びのあと、肉球には砂や汚れが付着しています。
この汚れをそのまま放置すると、細菌が繁殖して感染症の原因となる可能性も。
また、小さな傷やひび割れがある場合、そこから菌が侵入して炎症を引き起こすリスクもあります。
- 濡らした柔らかい布や犬用ウェットティッシュを使う
- 指の間など丁寧に汚れを拭き取る
- ひどく汚れている場合はぬるま湯などで洗い流す
- 最後にタオルで拭いて完全に乾かす
わんちゃんの肉球は敏感なので、ケアをするときは、濡らした柔らかい布や犬用のウェットティッシュを使用してください。
とくに指の間に汚れが溜まりやすいため、丁寧に拭き取ることを心がけましょう。
ぬるま湯を使うと汚れが落ちやすくなり、犬の負担も軽減されます。
また、散歩中に溶けた雪や融雪剤などに触れた場合は、しっかり洗い流すことも重要です。
拭き取り後は、タオルで完全に乾かしてください。
濡れた状態を放置すると、湿気が原因でトラブルが発生することがあります。
②犬用クリームなどで保湿する
肉球は乾燥しやすい部位のひとつで、冬の乾燥した空気や夏の熱い地面に触れることで、ひび割れが起こりやすくなります。
このようなトラブルを防ぐためには、適切な保湿が欠かせません。
犬専用の保湿クリームやバームを使用して、肉球に潤いを与えましょう。
これにより、肉球を柔らかく保つことができ、乾燥やひび割れの予防が可能です。
とくに散歩の後や寝る前に使用することで、効果的に保湿することができます。
クリームを塗る際は、肉球全体に優しく塗り込み、しっかり浸透させてください。
また、人間用の保湿剤は犬に有害な成分を含む場合があるため、使用を控えましょう。
犬用クリームは基本的に、わんちゃんが万が一舐めても安全な成分でつくられています。
③犬用靴下やシールで保護する
犬用の靴下や滑り止めシールは、肉球を保護するために非常に効果的なアイテムです。
とくに、アスファルトが熱くなる夏の日や凍った地面が多い冬の散歩では、肉球が傷つきやすい環境になるため、物理的な保護が欠かせません。
外出時には、犬用の靴や靴下を使うことで肉球への直接的なダメージを防げます。
また、犬用靴下や犬用滑り止めシールは、滑りやすいフローリングで大活躍。
滑り止めシールは靴下を嫌がるわんちゃんでも使いやすく、肉球に直接貼り付けることで保護とグリップ力の向上を同時に叶えます。
これらの保護アイテムを使用する際は、サイズが適切であることを確認し、犬が快適さを感じるように装着しましょう。
愛犬の肉球ケアにおすすめのアイテム
愛犬の肉球ケアに役立つ、おすすめのアイテムをご紹介します。
- バーム
- クリーム
- ローション
- シール
肉球バーム(ボトルタイプ)無香料

- 舐めても安全
- 肉球のひび割れ防止
- フローリングでのスリップ防止
- ボトルサイズは10g・25g・45gから選択可能
このバームは、わんちゃんが舐めても安全な素材で作られており、肉球の乾燥やひび割れを防ぐだけでなく、スリップ防止にも役立ちます。
○原材料
オーガニックシアバター、オーガニックホホバオイル、蜜蝋(国産食用)、精油
○香り
無香料、オレンジスイート、レモングラス、ゼラニウム、 ラベンダー
○タイプ
ボトル、スティック(5g)
>「肉球バーム(ボトルタイプ)無香料」の詳細はこちら
パウクリーム
- 自然由来の成分配合
- ホリスティック獣医師が開発
- パウ(足)全体をマッサージ
- 癒される香りが特徴
パウクリームは、ホリスティック獣医師がメディカルアロマセラピーの専門知識を活かして開発した、自然派由来の成分を使用した犬用保湿クリームです。
○主成分
親水軟膏、ラノリン、精油(ラベンダーなど)、フラワーレメディ
○使い方
少量を指に取り、肉球全体に優しくマッサージするようになじませる
>「パウクリーム」の詳細はこちら
&C 肉球ケアローション 100mL

- ダマスクローズウォーターの一番搾りを配合
- 高機能還元性イオン水を使用
- 肉球ケア・目元ケア・耳垢ケア・ボディにもOK
- 自社開発・国内生産
&C 肉球ケアローションは、ダマスクローズウォーターの一番搾りを使用した高品質なケアアイテムです。
高機能還元性イオン水は、飲料水の安全性を保ちながら、高い抗酸化作用、皮膚保湿作用、浸透作用、洗浄作用を持ちます。
○主成分
高機能還元性イオン水、ダマスクローズウオーター(一番搾りのみ)
○使い方
コットンにローションを適量含ませ、肉球や気になる部分をマッサージするように優しく拭き取る
>「&C 肉球ケアローション 100mL」の詳細はこちら
PAW WING Grip plus 20枚セット

- 滑りやすい室内のフローリングに最適
- 室内でのわんちゃんのケガ防止
- 6種類のサイズ展開でぴったりフィット
- 3色展開&可愛いデザイン
PAW WING Grip plusは、室内用の滑り止め効果が高いペット用フットパッドです。
素材にはコットンやシリコンを使用し、ペットの肌に優しく軽量設計で負担を軽減します。
○使い方
爪と肉球周りの毛をカットし、足裏パッドの剥離紙をはがして肉球に貼り付ける
>「PAW WING Grip plus 20枚セット」の詳細はこちら
まとめ
肉球は衝撃を吸収したり体温調節をしたり、わんちゃんの健康を守るために重要な役割を果たします。 もし肉球に傷ができると、そこから感染症にかかってしまうことも。 夏の暑さや冬の乾燥、滑りやすいフローリングなどは、とくに負担がかかります。 肉球は清潔に保つことを心がけ、保湿クリームや滑り止めグッズを活用してみましょう。 愛犬の健康と快適な生活を守るためには、肉球ケアが欠かせません。