この記事では、スコティッシュ・テリアを飼おうと考えている方へ、スコティッシュ・テリアの特徴や性格、大きさ、値段相場、飼い方のポイントなどをご紹介します。スコティッシュ・テリア飼育の参考にしてみてください。
スコティッシュ・テリアの特徴
スコティッシュ・テリアは、スコットランド原産の猟犬です。 ピンと立った耳、ふさっとした眉毛と口ひげがなんとも賢そうな顔立ちです。 カットによっては四肢が隠れるような「スカート」にして、スコッチらしいスタイルも楽しめます。 もともとアナグマ狩猟をするために活躍していた犬で、穴の中に潜りやすいよう足が短いのも特徴です。 1800年代初め頃、ハイランド地方のアバディーン市付近で多く飼育されていたため、「アバディーン・テリア」と言われていました。 スタンダードが決められ、イギリスのケネルクラブに認められたのは1930年ごろでした。 また、アメリカ合衆国の歴代大統領(第26代大統領セオドア・ルーズベルト、第32代大統領フランクリン・ルーズベルト、第43代大統領ジョージ・W・ブッシュ)にも愛され、ホワイトハウスに住んだことのある唯一の犬種です。
スコティッシュ・テリアの被毛・抜け毛
スコティッシュ・テリアはダブルコートです。上毛は「ワイヤーコート」といわれる針金のような硬い毛質になっています。
ワイヤーコートは一般的に抜けにくいと言われていますが、伸び続けるのでカットが必要になります。
下毛は他の犬種と同様に換毛期に抜けます。
毛色はJKC(ジャパン・ケンネル・クラブ)の規定ではブラック、ウィートン(小麦色)、ブリンドル(ブラックとウィートンが混ざった色)が認められています。
スコティッシュ・テリアの性格
テリアらしい勇敢さと頑固さを持ち合わせています。独立心が強いため、べったり甘えない子もいるようです。 飼い主には従順ですが、プライドが高いので自分より下だと思った場合は攻撃的になることがあります。 子供や他の犬、人に接触させる際には注意しましょう。
スコティッシュ・テリアの大きさ
スコティッシュ・テリアは小型犬に分類されますが、小型犬の中でも大きい方でしょう。
スコティッシュ・テリア 成犬の体高
JKCの規定によると、スコティッシュ・テリアの成犬時の体高はオス・メスともに25.4~28cmが一般的です。
スコティッシュ・テリア 成犬の体重
JKCの規定によると、スコティッシュ・テリアの成犬時の体重はオス・メスともに8.6~10.4kgが一般的です。
スコティッシュ・テリアの値段・価格相場と選び方
スコティッシュ・テリアの値段相場は20万円~40万円となっています。 あまりペットショップでは見かけない犬種のため、もし家族に迎えたい場合はブリーダーに問い合わせた方が良いでしょう。
スコティッシュ・テリアの選び方
スコティッシュ・テリアの子犬を選ぶときには、以下のポイントをチェックしましょう。
健康体かどうかのチェック |
・毛並みがきれいか ・口の中は綺麗なピンクで噛み合わせが良好か ・目ヤニはなくキレイか ・鼻は湿っているか ・耳の中に異常や異臭はなく綺麗か ・立ったときの肩や前腕・胸部ががっしりしているか ・お尻の周りが汚れていないか ・不自然な歩き方をしていないか ・抱き上げたときにずっしりした重みがあるか |
性格のチェック |
・元気に遊んでいるか ・遠くから声をかけたときに反応するか ・こちらに対し尻尾を振ってくれるか ・抱っこされたときにおとなしいか |
血統・将来の大きさのチェック |
・遺伝病やデメリットとなる特性を親や祖先・兄妹が持っていないか ・JKC発行の血統証明書はついているか ・数代先までファミリーツリーを確認できるか |
飼い方のポイント
お迎え時のポイント
子犬のお迎えに行く際には、必ずペットシーツを敷いたキャリーケースを用意しましょう。
安全に子犬を運べるよう、子犬の大きさに適した頑丈なキャリーケースを使ってください。
お迎え時には、食事やトイレの仕方、健康診断やマイクロチップの有無など、子犬の現在の状況を聞いておくことを忘れないようにしましょう。
かかりつけになる動物病院を事前に探しておくことで、お迎え後の健康診断などをスムーズに受けることができます。
スコティッシュ・テリアの子犬をお迎えする際には、以下のグッズを用意しましょう。
- サークルやケージ
- トイレトレー
- 首輪やハーネス
- リード
- 食器
- 給水機
- お迎え先で食べていたフード
- スリッカー・コームブラシ
- ペットヒーター(10~5月の場合)
- 爪切りやシャンプーなどのケア用品
- おもちゃ
