望まない繁殖、病気の予防、問題行動の減少のために去勢手術を行うことは飼い主の選択肢の一つです。 一般的には生後6か月~1年頃までに去勢手術を受けさせることを勧めている病院が多いです。 それは、幼いころの去勢手術には成犬のそれに比べて恩恵が多いからです。 そこで、成犬になってからの去勢手術のリスクを整理してみましょう。
1. 成犬になってから去勢手術を受けることによる3つのリスク
成犬になる前に去勢手術を受けないとどんなリスクがあるのかを説明します。
1) 術後の回復のスピードが遅い
去勢手術の傷口はそれほど大きいものではありませんが、それには全身麻酔をする必要があります。
歳をとるにつれて麻酔の副作用等のリスクが高まるため、できるだけ若いうちになる前に去勢手術を受けさせてあげた方が良いと言われています。
2) マーキング等が問題行動が習慣化してしまい、改善が見られない可能性がある
成犬になってから去勢手術を受けさせると、既にマーキング等の習慣がついてしまっている場合、去勢後でもその行動が直らない可能性があります。
3) 高齢になるほど身体にかかる負担が大きい
これは人間でも同じですが、やはり高齢になるにつれて手術の犬の身体への負担が大きくなります。 成犬になってから去勢手術を受けさせるのでも決して遅くはありませんが、高齢期に入る前の元気なうちに受けさせた方が身体的な負担が少なく済むでしょう。
2.去勢手術を受けるならできれば成犬になる前に
去勢手術を行うことで、ホルモンの不調が原因の病気を予防できる、望まない妊娠をさせてしまうことがなくなるので、ドッグランに連れて行って他の犬を気にすることなく思い切り走らせることができます。 去勢手術を行うには全身麻酔が必要であり、身体に負担がかかってしまうことから、高齢での去勢手術はおすすめできません。 成犬になってから去勢手術を受けさせるのであれば、犬が中期高齢期に入る前(小型犬なら8歳くらいまで、大型犬なら5歳くらいまで)には完了していることが望ましいと言えるでしょう。 去勢手術は義務ではありませんので、そのメリットやデメリットについてよく理解し、愛犬のことを考えたうえで手術を受けるかどうか決断しましょう。
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