- 除菌消臭剤 など
お迎え前には子犬が誤って飲み込んでしまわないよう、床に物はできるだけ置かない環境づくりをかかさないようにしましょう。
寒い時期・暑い時期にお迎えをする場合には、ペットヒーターやエアコンで温度管理をしっかり行ってください。
お迎え当日から3日ほどは、なるべくケージから子犬を出さず環境に慣れてもらいましょう。
初日~1週間はじっくりと様子を見て、その後にスキンシップをとっていくと子犬の愛犬に不安をあまり感じさせずに慣れさせることができます。
成長期・成犬期のポイント
スコティッシュ・テリアを飼育する際には、飼育や食事、運動やしつけなどさまざまなポイントを知っておく必要があります。
ここでは、スコティッシュ・テリアと暮らしていく上でのポイントを解説します。
【飼育のポイント】
スコティッシュ・テリアは、他の犬種に比べ、悪性腫瘍が発生しやすいといわれています。定期的な健康診断で早期発見できるでしょう。
また、「スコッチけいれん」というこの犬種特有の病気もあります。
歩いているときに背中を丸めてうずくまる、突然倒れるようなことがあれば、この病気の可能性があります。
発症する可能性はかなり少ないようですが、もし心配なら動画を撮って獣医師に見せてみるのもいいかもしれません。
もともとは穴を掘って小動物を狩っていたので、庭で遊ばせる際は穴を掘って脱走してしまわないよう、注意が必要です。
【食事のポイント】
スコティッシュ・テリアは、小型犬ですが筋肉量が多く活発なので、タンパク質が多いフードがおすすめです。
また、スコティッシュ・テリアはアレルギーを起こしやすい犬種といわれているので、フードを変えた後は皮膚に赤みが出ていないかなどを注意深く観察しましょう。
スコティッシュ・テリアは約10ヶ月で成犬になります。食事の回数は消化器系の成長に合わせて変えていく必要があります。
成長段階に合わせたご飯の回数を表にまとめたので参考にしてください。
~生後6ヶ月 |
4回 |
生後6ヶ月〜1歳 |
2,3回 |
1歳以降 |
2回 |
【運動のポイント】
スコティッシュ・テリアは非常に運動量の多い犬種で、走ることが大好きです。
散歩は、駆け足運動などを取り入れて、1日2回、30分/回(1日1時間)することが理想です。
個体差がありますが、毎日の散歩を行っても運動が足りずにストレスを感じてしまう子もいます。
定期的にドッグランへなどに通い、思いきり運動させましょう。
【お手入れのポイント】
スコティッシュ・テリアはダブルコートで、上毛がワイヤーコートという固めの被毛になっています。
伸び続けるので定期的にカットすること、また長く残した部分は毎日コームで絡まりをほどいてあげましょう。
口周りの毛を長くしている場合は、食事後に拭いてあげることでよだれやけを防ぐことができます。
表にスコティッシュ・テリアに必要なお手入れをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
ブラッシング |
毎日 |
シャンプー |
月1~2回 |
歯磨き |
毎日 |
爪切り |
月1~2回(爪が伸びていたら) |
耳掃除 |
汚れが気になったら |
【しつけのポイント】
スコティッシュ・テリアは性格が頑固な傾向があるので、幼いうちからトレーニングを徹底し、飼い主がボスであることを学ばせる必要があります。
飼い主の毅然とした態度と忍耐力が重要です。
根負けして途中でトレーニングをやめてしまうと、従わなくてもいいと思われてしまうかもしれません。
生後3~12週の時期は社会化期と呼ばれ、犬が様々な刺激に適応できるようになる期間があります。
この期間に他の人や犬と触れ合わせることで、社交性のある子に育てることができるので、パピーパーティやパピークラスに参加することをおすすめします。
トイレトレーニング |
決められた場所でトイレをできるようにする |
クレートトレーニング |
クレートに入ったまま大人しくできるようにする |
コマンドトレーニング |
「お手」「お座り」「伏せ」などのコマンドをこなせるようにする |
噛み癖のトレーニング |
噛んでよいもの・いけないものの区別できるようにさせる |
吠え癖のトレーニング |
無駄吠えをさせないようにする |
リーダーウォークのトレーニング |
引っ張ることなく、飼い主の横について散歩できるようにする |
まとめ
毎日のお手入れやしつけ、運動も重要なスコティッシュ・テリア。 大変なことも多い犬種ですが、それもすべて受け入れて信頼関係を築けたら、生涯の最高の友となってくれるでしょう。